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「私がいつも仕事で考えてることが、きっと子育てにもスライドできると思うんです」作業療法士くまさんインタビューまとめ


今回は、二人のお子さんのお母さんであり、作業療法士の くまさんをゲストにお招きした『子ども達が大人になった頃の「働きかた」は?』第3回LIVE配信のまとめ記事です。

インタビューの内容をざっくりとnoteにまとめます。
詳細はぜひ音声でお聴きください。

作業療法士・二児の母 くまさん インタビュー


くまさん 24歳のときに国家資格を取って、そこからずっと作業療法士をしています。名前だけ聞くと、何の仕事かっていつも聞かれるんです。

端的に言うと、「その人の困ったことややりたいことがあったら一緒に考えますよ」というお仕事です。

理学療法士さんとの違いは、作業療法士は精神科の患者さんにも関わることができるところがひとつ特徴としてあります。

「私が仕事でいつも考えていることがきっと子育てにスライドしても同じように考えられるんじゃないかなと思ってます。」



きいす
 精神疾患などで辛い状況の患者さんにお仕事で関わって寄り沿う際に、自分まで辛くなってしまうことはありませんか?

くまさん 私自身はそんなにないですが、精神科病院に勤めているお医者さんがそうなってしまうことも多いと聞いたことがあります。
やはり、関わっている量が多いかたは負担が多いと思うのですが、プロなので心の折り合いの付け方みたいなものはきっとあるんじゃないかなと思ってます。

きいす 自分の心が辛くなっちゃうと、患者さんに寄り沿うどころではなくなってしまいそうですね。
子育ても同じこと言えそうですよね。子どもが辛い状況にあるとき、親はもちろん心配なんですが、あまりにも一緒になって背負いすぎちゃうと共倒れに…ということもありますよね。

くまさん そうなんです。だから、私が仕事でいつも考えていることがきっと子育てにスライドしても同じように考えられるんじゃないかなと思ってます。

「その人の好きなことの中に、好きな要素って細かく分かれているんですね。それを分析して、得意なところを伸ばしていって、苦手なところをどう乗り越えていくかを一緒に考えます」


くまさん
 私がいまから話すことって、うまくいってるよってことでは全然なくて、日々過ごす中で暗中模索しているひとりの母親なんですが、作業療法の話でいくつか大事にしていることがあるんです。それを今日お話ししたいと思ってます。


作業療法の中では、本人の好きなことや、やりたいことをいかにやっていくかということがすごく大事になっているんです。

まずそれをひとつ見つけることと、見つけたら今度はそれを分析していくんです。好きなことの中に、その人が好きな要素って細かく分かれているんですね。

「大人になったときに『助けて』が言える子になってほしいんです」


くまさん 生後間もなく脳性麻痺により手足が不自由となり、現在は東京大学先端科学技術研究センター准教授・小児科医の熊谷晋一郎先生の言葉で、「自立とは、依存先を増やすこと」とおっしゃってるんですね。

まわりの人に支えられて生きていることを認識したり、困ったときに助けてと言える環境があるのはすごく大事だと思っているので、うちの子たちにも、社会人になってもそういうことをしてほしいと思ってます。

「親がすべてを背負わなくても、分散させれば良いと思います。身近に親以外の大人がいなければ、自然の中に身を置いてみたり、SNSの繋がりからももたらされることがあるんじゃないでしょうか。」


きいす 寄り沿うのが大事とわかっていても、子どもがなかなか動き出さなかったり結論がでなくて時間が長くなっちゃったりするとイライラしてきてしまうんです。

くまさん 私個人の考えとしては、親が全部知らなくても良いんじゃないかなと思います。親じゃない大人にどれくらい接してられるかというのを私はすごく気にしてます。

我が家の場合は、おじいちゃんやおばちゃんだったりとか、私の知り合いで学習支援をしているかたがいるので、そこのお姉さんに話を聞いてもらったりとか。分散させてもいいのかなと思います。


きいす うちは核家族で、祖父母や親戚の家が近所にないので、身近な大人というと親と学校の先生しかいない環境なんです。

くまさん 例えば、寄り添うのは人間じゃなくてもいいんじゃないかなって思います。自然の中に連れていって予期せぬことがあってそこで色々学ぶことがあるかもしれないですよね。

子どもも色々なSNSツールや仮想空間がまわりにあって、そこからもたらされる繋がりもきっとあるんじゃないでしょうか。


この他にも、くまさんのお仕事やこれまでの経験について、詳しくお話を伺いました。

■作業療法士の具体的な仕事内容について

■くまさんの、ストレス発散方法

■くまさんはどんな子どもだった?

■高校中退後、数々のアルバイトを経て専門学校に進学するまで

■医療関係のお仕事をされているお父様からの勧めで作業療法士の道へ

■現場で働くくまさんと、経営サイドのお父様とで意見が食い違ってバチバチ!?!?

■好きな要素を分析していく方法の具体的な例について

■一日のスケジュールを書き出してもらい、生活のバランスを見て一緒に考えていく作業療法士の方法は子育てにも活かせるのではないか

■やりたいことがない人には「やりたくないこと」を聞いてみる

■やりたいことがないと言ってる子は、やりたいことを言い出せない場合も

■ひとりの時間も子どもの成長のために大事な時間

■外の社会とひとりの時間を、行き来できることが大人になっても必要


インタビューでは、このようなこともお話いただきました。
詳細はぜひ音声でお聴きください。


《おひたちさんから事前にいただいていた質問へのお答え》


Q. 好きなはちみつは何ですか?

くまさん えーと、ハチミツはあまりこだわりがないですがなるべく国産を選んでいます。
あとスピッツのハチミツは好きです(笑)

きいす 聞かれてないですが私からも。
以前食べたみかんのハチミツが美味しくて気に入りました。
スガシカオが好きでよく聴いてました。スピッツのチェリーや、ジュディマリのそばかすや、モーニング娘のラブマシーンをカラオケで歌ってました。
自転車に二人乗りするときは「ステップ」を使ってました。最近は見かけませんが…。危ないから良い子は真似しないようにね。


《 LIVE配信で話題にのぼった、映画館のお話 》

STORY 1

STORY 2

STORY 3

STORY 4

STORY 5

STORY 6


《 LIVE配信で話題にのぼったマンガ 》
Shrink〜精神科医ヨワイ〜

原作・七海 仁  漫画・月子

パニック障害、うつ病、発達障害、PTSD…。
心に病を抱えながらも、誰にも相談できずに苦しんでいる潜在患者が数多くいると言われる、隠れ精神病大国・日本。その自殺率は先進国では最悪レベル。なぜそのような事態に陥ってしまっているのか…。
精神科医・弱井幸之助が、日本の精神医療が抱える問題に向き合い、人々の心の影に光を照らす!

集英社 グランドジャンプ 公式サイトより


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最後になりましたが、今回インタビューにお答えくださいましたくまさん、LIVE配信にお越しくださいました皆さん、どうもありがとうございました!第4回もお楽しみに。



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