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勉強期間は1カ月。「ITパスポート」に独学で合格しました!

表題の通り「ITパスポート」に1カ月間の勉強で合格することができました。

資格試験って難しいものですね。
曖昧に知っていたレベルのことでも、しっかり言葉を定義しないと理解できたことにはならないのですから……。

たとえば「経営理念」という言葉は耳に覚えがあっても、いざ試験問題に出てくると「おや?」「知っていそうな言葉のはずなのに」「問題の意味がわからない」といった状況に陥ってしまいます。

◎ITパスポートの基本

このたび私が受験した「ITパスポート」とは情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格のことです。
「iパス」と呼ばれたりしていますね。
経済産業省がバックについています。

公式サイトによると、下記のように記してありました。

iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。

IPAのサイトによれば、令和5年3月度の実施分で、年間応募者数が253,159人となり、試験開始以来初の25万人を突破したそうです。

いまやITとビジネスは切り離せない関係にあります。
応募者数が増加しているのもわかりますね。

受験者数は64.3%くらいが社会人、35.7%くらいが学生とのことでした(令和3年度1月)。

ネット情報によると、合格率は50%程度らしいです。
思ったより低いような……?(不安)

◎私のIT理解度はどれくらい?

私は仕事として、IT関係のライティングや編集に携わっています。
とはいえそれほどITに詳しいわけではなくて、何かこう広く浅く蓄積がある、なんとなくなじみがある……そんな程度だったりします。

受験のきっかけについても、特に資格を必要としていたわけではありません。
周囲に「ITパスポート」を目指している人が何人かいたため、「あの人が受けるというんなら、自分にもできるんじゃないかな」と触発されたというのが正直なところです。

あと社内で箔がつくかもしれない……という邪な思いも少し。

◎1カ月で独学という目標を立てる

なので周囲の誰よりも先に取得したい、抜け駆けしたいという気持ちがありました。
そのため1カ月という欲張った目標を立てたわけです。

独学でどこまでできるのか、自分を試してみたい気持ちもありました。

その際は読書猿氏の著書『独学大全』が大いに役立ち、励みになりました。
目標の立て方、継続する方法、学び方、覚え方……すべての独学メソッドが集約されています。

おかげさまで無事合格できましたが、せっかくなのでここにその顛末を時系列で記しておこうと思います。
これが皆さんの参考になると嬉しいです。

◎ITパスポートを受験するにあたって

受験の詳細については「ITパスポート」のWebサイトを参照すればよいのですが、自分が気になった箇所を列挙しておきましょう。

▲ITパスポートのサイト

○受験料

受験料は7,500円(税込)でした。
高いのか安いのかよくわからなかったのですが、受けるからには無駄にしたくない金額感です。
なお、申し込みはITパスポートのWebサイトから行えます。

○CBT(Computer Based Testing)方式

試験時は、会場に備えられたコンピュータで回答を入力していきます。
マークシート世代としては新鮮でした。
これなら解答欄を間違える心配もないですね。

○比較的自由に選べる試験日程

試験の日時や場所の選択肢が広く、選びやすかったのは助かりました。
思ったより席が埋まっていたりして、受験者数は意外と多いんだなと感じました。

○テクノロジ関連の問題は約半分

実は「ITパスポート」ってテクノロジ系の問題がほとんどなのかと思っていました。
割合としては50%程度だそうです。
これは大誤算で、残りの50%……ストラテジ系やマネジメント系はゼロからの勉強スタートとなります。
出題範囲が広く、ハッキリ言って不安です……。

○合格基準

100問あるうちの60%以上に正解すれば合格とのことです。
そんなにハードルは高くないのかな?と思ったのですが、いかがでしょう。
ただし、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系それぞれで30%以上正解する必要があり、やはりまんべんなく勉強する必要はあるようです。

▶︎ 試験当日まであと1カ月……。

◎ITパスポートの参考書を調達

いずれにせよ、まずは「参考書が必要だな」と思い、さっそく書店へ向かいました。
するとどれも分厚くて、500ページ以上ある……。
察したのは、どれでもいいので最後まで読み通せるかどうかが大事だということでした。

私が選んだのはいちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集です。

本当はこの最新版ではなく「令和4年度」版を中古で調達したのですが、これは「シラバス6.xに対応していれば大丈夫なんじゃないかな」と安易に思ったためです。

▲購入した参考書。最新版より1年古い

ただし出てくる問題の傾向を知るためにも、皆さんには最新版を購入することを強くおすすめします。

参考書は10日ほどかけて読み込みました。
意外な発見があって、内容は思ったより興味深かったです。
章ごとに出る順の過去問が載っていたので、理解度の確認に最適でした。
当然ですが参考書はやはり必携ですね。

▶︎ 試験当日まであと20日……。

◎CBTを試してみる

参考書を読み終えたところで、「実際の試験はどういう感じなんだろうな?」と気になりました。
ITパスポートの公式サイトでは疑似体験ソフトを入手できるので、実際に試してみるといいでしょう。

▲疑似体験ソフト。ここから入手できる

自分は参考書に載っていた確認問題と、画面に映る無機質な試験問題のギャップに少々びびりました。
本番試験と同じような緊張感が味わえるので、ぜひ体験しておくべきです。

▶︎ 試験当日まであと18日……。

◎令和4年度の過去問題を解く

力試しとして令和4年度(当時の最新版)の公開問題に挑戦してみます。
なお、CBTでも試せるのですが、あとで振り返りやすくするためにも問題を紙に印刷し、答えも手作りの解答用紙に手書きしました。

▲過去問題はここから入手

テストは70分くらいで終わらせることができたので、時間配分は問題ないように思えます。
ケアレスミスをなくすためにも、もっと時間をかけてよさそうですね。

ただ、出てくる問題は参考書の内容より難しく感じます……。
結果は70点と、合格ラインには達したものの、特に「マネジメント系」がかなり足を引っ張っていました(正答率45%)。

間違えたところ、あてずっぽうで正解したところを参考書と照らし合わせながら再度確認しました。
その結果、計算問題は解き方が全くわからないものもあり、ある程度は切り捨てることになりそうだなと感じました。

▶︎ 試験当日まであと2週間……。

◎参考書をしゃぶり尽くす

参考書に載っている過去問は解けないと話にならないと思い、全問解けるようになるまで繰り返します。

それと、もう一度参考書を軽くざざっと読み返すことにしました。
既にわかっている部分や練習問題はすっとばし、2時間ほどで流します。

目的は、きちんと覚えられていない重要単語・内容のピックアップです。
項目数は70超におよびましたが、逆に言うとこれらが理解できれば合格も見えてくるというものです。

経営理念、CSR、ヒストグラム、売上総利益、ROEの計算、不正アクセス禁止法、著作権の帰属先、ISO9000:品質、ISO14000:環境、ISO27000:セキュリティ、PPM(Product Portfolio Management)、MBO、マーケティングミックス(4P)、4C、RFM分析、BSC(Balanced Scorecard)、CSF(Critical Success Factors)、SCM(Supply Chain Management)、魔の川、死の谷、ダーウィンの海、コンカレントエンジニアリング、エスクローサービス、EA(Enterprise Architecture)、SoE、DFD、E-R図、BPR、BPM、グループウェア、システム企画、SLCP、企画→要件定義→開発→運用→保守、システム化計画の立案プロセス、ROI、要件定義プロセス、RFP

▲ストラテジ系でなかなか理解が深まらなかった事柄

システム要件定義→システム設計、XP(eXtreme Programming)、テスト駆動開発、リファクタリング、プロジェクトマネジメント、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)、WBS(Work Breakdown Structure)、アローダイアグラム、SLM(Service Level Management)、SLA(Service Level Agreement)、BCM(Business Continuity Mnagement)、システム監査、ITガバナンス

▲マネジメント系でなかなか理解が深まらなかった事柄

10進数→2進数の変換、集合、1GB=10億バイト、スタック、シンプレックスシステム、RAID 0、MTBF(Mean Time Between Failures)、MTTR(Mean Time To Repair)、フォールトトレラント、増分・差分、NULL(空)、トランザクション、ルータ、デフォルトゲートウェイ、NAT(Network Address Translation)、DHCP、LPWA(Low Power Wide Area)、RAT(Remote Administration Tool/Remote Access Tool)、クロスサイトスクリプティング、ISMS(Information Security Management System)、共通鍵暗号方式.公開鍵暗号方式、PKI、IDS・IPS、WAF、SQLインジェクション、DMZ(DeMilitarized Zone)、耐タンパ性

▲テクノロジ系でなかなか理解が深まらなかった事柄

やはり英単語は覚えにくいですね。
定期的に見直し、理解できたものから消していきました。
とにかく参考書の内容を少しでも頭に入れておきたかったのです。

▶︎ 試験当日まであと10日……。

◎スキマ時間を作成・活用する

受験料7,500円をただでは失いたくないですから、空き時間も有効活用しようと心に決めたのもこのころです。(貧乏性)

基本的に、勉強する時間は朝早く起きて確保しました。
土日は合わせて2~3時間くらいを勉強の時間に充てていたと思います。

自分はあまり性に合わなかったですが、スキマ時間にこういうスマホアプリを活用するのもいいのではないでしょうか。

▲スマホアプリ。その名も「ITパスポート」

▶︎ 試験当日まであと1週間……。

◎ITパスポートの過去問にひたすらチャレンジ

たまたまウェブサイトを見たところ、ちょうど令和5年度の過去問がITパスポートのサイトにアップされていました。
タイミングよかったですね。

さっそく取り掛かったところ、76点でした。
最低80点を目指していたので、少々残念です。
合格ライン(60点)は超えたものの、あまり勉強した成果が感じられない……。

というのも、自分の知らない用語を使った問題が多かったのです。

主成分分析、ソーシャルメディアポリシー、フォーラム標準、M2M、不正競争防止法、前払式支払い手段、BPMN、定量発注方式、部品購買システム、システム監査人、散布図、ISMSクラウドセキュリティ認証、ドライブバイダウンロード、論理積・論理和、OSS、関係データベース

▲とくに理解が足りなかった事柄

あと、計算問題を捨てまくったのがよくなかったですね。

ただ、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系それぞれまんべんなく点が取れたのは、学習の成果が出たように思います。

こちらも解けなかった問題、まぐれで正解した問題を振り返り、(計算問題以外は)理解できるようにしました。

令和3年度の問題にもチャレンジしたところ、結果は79点。
試験内容がやや古いように思いました。
あたりまえですが、令和5年度(最新版)から古い方へと順にこなしていった方が効率がよいように感じます。

ICANN、マーチャンダイジング、ABC分析、損益計算書、サイバーセキュリティ基本法、管理図、プロジェクト統合マネジメント、SLM、SLA、レジスタ、S/MIME、ISMS、SECURITY ACTION、アセスメント、RAT、リスク移転

▲とくに理解が足りなかった事柄

そうこうしているうちに、試験が翌日に迫ってきました。
あっという間でした。

▶︎ 試験当日まであと1日……。

◎ITパスポート試験当日の様子

試験当日は30分前から受付を開始しているとのこと。
周囲の雰囲気に慣れるためにも、早めに会場に向かいました。
(受験票と身分証明書を忘れないように!)

ハンカチ、ポケットティッシュ、目薬以外は持ち込み禁止。
腕時計もNGです。

会場にもよると思いますが、私物はすべてロッカーに預けさせられました。

ちなみに「ITパスポート」を受験することは周囲に黙っていられず、つい職場の人に話してしまいました。
「不合格だったら格好悪いなあ」みたいなことを考えてしまい、けっこうプレッシャーだったです。

そんなことを思い出したり、緊張を和らげようとぼんやりしたりしていたら、試験開始の時間が近づいてきました。

自分の席に着くと、机にはデスクトップパソコンとディスプレイ、シャープペンシル、メモ用の紙などが用意されていました。
(ちなみに座席は指定されます)

試験会場は物静かで、どことなくぴりぴりしています。

そもそも私にとっては受験という行為が久しぶりです。
就職したときの採用試験以来かもしれません。
もちろん緊張しましたが、ちょっと新鮮な気持ちでした。

◎ITパスポートを受験してみた結果と振り返り

試験内容は……想像していた以上に難しかったです。
もちろん知っている問題もちょくちょく出てくるのですが、知らない言葉が出てくるとやはり動揺してしまいますね。

そんなとき、いかに冷静になれるかが大事なのだろうと思ったりしました。

○試験結果

試験を受けた結果は、総合評価点で780点。
(ITパスポートのサイトから点数を確認できます)
本当に上出来です。
実際の合格発表はもう少し先になりますが、点数的には合格圏内でしょう。
心からほっとしました……!

▲試験結果。合格圏内でよかった

○受験の心得

最後にありきたりですが、自分が感じたITパスポート受験の心得をまとめておきます。

  • 100点は目指さない

  • 受験日を早めに決める(通常は2カ月ほしいかも)

  • CBTに慣れておく

  • 参考書はしゃぶりつくす

  • 過去問を解きまくり、解けなかった問題は繰り返し挑戦する

  • 常に学習モードにしておく(スキマ時間を使う)

こんなところでしょうか。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
皆さんのご健闘をお祈り申し上げます!

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