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「PSY・S」という時代があった

◇「PSY・S」という音楽ユニット

同年代の人にはファンが多いのだけれど、「PSY・S」というユニットをご存知だろうか。
むろん学生時代の私は大ファンだったし、周囲の友人たちもハマっていたことを思い出す。なんなら今も聞いているくらいに好き。

PSY・S(サイズ)は、日本のニュー・ウェイヴ系の音楽ユニットである。1985年にデビュー。1996年8月1日に解散した。1980年代後半の活動当初から、当時最先端の電子楽器であるフェアライトCMIを駆使し、1990年代のJ-POPを先取りしたような、先進的なポピュラー音楽を展開していた。

とにかく斬新だった。変調と変拍子、意味深な歌詞、そんじょそこらの歌手には歌えないような音域と歌唱力、すべてが魅力的だった。

名曲「Angel Night~天使のいる場所~」がアニメ「シティーハンター」の主題歌に使われてその地位を揺るがぬものにした。

そんなユニットが、唐突に消えた。

音楽性の違いとかいろんな理由で消えていくユニットは多い。きっとそんなものなのだろうと(相方の松浦氏によると「直感的解散」なのだそうだ)、

残念には思いつつ、いちファンの私はその事態を受け入れるしかなかった。

◇数十年の時を経て、まさかの

世の中にツイッターが流行るようになり、いろんな人と直接やりとりができるようになった。
そんなある時、仲良くしてくれていたフォロワーさんの一人と偶然にもPSY・Sの話で盛り上がっていた。やはり同じように彼女もPSY・Sの突然の解散を残念に思っていたようで、二人で懐かしい話に花を咲かせていた。

すると、

唐突にPSY・Sのヴォーカルのチャカさんから直リプが飛んできた。

◇「大人の事情で」PSY・Sの歌は二度と歌うことができない、とのお返事

スクショでも撮っておけばよかったと思ったけれど
ご本人からのツイートによると、いまもソロでお元気に歌っていらっしゃるということ。PSY・S時代からのファンも多くいらっしゃるようだった。
しかし、PSY・Sの歌は、「大人の事情」で二度と歌うことができない、とのこと。
「PSY・Sの歌は体力を使う歌でもあるし、もう歌えませんよ~」と茶化すような感じで明るくツイートしていらっしゃったけれど、
「大人の事情」の5文字に込められたいろんな思いに泣きそうになった。
うん、もうね、十分に察しました。いわゆるアレコレですね。

アーティストにとって、自分の歌とは、自分の子ども、自分の命そのものだ。いくら体力使う難しい歌であっても、絶対に歌い続けたいと思うものだろう。それを歌えないというのはどれほどの苦痛だろうか。察するに余りある辛さだ。
それでもなお、歌い続けてくれていることに感謝した。

「平成」という時代は、著作権だとか、目に見えない財産が徐々にクローズアップされた時代だったなと思う。
それまでは「見えないからスルーされていた」あれこれが、みんなと共有され、意識され、大切に保護していこうと、牛歩のようなゆっくりした動きで改革が進んだ。
そのはざまには、とても大変な思いをした人がたくさんいる。いまなお苦しんでいる人もいる。
面倒だからやりたくないと思うことも多々あった。けれど、おそらく子供たちの時代のために、そういう部分にメスをいれて改革しないといけないことが、まだまだたくさんあるんだなぁ。

実はPSY・S以外にも同じように「自分の歌なのに歌えなくなってしまった」という推しアーティストが他にもいる。

そういう人たちが新時代、令和の時代には、いなくなることを切に願う。

ちなみにPSY・Sのなかで一番好きなのは「景色」という曲です(というとみんな( ゚д゚)ポカーンとするけど神曲だと思うよ!)


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