見出し画像

エンゼルバンク✕学校教育 2 〜大切なのはものは変わらない〜

教育を本気で語る会、マンガ大好きなカズです!
前回お伝えした「農業と学校の共通点」に関して、
予想以上のメッセージをいただき、
今回も「エンゼルバンク」で医療を取り上げた14巻です!


1 医者にも教師にも完璧を求める

医者も完璧になんてなれないのに患者からは期待されているから自分は誤診しない立派な医者だって態度をとってしまう。でも自分の診察に絶対の自信を持つ医者に診てもらうのはとても危険。本当にいい医者というのはね、いつ誤診してもおかしくないと危機感を持って何重にもチェックする医者のことなんだよ。

エンゼルバンク14巻 一部改定

教師の役割について考えるきっかけになりました。
教師は常に正しくて、間違えたことを教えてはならない。
仮に間違っていたとしても認めないら謝らない。
生徒にナメられないように権威を振りかざしてないといけない。
そのような教育の常識にカズはずっと疑問を抱いていました。
正しさだけを求めるなら解説付きの模範解答を配ればいい。
マウントを取りに行くなら経験と立場を利用すればいい。
こんな理不尽な方法は教育の本質から大きくそれています。
間違えないように準備することが大切です。
間違えてもいいような雰囲気を作ることは、
生徒にも教師にもチャレンジ精神を育んでくれます。
誤診をするから正しい診察につながるように、
失敗をするからこそ大きな成功につながります。
失敗のない成功なんて大した成功ではないと思います。

最後の医者は良い医者だ。

この格言は様々な誤診と診察を重ねて可能性を狭めたら、
最後の診察をした医者が名医になれるという意味です。
これは「失敗を重ねたら本物の成功だ」と言い換えられます。
教師も生徒も、トライアンドエラーを大切にしていきたいです。

2 ちょっとの損が大きな得

患者さんを信頼しないで制度を整えるより、いいサービスが評判になりこの病院に来たいと思う人が増えればいいんです。

エンゼルバンク14巻 一部改定

サービスというシステムの基準を、
医者ではなく患者のために作っていくことは、
学校の仕組や規則を生徒目線で一緒に作ることと同じだと思います。
先生達の都合でルールメイキングをすれば、
問題が起きにくくなるかもしれません。
しかし、問題を起こさないことが目的ではなく、
課題を解決していくプロセスに様々な学びの機会があります。
トラブルを発生させないように「損を嫌がる」と、
生徒の学びの機会という「大きな得」を逃してしまいます。
「ちょっとの損が大きな得」というマンガのセリフは、
ノーリスク思考の学校文化に警鐘を鳴らしてくれます!

3 色んな場所で需要を見つける

今の日本で医療制度を改革しようとしても、昔からの利権がややこしくて必ずつまずきます。カンボジアでは日本の教訓を生かしてより良い医療制度をゼロから作り上げます。カンボジアで成功した治療制度を日本に再輸入する方が早く改革できるかもしれません。

エンゼルバンク14巻 一部改定

学校は新しい風を嫌うことが多いです。
ICT活用だけでなく、生成AIやスマートフォン、
制服の変更や入試改革なども、
教師の負担が増えるといって嫌がられることが多いです。
FAXや一太郎を使い続けることがその典型です。
変化を求めない学校に変化を起こそうとすると対立が生まれてしまうので、
変えようとするなら内側からより外側から攻めるようにしています。
ICTの活用や生成AIの研修など、
カズの勤務校では求められませんが、
他校の先生方からは職員研修を依頼されることがあります。
いくつかの学校で研修をさせていただき、
その中からは継続的な支援や連携につながった学校もあります。
すると勤務校の管理職から「うちでもやってみないか?」と言われるようになりました。
その時に気付いたのは
「声をあげるなら中からより外からだ」
ということです。
医療の逆輸入というストーリーを見た時に、
教育の戦略と同じだと感じました!

4 教育と医療の主体性

アメリカでは医療費を払うためにサブプライムローンというマネーゲームに参加するしかなかった。健康と命への不安が小さい国のほうが国民は幸福になれる。

エンゼルバンク14巻 一部改定

サブプライムローンの問題の本質も考えようとせず、
強欲なアメリカ人が起こしたバブル崩壊だと思っていました。
しかし、実態は医療制度のひずみから生まれた問題だと分かった時に、
日本の医療制度の強みを痛感しました。
大切なのは「治療をうける」ことを
自分で選べることです。
受診の権限が保険会社にあると、
治療を受けられずにサブプライムローンに頼らざるを得なくなります。
以前にnoteに書いていたハッシャダイソーシャルの「Choose Your Life」と全く同じです。

医療も教育も主役は「先生」ではありません。
この根本をしっかり見直していけば、
医療と教育の主体性が日本の幸福につながります!
もう一度システムや校則を考え直して、
サブプライムローンの問題を再発させないような仕組を考え直したいです!


医療と教育の共通点がこんなにもあることに驚きました。
昨今ではよく話題にあがるチーム担任制も医療から得た着想です。
医療制度について勉強していくと、新たな糸口がつかめるかもしれません。
これからも続けていきます!

「教育を本気で語る会」ではX(twitter)、 Facebook、 Threads、spotifyでも発信しておりますので、そちらのフォローもよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?