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本当にそう思っていたんだ

本のあとがきなんかによく載っている、こんなことば。

いつも私のことを気遣ってくれる妻。
きびしくも的確なアドバイスをくださった編集の〇〇さん。
そしてこの本を手に取ってくださったあなたに、心からの感謝を申し上げます。

大学生のときとかは、こういうことばを読んでも、なんか嘘っぽく感じていた。本をつくる上でのお決まりだから、半ば義務的に書いてるのかな、くらいの認識だった。


おととい、ある素晴らしい本を読み終えた。そしてそのあとがきには、例に漏れず上記のような感謝のことばが記されていたのだが、不思議なことに、少しも嘘っぽさを感じなかった。むしろ、美しいとさえ感じた。どうしてだろう。

その本の内容が素晴らしかったから、作者の方と、作者の方のつづることばを、無意識のうちに前のめりに信頼していた、というのは一つの要因としてあげられるだろう。

けれど、それ以上に大きい要因として、僕自身の在り方がここ数年で変わった、ということがあると思う。人のことばを素直に信頼しようとする姿勢を、地道に育んできた賜物として、僕は上記した感情を得ることができたのではないか、と、なんとなくそう思う。

自分に関わってくれた全本位の人たちに感謝をして、その本を締める、というのは、とても美しい構成なんだな。そう感じている。そう感じられていることに、自分の成長を感じずにはいられない。

これまでよく生きようとしてきた自分と、僕によくしてくれた人たちに、小さく感謝したい気分。

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