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在野研究一歩前(6)「はじめての短期労働(登録編)」

 前回の「在野研究一歩前(5)」では、学部時代の私が「大学院の学費」に必要な経費を獲得するために、「短期労働」に取り組むことを決めた、という話しをした。また、「短期労働」の利点についても、少しだけだが提示することができたように思う。
 現在、大学生で、将来は「大学院進学」を目指しているが、金銭的に難しい状況にある人が多いことは、すでに述べた。「お金がないなら学問するな」「奨学金を貰えばいいじゃん」といった雑なアンサーではなく、具体的にどのように動けば、自分自身の力だけで大学院に進むことができるのか。それを考えるのが、私がnoteをしている理由である。


 今回の「在野研究一歩前(6)」では、「はじめての短期労働(登録編)」ということで、実際に「短期労働」を始めるには、どういう手順を踏めばいいのかを、何回かの記事に分けて説明していきたいと思う。
 そこで、はじめに幾つかの注意点を示しておく。

①私は京都を中心として、その周辺(大阪、滋賀、奈良)で、短期労働に従事している。そのため、私が記事中で扱う内容はどうしても「関西圏」のものに偏らざるをえない。
②①での偏りを多少なりとも解消するため、記事中ではあまり具体的名称を用いることは避けて、誰がみても分るような普遍的な情報に置きかえて記していく。

 《例えばあなたが、明日にでもお金が必要になったとする。
 そこで、すぐにでもお金を入手する方法はないかと思案した結果、「短期労働」という考えを思いつく。
 そして、そこで「よし、これで間に合うぞ!」と胸を撫で下ろす。

――あなたが、もしこの流れを何の違和感もなく受け入れているとしたら、それはおそらくこれまで生きてきて「短期労働」を経験したことがない人であろう。なぜ、そんなことを言えるのか。その理由を知ることが、今後「短期労働」を始めていくにあたっては必要になってくる。

 「短期労働」を始めるには、まず所謂「人材派遣サービス企業」への登録を済まさなければならない。
 例えばあなたがインターネットを使って「仕事A」を発見したとき、それを募集しているのが「企業A」だったとする。ここであなたは「仕事A」に就きたいと思い、インターネット上に必要事項を書いて募集するわけだが、そこにはほぼ必ず「人材派遣サービス企業」(1)が仲介として入っている。

あなた(求職者⇨仕事に就きたい)⇒⇒⇒⇒人材派遣サービス企業⇐⇐⇐⇐派遣先企業(⇨仕事を頼みたい)

 よって「短期労働」に取り組みたいと思えば、まずは「人材派遣サービス企業」にコンタクトを取らなければならない。

 ここで、先程私が示した《 》の文章を思い出していただきたい。
 ある「短期労働」を済ましてお金を得たいと考えた時、私たちは「人材派遣サービス企業」への登録という作業を間に挟まなければならない。
 言い換えると、「短期労働」というのは、「今からすぐにでもできる」ものではないということである。
 例えば私がインターネット上で発見した「ある仕事」に就きたいと考えたとき、その仕事の作業地は「京都」であったが、登録しに出向かなければならない「人材派遣サービス企業」は「大阪」に位置していた――こんなことは何度もあった。
 よって、「短期労働」というのは、「明日までにお金が必要」や「明日まで生きられるか分からない」のような絶体絶命の状態になってからでは、うまく機能しないものであるということができる。勿論、例外的に「登録なし⇒現地集合⇒日払い」という「短期労働」は稀にあるが、ほとんどの場合は、数日間のスパンで「登録⇒短期労働」という流れが必要になってくる。

 私は「大学院進学のための費用」を稼ぐために、「短期労働」に取り組むことを決意したため、そこまで「絶体絶命」の状況には無かった。そのため、たとえ登録先が大阪の企業であろうと、落ち着いて行動にうつることができた。

 ここまでの話を纏めると、以下のように総括することができる。

「短期労働」をするには、(ほとんどの場合)「人材派遣サービス企業」への登録が必要。そのため、時間的に余裕を持って行動することが大切である。

 以上で、「在野研究一歩前(6)はじめての短期労働(登録編)」を終ります。ご覧いただきありがとうございました。
 次回は、実際に私が初めて「短期労働」に臨んだ際の、感想や考えを述べていければなと思っています。

(註)
(1)「短期労働」に従事するにあたっては、「人材派遣業界」が抱える問題点についても、ある程度は認識しておく必要がある。「認識」の助けとなる書籍としては、中沢彰吾『中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇』(講談社現代新書、2015)がある(以下に「内容紹介」を引用)。
◆人材派遣が生んだ奴隷労働の実態を伝える衝撃ルポ◆
年収3000万円を豪語する人材派遣会社の20代社員が、自分の親世代の中高年を時給数百円の日雇い派遣で酷使。
「ほんとにおまえは馬鹿だな」
「中高年は汚いからダメ」
「てめえみてえなじじい、いらねえから」
塩素ガスがたちこめる密室で6時間にわたって「イチゴのへた取り」、
倉庫内で1日中カッターナイフをふるう「ダンボール箱の解体」……。
いったい、これのどこが「労働者にとって有益な雇用形態」
「特別なスキルを活かした熟練労働」なのか?
労働者をモノ扱いする政府・厚労省の欺瞞を暴く!

 

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