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SDGsボードゲーム Get The Point 〜vol.1

こんにちは!教育を本気で語る会の高校英語教師のJOYです。
先日、教科書の単元テーマSDGsについて生徒に質問をしてみました。
皆さんが大切にしているSDGsの目標は何ですか?
ほとんどの生徒から返ってきた答えが「リサイクル」でした。
SDGsという言葉だけがひとり歩きしていることを痛感しました。
そこで今回はこちらの教材に挑戦してみました。

英語の授業時間に活用させていただいたので、
アウトプットにつながる目標を探しながら生徒に取り組んでもらいました。
その中で発見した生徒のとんでもない気づきや、
予想以上の生徒の表現力をお伝えします。

1.生徒主体のボードゲーム

今回は生徒にファシリテーターをお願いしました。
JOYの授業の導入は自由進度のテスト形式で始めていますので、
解答も復習も短時間で終える生徒がいます。

まずはその生徒たちにいち早くゲームを実践してもらいました(グループ①)。
このグループでは私がファシリをして、生徒に全体像を掴んでもらいました。
グループ①がやっている間に、テストを終えた次の生徒たちに別の机でゲームの準備をしてもらいました(グループ②)。
そして、グループ②のゲームからは、グループ①の生徒たちがファシリテーションをしました。
その後、続々とテストを終えた生徒が新しいグループを作る度に、
グループ①のファシリが声をかけあって分散してくれました。
ちなみに参加しない子もいました。
みんなでワイワイとゲームするより黙々と勉強したい。
自己決定ならばそれも良しです!

2. 英語で表現〜スピーキング

生徒たちがひと通りゲームを終わったら、
次のゲームにはALTに入ってもらいました
ゲームの流れを掴んだ生徒たちが、ALTに英語でルールを説明しました。
カードの内容を英語で説明するのはとても難しいのですが、
資源のイラストを指差したりして、ジェスチャーをフルに使って説明しました。
まさにbody lunguageです!

このゲームが楽しいからでしょうか、分からない英語にも果敢に挑戦してくれました。
fossil fuel(化石燃料)などの知らない単語を、
文字からではなくゲームを通して覚えたので、
意味付けも発音もスムーズに身に付いたようです。
株式会社JEPLAN岩本会長が教えてくださった「正しいより楽しい」はまさにコレだと体感しました。

3. 英語で表現〜ライティング

ALTとゲームをしていない生徒には、
ゲームを通した学びと気付きを英語で書くことに挑戦してもらいました。
クライシスカードや再生可能エネルギーなどが、
現実のどのような問題とリンクしているのか。
教科書の本文の内容と、このゲームの相関点はなにか。
様々な視点から生徒同士で感想を共有し、英語でまとめていました。
さらに驚いたのは、生徒たちがパワーポイントを使いこなして、内容を整理していたことです。
パワーポイントの操作説明をしようとしたら、
「それ知ってます」「できます!」のオンパレード。
子どもにはできないだろう、なんて偏見は捨て去るべきだと反省しました…。
デジタル世代のスキルは大人の予想と技術を大きく上回っています!

4. 生徒の意外な一面

英語が嫌いな生徒は他のテーブルでゲームを繰り返していました。
前回の合計金額を上回るにはどうしたらいいか。予想不可能なCrisis(クライシスカード)にはどう対応したらいいか。
電卓を片手に未来を描きながらゲームを勧めていく生徒の姿は、
持続可能な社会を目指すSDGsの目標そのものだと思います。
また、春休みに画用紙を使って、英語版手作りカードを作りたいという生徒もいました。
英語はできないけど、パソコンを使いながらカードやルールの説明を英語に訳していました。
これは、英語が苦手な生徒の課題解決の手段そのものです。
英語は嫌いだから授業中は一言も話さない生徒が、
時間を忘れるくらいまで楽しそうに参加してくれていました。
いつもブスッとしている生徒が、初めて授業中に笑ってくれました。
冒頭でお伝えした参加を拒否した生徒がいつの間にか楽しそうに混じってくれていました。
重ねがさね、あちこちの生徒の言動に心を打たれました。
このような素晴らしいカードゲームを教えていただきまして、
すなばコーポレーションの門川さん
パブリックリレーションズ木野さんに、
改めて感謝申し上げます。

次回はゲームを終えたそれぞれの生徒たちがどのようなリフレクションをしたのか、
それらをまとめてみます。
「教科書を学ぶ授業」から「教科書で学ぶ授業」へシフトしていく生徒たちの、
予想以上のリフレクションについてお伝えします。
学ぶって、実は楽しい!

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