見出し画像

エジンバラからロンドンの旅(その4)〜長い長いパーティー・タイム

(承前)

いわゆる“結婚式“が終了し、レストラン内に入った新郎(スコットランド人)・新婦(私の次女)とゲストの皆さんは、シャンパン〜正確にはロアール地方のスパークリングを片手に歓談タイムです。これが多分14時半頃。既に1時間以上が経過しています。

しばらくの歓談の後、16時ごろに着席を促され、“Wedding Breakfast“の始まりです。かつては、新郎・新婦は朝の食事を摂らずに、つまり“fast“〜断食して、教会での結婚式を迎え、その後めでたく食事が取れたことから、“breakfast“と呼んだそうです。結婚式、参列者との食事、そして旅行というのが伝統でした。

我々も、朝食を食べてから随分長い時間が経過しているので、“breakーfast“のようなもの。私は知らなかったのですが、“wedding breakfast“は英和辞典の見出し語になっていて、“結婚披露宴“などと訳されています。

日本のホテルの宴会場のような円卓ではなく、この「TIMBERYARD」というレストランは、格式ばらない長方形のテーブル。私の右隣は新郎の父(アイルランド人)、左側は義妹・妻と並んでいます。なお、新郎の母は妻の前の席に座っています。新郎のご両親は離婚していますが、父親の再婚相手も同席、私の斜め前に座っていました。ちょっと不思議な感じではありますが、皆さん和やかにしています。

食事の前に、来賓のスピーチ。当初、トップバッターで話してくれと言われたのですが、それは避けてもらい、最初は長女が話しました。9歳になる年からイギリス・欧州生活なので、流石に堂にいったものです。続いて、新郎の兄のスピーチと乾杯の発声。

私の出番です。なお、日本で生まれ育ったのは、我々夫婦、義妹、妻の親友で次女の親友の母親でもあるN子さんの四名のみです。私は日本語の“縁“という言葉をゲストの皆様に紹介しました。新郎新婦がこの席にいられるのも、皆様始めとした方々とのご縁の賜物であること、良い縁を育むことによって人生は豊かになること、結婚した次女たちにはその中でも最も大切な夫婦の縁というものを大事にして欲しいことを話しました。

なお、スコットランドでは花婿の父は話すことは稀のようで、お父様は出番なし、新郎が感謝の意などを表してスピーチは終了、ようやく食事となりました。

スターターは、生牡蠣。スコットランド名物の一つです。続いて、鱒の燻製〜キュウリとホースラディッシュ添え(Smoked Trout, cucumber, horseradish)。スモークサーモンのような薄切りではなく、燻した切り身が出されます。これが絶妙の火入れで、ねっとり感も半端なく美味い。メインはシェトランド産の羊肉〜紫芋とニンニク添え(Shetland lamb, violet potato, wild garlic)。こちらも美しいピンク色にローストされ、上品な味わい。ポテトも旨い。

デザートは、メニューにSunflower seed, yeast&butterscotchと書かれていますが、和訳不能です。 カラメル味、柔らかい食感、美味しいデザートでした。

とは言え、食べるのに専念するわけにはいかず、隣に座る新郎の父、向かいに座るその友人ご夫婦らと会話しなければなりません。色々、気を使って質問を投げかけてくださっていたと思いますが、そこそこお酒も進んでおり、何を話したかあまり記憶にありません。。。。

無事食事も終了、時刻は18時20分ごろ。会場到着から5時間程度が経過しました。ここで、妻と私は宿泊していたホテルに一旦戻り、妻は黒留袖から洋服に着替え、リラックスモードに切り替えました。

19時前に会場に戻ると、ゲストは席を立ち、お酒を片手に回遊・歓談モードに入っており、二人組のミュージシャンも動員されていました。レストランのバー・カウンターでは、ワインのほかカクテルなども頼み放題。もちろん次女たちが払っているのでしょうが。

19時30分ごろ、ここでケーキカットです。ウェディング・ドレスのデザインをモチーフにしたケーキを注文しており(後で分かったのですが)、これに二人で入刀。ただし、日本のように「これから二人で行う最初の共同作業です。カメラをお持ちの方はどうぞ前に」といったアナウンスもなく、さっさと切ってしまいました。

そうして最後のイベントは“First Dance“、新郎新婦による最初のダンスです。これが終了すると、ゲストも含め、踊る人は踊る、飲む人は飲む、おしゃべりする人はおしゃべりする、これが延々と続きます。

基本ワインを飲んでいた私ですが、途中からはジンのソーダ割りに切り替え、水分補給(?)しながら、長丁場をこなしていきました。妻も義妹もよく飲む方ですが、義妹は途中からうちの孫娘二人を含む子供たちの世話に行動の中心を切り替えていました。

子供達を含め、徐々に帰る人もいましたが大半は居続け、我々が会場を後にしたのが22時半頃。10時間近く続いたイベントで、流石に疲れましたが、新郎新婦を含め、若者はさらに二次会へと移っていったそうです。

和やかに、そして大過なく進んだ結婚式・パーティー、親のひいき目ですが出席された方々も、それなりに楽しんでいただいたことかと思います。

それもこれも、新郎・新婦の企画、心配りの賜物でしょう。私も何度か結婚披露宴に出席してきましたが、この日ほど新婦が動き回り、進行の指示、ゲストに気配りしていたパーティーは経験したことがありません。あらためて、「お疲れさま」と言いたいと思います。

メインイベントは終了、エジンバラ・ロンドンと観光含め少しリラックスしたいと思います。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?