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昔話 - NVIDIAの話

ほとんど独り言のような話だけど、友人に聞かれて少し話したことを書いてみたくなりました。誰も読まないかも知れないし、こんな話はありふれているだろうけど、中には興味深く思ってくれる人もいるかも知れません。

2017年くらいのことだったと思いますが、サンノゼの空港でNVIDIAの広告がありAIがどうのこうの書いてありました。私は多少はITのことがわかるので、NVIDIAには将来性がありそうだと思っていて、ちょうど広告でそれを思い出したわけです。

NVIDIAはいつの頃かCUDAというGPUで計算するフレームワークを出していました。私はそのことを興味深く思っていたけど別に数値計算をやっているわけでもないので数あるニュースの1つくらいに考えていました。他にもOpenCLとか似たようなフレームワークはありました。

ところがディープラーニングが流行ってくるとCUDAの性能はディープラーニングに活用されるようになりました。AMDのGPUでもできないことはないらしい(MacはどういうわけかAMDのGPUを使うことが多かった)けど、たださえセットアップが面倒なTensorflowをAMDでやるのは面倒だし、ディープラーニングをやるならNVIDIAという雰囲気であったことも知っていました。

そういうわけで2017年のいつ頃だったか忘れたけどNVIDIAの株を買いました。株はそのまま順調に値上がりしましたが、確か2018年の後半にNVIDIAの株価が崩れました。

記憶だけで書いているので事実誤認があるかも知れませんが、NVIDIA株が高値にあるときにNVIDIAは悪い決算を出しました。でも株価はそれほど落ちませんでした。次の決算でもNVIDIAは悪い決算を出し、その頃はビットコインに関してもよくないニュースがありました。

2018年全体を通じて、ビットコインはその価値を大幅に失いました。2017年末には一時的に近く20,000ドルまで上昇したビットコインの価格は、2018年末には約3,000ドルほどまで下落しました。これは、投資家達が一斉にビットコインを売却し始めた結果でした。

2018年には、世界各地でビットコインやその他の暗号通貨に対する規制が厳格化されました。特にアジアのマーケットで重要な役割を果たした韓国と中国は、ICO(初期コインオファリング)を全面禁止しました。これらの決定は、ビットコインを含む暗号通貨の価格に大きな影響を与えました。

NVIDIAのGPUはビットコインのマイニングにも多く使われていたため、この影響を受けたという話もあります。2018年Q4に、NVIDIAは次の四半期の業績予想を大幅に下方修正しました。これは主に暗号通貨の価格下落により、マイニングに用いられるGPUの需要が減少したためです。これにより株価は大きく下落しました。

そんな背景もあってNVIDIA株はどんどん値下がりし、高値の半値くらいに下がって、恐怖に負けて売ってしまったわけです。損はしなかったけど、含み益はほとんど吹き飛びました。それからNVIDIA株は持っていませんが、今になってみると当時の株価の値動きはほんの小さな波にすぎなかったので、判断ミスだったと言えます。

株は美人投票と言われます。自分がいいと思う会社の株ではなく、多くの人がいいと思う会社の株を買うのが正しいという話です。優れた会社の株が全然上がらないこともあれば、よくない会社の株がバブル的に買われることもあります。NVIDIAがいかにいい会社であったとしても、大勢の人が売りだと思えば売り潰されるわけです。津波に一人で立ち向かっても勝ち目はありません。当時のアナリストはGPUの在庫がだぶついていることやビットコインのニュースなどでNVIDIAを散々悪く論評していました。

株はストーリーで買ってはいけないとも言われます。どの会社も自分のビジネスには洋々とした未来があると言います。私がNVIDIA株を持っていたのはAI時代にはNVIDIAが主役だというストーリーでしたから、それも売りの判断になりました。

結局、私のNVIDIA株への握力が弱く途中で手放してしまうわけですが、それでもAI時代がこれから来て、そのときはNVIDIAのGPUが主役になるというストーリーは今のところ正しかったと言えます。

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