【狩野永徳・松栄筆】聚光院本堂障壁画 国宝が里帰り(京都・大徳寺)
茶聖・千利休の菩提寺にして、日本絵画の最高峰・狩野永徳の障壁画を有する京都・大徳寺聚光院。京都国立博物館に寄託していた、狩野永徳とその父、松栄による本堂障壁画全46面(国宝)が5年半ぶりに里帰りし特別公開される。
永徳が障壁画を手掛けた安土城、聚楽第、大坂城はいずれも兵火・破却に遭い現存する作品は少なく、大規模なスケールで残るものは聚光院本堂のみ。1979(昭和54)年に《モナリザ》が来日し展示された際、答礼としてフランスで展示されたのが永徳筆《花鳥図》だった。まさに日本美術を代表する傑作といえるだろう。
もともと《花鳥図》を含む障壁画全46面は聚光院本堂の空間のために設計し描かれた作品である。建物に収まり調和したときこそ、作品本来の躍動感を感じることができるはず。日本を代表する建造物と作品の美しさを、その目で確かめてみてほしい。
出典:ひととき2022年9月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細はお出かけの際、現地にお確かめください。
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