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「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」原野守弘著

とある方が、絶賛されていたので、すぐオンライン注文したが、なかなか届かなかった。やっと届いた本は2月1日初版で、2月28日に3版になっていた。

「人間を突き動かすもの」を考えた著者はカンヌでみた広告に出会い「これだ」と腑に落ちる。そして、その原理を考える。言語を司る大脳新皮質ではなく、感情を司る大脳辺縁系がそれを判断しているからであり、であるから、人間を突き動かしているものは、理論ではなく感情だと結論づける。そして、好きという感情が市場を作る。「個人的な好き」がなければ、感情に訴えられず「個人的な好き」は、名作を見ることで磨くことができる。
あらゆるアートはファンアートであり「個人的な好き」からはじまる。

なるほど。

ニュートンが知人の手紙に引用したという

私がかなたを見渡せたのだとしたら、巨人の肩の上に乗っていたからです。

これがGoogleのアイコンの元ネタ、そしてこの元ネタはフランスの哲学者の書籍で引用されていて、その元ネタは・・・。巨人の肩のおかげ。クリエーターは巨人の肩の上に乗ることが大事。

なるほど。

そんな著者もいろんな巨人の肩の上に乗ったことを紹介している。そして出来上がった作品を交えてクリエイティブ思考のお話をする。著者の紹介する作品を好きになった。
こちらに本の紹介を兼ねて、まとまっていました。
 https://introtocreativity.com/

「森の木琴」なんて、作品もいいし、エピソードも面白くて、超いいね。そして、特に、リカちゃん40周年記念広告のお話で、昭和の女性像から現代の女性像に解放しようというお話には、なんだか感動しちゃいました。 
最後の付録「ものづくりを成功に導く7つの原理」にこうありました。

何かをつくろうとするときにまずするべきことは、どうやってつくろうかと考える前に、「あなたが一緒に作りたい人を探すこと」から始めるとよい。

おや?私の勤める会社の企業理念は「交流と創造」だよ。それはさておき、自分一人で作る作品であっても、どうせ作るなら、満足したいんだから、どの巨人さんと一緒に作りはじめたいかを探すのがよいのだろうか。作りはじめる前にママさんに話してから作りはじめるのがよいのだろうか。

話題になっていたから読んだ「13歳からのアート思考」とはまた異なる視点でアートの大切さを説いてくれている。「ビジネスパーソンのための」とあり人材獲得の話にもつながっている本書は、職業ビジネスパーソンの私にぐさりときたのでした。

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