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The Daps Tee Pt.2 制作工程

こんにちは。The Dapsのカズホです。
前回、The Daps Tee Pt.2と題して、TEEのデザイン背景について書かせて頂きましたが、今回はThe Daps Tee Pt.2がどのような過程を経て商品として出来上がって来るのかを、僕が実際にBum Studioさんにお邪魔させて頂き、取材してきた内容を書きたいと思います。
前回の記事をチェック出来ていない方は以下からどうぞ↓

それでは、早速いきたいと思います!
まずはThe Dapsがオープンして以来、アパレルのプリントをお願いしている Bum Studioさんの紹介から。

沼袋の Dopeなマンションの307号室。NYの公共施設を彷彿とさせるような鉄のグリーンのドアを開けると、オーナーのショウダイさんが構えるスクリーンプリントスタジオBum Studioがあります。

スタジオ内にはショウダイさんがコレクションしたグッズなどがセンス良く並べられていて、まさに男の秘密基地。自宅以外にこういうスタジオを持つのって憧れますよね。うらやましい....

見ての通り、ショウダイさんはHIPHOP好き、USカルチャー好きで、打ち合わせに行っても最初の小一時間はそのへんの話で盛り上がっちゃいます笑 そういうのが何かを生む時は一番大事だったりします笑
当初はどこか名の知れたプリント屋さんに頼めば良いと思っていたんですが、ショウダイさんと出会って、せっかくならこういう趣味の合う人とやりたい。きっとより良いモノが出来ると思ってお願いしました。異業種気の合う仲間をフックアップし合ってお互いに高みを目指す。"Each one teach one" じゃないけどこういうのってHIPHOPだよなと。実際、感覚が共有出来るのはかなりでかくて、今回のプリントで使用したネイビーのインクの色味なんですが、僕がイメージしていたネイビーを何も言わずにバッチリ表現してくれました。ネイビーって人それぞれイメージが違う際どい色ですよね。ショウダイさん曰くグレーを微妙に混ぜたりして作り出したそうです。感激。

それでは、The Daps Tee Pt.2が商品になるまでの過程を紹介していきます。

まずは僕がデザインしたイラストレーターのデータをショウダイさんが手直ししていきます。今回のデザインは一色刷りなので、難しく無いそうですが、多色プリントの場合はカラーによってデザインを分離してデータを作るため難しいそうです。

そのデータを特殊なフィルム(レントゲン写真で使われてるあのクリアファイルみたいなやつです)にプリントします。

平行して、アルミの枠(木枠よりも高価だが、湿度などによる変形が少ないためより精密なプリントが出来るそう)に張ったメッシュ(昔は本物のシルクだったそう)にこのグリーンの溶剤を塗っていきます。

溶剤を塗った版に先ほどデザインをプリントしたフィルムを貼り付けます。
そして押入れを改造して自作した露光室?(日サロと同じ原理) で版に数分間光を照射します。

光を照射した後はシャワーで溶剤を落としていきます。細かい部分はデザインが壊れないよう霧吹きを使って丁寧に落とします。
要するに、このグリーンの溶剤は光に当たると硬化する性質で、プリントしたデザインの部分は光を通さないので、溶剤は硬化せずに水で流れ落ちます。溶剤が硬化した部分はインクを通さず、溶剤が流れた部分はメッシュの穴からインクが落ち、プリントされるという原理です。

版が乾いたら、いよいよTシャツに刷っていきます。刷る際に使用するこの回転台はスペースの狭いNYでは主流らしく、一方土地の広い西海岸などではスペースを要する長台と呼ばれる機材を使って刷るのが主流だそうです。実際、NY留学時代にブルックリンにある有名シルクスクリーンプリントスタジオのLQQK Studioにお邪魔した事がありましたが、そこも回転台を使っていました。

ショウダイさんから手解きを受け、いざ自分でTシャツを刷ってみる事に。 Tシャツを台に固定し版を下ろします。インクをスキージーと言うヘラで上から下へと伸ばしていくのですが、45°の角度を保ちながら均一の力で引いていく作業は慣れない僕にとっては意外と難しく神経を使いました。何とか僕もきれいに刷る事が出来ましたが、ショウダイさんはこれを何度も繰り返す訳ですから、集中力と根気のいる作業だなと。


無事刷り終わった後は、165℃に熱したプレス機にかけて乾燥させます。

完成! 我ながらうまく刷れたかな?! 笑
どうでしたでしょうか? この現代においても意外とアナログ作業が多いのがスクリーンプリントだって事がわかりますよね? 僕も今回初めて一連の作業を見させて頂きましたが、この手作り感溢れる職人仕事。しっかり人の手を使って作られてきたものって味わいがあっていいなぁとしみじみ思いました。料理と同じ事だなと。
今回一連の作業を覗かせてもらった事は本当に貴重な体験で、今後アパレルに限らず自分が何かものをプロデュースする際は出来るだけ制作過程を自分の目で見て、知る事ができたらと思う良いきっかけになりました。それを知っているか知らないかじゃ大違いだと言う事に気づかされました。

そんな感じでBum Studioでショウダイさんとたわごとを交わしながら、好きな音楽を流しながら、ビールをちびちびやりながら今回のThe Daps Tee Pt.2が完成致しました!笑  コロナが再び猛威を振るっている最中ですが、1月30日(日)The Daps店頭にBum Studioを招いてThe Daps Tee Pt.2の販売、スクリーンプリントの実演を行いますので、遊びに来て下さい! 当日限定でデザインしたワンポイントの版をお客さんに選んで頂き、Tシャツのお好きな場所にご自身で刷って頂く体験コーナーもご用意致しますのでお楽しみに!こちらは1デザイン ¥1000となりますが、The Dapsでフードメニューご注文のお客様は¥500とさせて頂きます!


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