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観世音菩薩普門品第二十五⑧【はじめての法華経】vol.16

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。(マガジンはこちら) 現在、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」を少しずつ読み進めており、約4割というところまできました。ちょうど、無尽意菩薩の1回目の質問と、それに対するお釈迦さまの返答が終わったところです。 これまで読んだ部分(①~⑦)の原文+書き下し文+現代語訳は下記の記事にまとめてあります。 さて、今日から読む部分は、無尽意菩薩の2回目の質問と、それに対するお釈迦さまの返答に

祇園精舎【仏教用語解説】vol.33

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第33回は「祇園精舎」です。 ◇◇◇ 前回、「精舎」について解説しました。簡単に言いますと、僧侶が仏道修行しながら居住する建物のことです。 「祇園精舎」は、古代インドのコーサラ国の都・「舎衛城」にあった精舎です。お釈迦さまはここで多くの説法をされたそうです。 『平家物語』の冒頭「祇園精舎の鐘の声…」で有名ですね。 名前の由来 「祇園」という名前の由来については、次のように言われています。

はじめての法話研究会の感想

先日、「む、無理…」という記事を書きまして、しばらくnoteをお休みしておりました。 ゴールデンウイークに入り、だいぶ生活が落ち着いてきましたので、再開しようと思います。 今日は、4月23日に開催した「法話研究会」の感想を書きます。 ◇◇◇ 私は栃木県日蓮宗青年会(以下青年会)というものに所属しています。これは、栃木県に籍を置く日蓮宗僧侶のうち、40歳以下の人が入れる会です。会員同士集まって勉強会をしたり、イベントを企画したりします。 この青年会主催で、4月23日に

サイトマップはこちらです

noteを始めて4ヶ月が経ち、記事もマガジンもだいぶ増えてきたので、サイトマップを作りました。 サムネ画像は、初めて作ったAI生成イラストです。Copilotに「地図を眺めている猫のイラスト風画像を作ってください」とリクエストしました。かわいくて気に入っております。風力発電のプロペラが1個だけ宙に浮いていますが、これもご愛嬌ですね。 自己紹介自己紹介している記事は3つあります。 1つ目は初めて書いたnote記事で、とても短いです。 この投稿の2日後、もうちょっと詳しく、

む、無理…【ただの日記】

今週、予定がたくさん入っていて、それぞれ準備したり気を遣ったりするイベントばっかりなので、noteが全然書けません。 どうして、予定って、こう同じ週に重なったりするのでしょうか… 私は要領が非常に悪いので、イベントがひとつあるだけでも無駄に消耗してしまいます。それが短期間に複数重なると、もう日常生活がままならなくなってきて、崩壊です。お呼ばれするだけならまだ気楽ですが、今週の予定は全部自分のところのお寺でやることなので、余計だめです。 先日、栃木県日蓮宗青年会(40歳以

立正安国論⑨【お祖師さまのおしえ】vol.18

【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は「立正安国論⑨」です。(①~⑧はこちら) 参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。 さて、前回は、人民は仏法を信奉し、為政者も悪政を行っているわけではないのに、災難ばかりが続くのは、一体どのような誤りによるのでしょうか、という質問が、旅客(旅人

観世音菩薩普門品第二十五①~⑦まとめ【はじめての法華経】vol.15

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 前回までで、『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」の約4割を読み終わりました。 ちょうど、無尽意菩薩の1回目の質問とそれに対するお釈迦さまの返答が終わったので、このあたりで一度、これまで読んだ部分をまとめようと思います。 現代語訳は、私が自分で書いたものですので、拙いですが、あたたかい目で見ていただければ幸いです。 ◇◇◇ 妙法蓮華経 観世音菩薩普門第二十五 爾時無尽意菩薩。即

精舎【仏教用語解説】vol.32

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第32回は「精舎」です。 ◇◇◇ 前回、古代インド・コーサラ国の都「舎衛城」について紹介しました。この舎衛城に、「祇園精舎」と呼ばれる、お釈迦さまが滞在するための建物があったと言われています。 今回はもともと「祇園精舎」の解説をする予定でしたが、記事を書き始めてから、いや、そもそも「精舎」の解説をしなきゃだめじゃないかと気づきまして、先に「精舎」の解説を書きたいと思います。 「精舎」という言葉の

立正安国論⑧【お祖師さまのおしえ】vol.17

【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は「立正安国論⑧」です。(①~⑦はこちら) 参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。 さて、前回は、人々が様々な宗教・宗派の儀式を行って祈りをささげ、為政者も心を砕いているのに、飢饉や疫病はいっこうになくならず、まさに死屍累々という状況であること

観世音菩薩普門品第二十五⑦【はじめての法華経】vol.14

【はじめての法華経】は、私が法華経を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は『妙法蓮華経』「観世音菩薩普門品第二十五」⑦です。(①~⑥はこちら) 前回読んだ部分では、子どもが欲しいと思っている女性が観世音菩薩を礼拝し供養するならば、男の子であれば人徳と智慧を兼ね備えた子に恵まれ、女の子であれば整った容姿を持ち、過去世の善行によって人々から愛され大切にされる子に恵まれるだろう、と説かれました。 今回読む部分では、どのようなことが説かれるのでしょうか。 それ

「自然選択」って何?【研究ノート】

先日、研究所の年度始めの会議があって、今年度の研究発表の日程が決まりました。日付は7月29日です。 研究発表に向けて、いま、こちらの本を読んでいます。 まだ最初の10ページくらいしか読めていませんが、さまざまな生物の生態が紹介されていて、それを読むだけでもとても面白いです。 葉っぱを巣のなかに運んできて、それを菌床にしてカビを栽培するハキリアリという蟻の話とか、砂漠のオアシス形成の要因になっている、砂の中の微生物の話とか… ただ、理論的な話になると、生態学とか進化学と

舎衛城【仏教用語解説】vol.31

【仏教用語解説】のコーナーでは、さまざまな仏教用語を解説していきます。 第31回は「舎衛城」です。 ◇◇◇ 前々回、古代インドの強国・マガダ国の都市「王舎城」について解説しました。今回の「舎衛城」は、コーサラ国の都の名前です。 サンスクリット語では「シュラーヴァスティー」と言います。昔、サヴァッタという名前の仙人が住んでいたことから、このように名付けられたと伝わっているそうです。 「舎衛城」の他に、「室羅伐悉底」という漢訳語もあります。こちらの方が、「シュラーヴァス

私の作品紹介

今日は、noteの企画に乗っかって、私の作品紹介をしてみようと思います。 「作品」と言っても、アート作品とかではなくて、論文とスライド資料です。 ◇◇◇ みなさん、「researchmap」(リサーチマップ)ってご存じですか? 日本全国の研究者の業績が登録されている、「データベース型研究者総覧」です。 大学の先生になると、事務の方で勝手に登録してくれたりするらしいのですが、条件に合えば自分で登録することもできます。 私は運よく、日蓮宗現代宗教研究所という研究所に所属

立正安国論⑦【お祖師さまのおしえ】vol.16

【お祖師さまのおしえ】は、私がお祖師さま(日蓮聖人)の御遺文を少しずつ読んでいく過程を報告するコーナーです。 今回は「立正安国論⑦」です。(①~⑥はこちら) 参照しているのは、『昭和底本 日蓮聖人遺文』(日蓮教学研究所、改訂増補第三刷、2000年)と、『日蓮聖人全集 第一巻 宗義1』(春秋社、1992年)です。 さて、前回は、陰陽道の儀式を行って疫病退散を願ったり、苦しんでいる人民のために国主や宰相がさまざまな救済措置をとっている、ということが語られました。 今回は、