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【熊本】西岡養蜂園のはちみつたち①

先月、九州を縦断した際に求めた西岡養蜂園のはちみつを今日は紹介します。7種類あるので2回に分けます。

西岡養蜂園は熊本県の八代市にある養蜂園で、八代を拠点に冬は奄美、夏は北海道に蜜蜂と共に移動する移動養蜂家さんです。
昨年の8月にショップに併設のカフェをオープンされたそうです。

私が訪れた日は2月の頭の雨の降る平日でした。すごく混雑しているということはないけれども、地元のかたと思われるお客さんが入れ替わり立ち替わり来られてはカフェに入ったり、はちみつを試食して購入していかれたりしていました。

公式ホームページに載っている『LIMITED HONEY』は関西圏の百貨店のグロッサリー売り場でも見たことがあって、鮮やかで目を引くパッケージはとても興味深く見ていました。
しかし、こちらのショップではそのはちみつではなく、絵本に出てくるようなかわいくて温かみのある蜜蜂の絵が描かれたはちみつのシリーズに心奪われました。今回購入したはちみつがすべてではなく、実際にはもう少し種類があったのですが、悩みに悩んで厳選した7種類のうちのまずは3種類をご紹介します。

①百花みつ

お店の人に聞くと、この百花蜜は北海道産だそうです。
色は明るめのオレンジ。
香りは生花のような青みがかった花の香りがします。
舌ざわりはトロトロとして緩めです。舌に乗せたらするすると溶けていきます。
味わいは軽くハーブにような渋みがあり、北海道で採れるトチノキや菩提樹のはちみつによく似た味わいです。
酸味は無く、苦みというか軽い渋みやハーブのような清涼感を感じます。
後味はキレが良く残りません。
料理との相性については、菩提樹やトチノキとよく似た傾向の味わいのため、クセがあり、そのままの味を楽しむよりも、肉に合わせたりすると良いかもしれません。

②くりはちみつ

さきほどの百花みつに比べて少し褐色ぎみの色をしています。
香りは香ばしい香りがします。
舌触りはサラサラとしています。
味わいは、栗特有の生臭さを感じられず、甘い中に苦みと酸味をバランスよく感じられます。
酸味は中ほどに少し軽く感じる程度ではちみつ全体の味わいを決定づけるほどではないです。もしかしたら別の日に食べたら感じられないかもしれません。
苦みについては先味から後味まで長く感じられますが、嫌な苦みではなく、どちらかというとこのはちみつの全体の性格を決定づける香ばしさのベースになるように思います。
後味については軽い苦みや香ばしさが後を引きます。
料理との相性については、こういう苦みの感じられるタイプのはちみつはミルクとの相性がいいので、ホットミルクやマスカルポーネチーズに混ぜてディップにしたりすると美味しそうですね。

③不知火はちみつ

不知火というのは八代海で旧暦の8月1日ごろに見られる蜃気楼のことをいうそうで、そこから採られたのか八代海のことを不知火海と呼ぶそうです。私の尊敬する作家の石牟礼道子氏の著作に『不知火ひかり凪』というタイトルのエッセイがあります(読んだことはないのですが)不知火海が凪いで光にあふれる様を彼女は悲しみの中で愛していたのでしょう、彼女の作家人生の使命を象徴するようなタイトルだと思います。いちどだけ、八代市からさらに南に下った津奈木町という八代海に面した町の小学校跡地に訪れたことがあり、光がぼうっとあふれる凪の海を眺めたことがあります。おだやかで人の営みに恵みを与えてくれる優しい海でした。玄界灘とはちがうなとそのとき思ったことを覚えています。
脱線しましたが、このはちみつの名前にある不知火は不知火海のことではなく、柑橘類の1種であるシラヌイ(清見とポンカンの交配種)のことです。
色は濃い目の黄色をしています。
香りは柑橘類の持つ優しい甘さを感じさせる甘い香りがします。
舌ざわりは柔らかくとろりとしています。
味わいは上品な優しい甘さを感じられ、なるほど、ポンカンと清見をイメージさせるような味わいです。
酸味はほとんど感じられ無いです。
苦みは最後のほうに青草のような、みかんの皮をかじった時の渋みに似たような苦みを感じられます。
料理との相性については、クセの少ないはちみつなので、そのまま風味を楽しめるような使い方がいいかと思います。パンドミにつけて食べたり、白系のナッツ(マカダミア、カシュー、ヘーゼルなど)を漬けたり絡めたりするとよく合いそうです。

ではまた。

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