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『桐島、部活やめるってよ』TRPG その5(特殊な判定、補足ルール編)

9 特殊な判定

【友人作成判定】
 
ロール中、【友人関係】を結ぶ事が出来る。ただし、このゲームにおける【友人】は、「相手と秘密を共有できる」くらい、深いものである。
 そのため、容易には【友人関係】は結べないと考えてよい。それでも、話の流れ上、友情関係が結べそうだと思ったら、【友人作成判定】を試みる事が出来る。

 プレイヤーは【友人作成判定】を宣言し、どのようなきっかけで友人となるかの説明をする。GMはプレイヤーの説明を聞き、それに適した能力を指定し判定を行う。この時の難易度は、基本的に高め(15程度)にし、さらにその相手とのスクールカーストの差が1つ離れるごとに、3の難易度を加算する。

 例えば、スクールカーストが「1」のキャラが「5」のキャラに友人作成判定をする場合は、4×3で12の難易度を、元々の目標値に加算する。

(仮に15ならば、12+15で27の目標値になる。特徴要素をかなり費やしても、なかなか成功は難しい……)

 もし、判定に成功すれば、自分のスクールカーストが相手より低かった場合、スクールカーストを1つ上昇させる事が出来る。

 この判定は1日一度しか行う事が出来ない。
 また、一度判定を試みた相手には2度行う事は出来ない。

【恋人作成判定】

 【恋人作成判定】、つまり告白だが、これも上と同じような段取りとなる。
 ただし難易度はさらに高く(20程度)、スクールカーストの差が一つ離れるごとに5の難易度を加算する。ただし、【外見】の能力値が相手を上回っている場合、上回っている点差×3のマイナス修正を加える事が出来る。

例 【外見】4、【スクールカースト】4の男が、【外見】2、【スクールカースト】3の女に【恋人作成判定】を試みる場合。

 スクールカーストが1離れているので1×5で+5、外見が2勝っているので2×3でナイナス6。GMからの難易度は20、使用基礎能力は【社交】と提示された。

従って、20+5-6で19の目標値となる。

 男は特徴要素【5】と【3】の特徴要素を使用し、8のボーナスを得、さらに【社交】の能力が4のため、8+4で出目に12を加算できる。

 2つのサイコロを振り、7以上を出せば、告白に成功し、彼女とする事が出来るだろう。

もし自分のスクールカーストが相手より低かった場合、相手と同じスクールカーストの値に上昇できる。

 この判定は、一回のゲームセッションで一回限り挑戦できる。

 もし失敗した場合、「私」を2点失う。さらに、告白した相手よりスクールカーストが高かった場合、スクールカーストは1減り、低かった場合は「私」をさらに1つ失う。

【判定に「私」を消費する】

 最終手段として、「私」を消費して判定のボーナスとしてよい。1消費するたびに1点、サイコロの目に増減出来る。
 そもそもが「私」を減らさないように判定をしているのだから、この判断はナンセンスに見えるかもしれないが、大量に日常点が取得できる場合や、物語進行上、逃したくない判定に利用するといいだろう。一度に何個でも「私」を消費できるが、この消費によって「私」を1以下にする事は出来ない。

10-1 難易度の算出の目安

 このゲームはGMの裁量に多くの権限が任されている。もっとも悩ましいのは、各種判定の難易度だろう。
 簡単にできる判定は「5」、確率が半々なものは「10」、難しいものは「15」、普通では到底クリアできないものは「20」としている。

例えば【運動判定】なら、

体育のサッカーをこなす「5」
体育のサッカーで点を取る「10」
体育のサッカーでハットトリックを決める「15」
信じられないプレー(オーバーヘッドを華麗に決める)で全員の注目を集める「20」

と言う様な感じになる。

 あらゆる判定で、「こなす」が「5」と考えれば、難易度を決めやすいかもしれない。
 基礎能力値が低い人間は、「こなす」ことすらひやひやさせられながら日常を過ごしているのだ。 

10-2 プレイヤーの難易度交渉

 難易度として提示された目標値は、プレイヤーの行動や提案、納得できる説明などによって増減が出来る。
 GMはプレイヤーの提案をおもしろく、納得出来るものだと感じたら、だいたい1~3の間で難易度の点を低くしてもよい。

・  誰かと関わる時の難易度修正
 キャラクターは、何者かと関わることで判定をする事が多くなるだろう。
 その時の難易度を、キャラクターのスクールカーストの差によって決めるとよい。
 スクールカーストが1違うごとに、目標値は1加算される。さらに、それが異性の場合だったら、目標値はさらに1が加算される、としてもよい。

 例えば、スクールカースト「1」の男が、スクールカースト「4」の女子に挨拶をかわす場合、3の差により3点が目標値に加算され、さらに異性のため1も足される。
 GMからの難易度が「5」で、使用能力が【社交】と指示されたとすると、5+3+1で8が目標値。男の【社交】の数値が「2」の場合、2つのサイコロの合計値が6以上の目を出さないと、自然な挨拶すらかわせない、という事になる。

 もっとも、これらはプレイヤーが難易度増減提案するための目安であり、必ずいつもこうするべきだ、というものではない。

11 能力の上昇 キャラの成長など 

 このゲームには、一般のTRPGにあるようなキャラクターの成長要素と言うものはない。ゲームが終了したら、基本的にそのキャラはNPCにし、次にゲームをするときは新たなキャラを作る事を推奨する。
 たった3日間程度で人は成長はしないだろうという判断だ。したがって、一度設定した能力は、ファンブルの「怪我」等で【運動】の値が減少する以外は、変更はされない。
 ただ、どうしてもキャラに愛着が沸いたというのなら、基礎能力値のどれかを上昇させるか、「1」の【特徴要素】をもう一つ別に所持できる、と言う事で、成長としてよい。

12 映画版レギュレーションを採用しない場合

 映画版のレギュレーションを採用しない場合は、ストーリー展開や原作NPCの行動に制限はなくなる。
 GMが学園ドラマ的なシナリオを持ちこみ、キャラクターの目的等を明確にするのもよい。その方がおそらくゲームとしては進めやすいだろう。

 お勧めの展開としては、

 1日目・キャラクター紹介も兼ねた日常ロール。時制は2箇所程度。目標日常点は低め。

 2日目・早朝などに事件を起こす。1日目と違う日常を取らねばいけなくなるシチュエーション(非日常)に。目標日常点を高くする。時制は3箇所程度。

 3日目・事件の解決されるパート。あるいはキャラクター以外の誰かに解決させてもよい。その事件の収束を受けて、元の日常に戻ろうとするシチュエーションに。目標日常点高め。時制は2か所から3箇所。

 ただ、せっかくの「桐島」TRPGなので、桐島の不在という設定は、どこかで生かすと良いのではないだろうか。

13 ランダム事件表

「どうしても話が思い付かない」「キャラを動かす時のイメージが沸かない」と言う時は、下記のランダム表を使って事件を起こしてもよい。
 サイコロを2回振り、最初の一つを10の位、もう一つを1の位とする。
 ソロプレイ等では、積極的にこの事件表を使うとよい。

 テストリプレイへ続く→

(写真:ニシデアンナ

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