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旅の記憶23(その2)〜ロンドンのロシア大使館で

20年ほど前のロシア・サンクトペテルブルグの旅。初めてのロシア体験は旅行前から始まっていた。

ロシア渡航にはビザが必要、所要日数により手数料が決まっている。調べると、旅行エージェントに頼む方法もあり、こちらも所用日数に応じ手数料が違い、早くビザを取得するには大使館とエージェント双方に高い手数料が必要になる。我々の旅行までには時間があり、エージェントに手数料を払うより、ロシア大使館に直接取りに行こうと考え、ロンドンのロシア大使館を訪れた。ちなみに、プーチンが大統領になったのは2000年、私が訪れたのはプーチンのロシアである。

ロシア大使館に着くと、ものものしいゲートの前には長い行列。ビザの受付は午前中のみなので、早めに行ったのだが、かなりの数の人である。最後尾につき、待っているも、列はほとんど進まない。列は歩道に出来ており、大使館の敷地内に招き入れられる人がいるのかいないのか、よく分からないほどである。時間は進むが、列は進まない、もう無理だなと思った11時半ごろ、並んでいる人にビラを配る人が出現した。そこには、ビザ取得エージェントの連絡先が書かれていた。

あきらかに、エージェントと大使館がグルになり、実質的にはエージェント経由でしかビザが取得できない仕組みが作られている。エージェントに支払われる手数料の一部は、ロシア大使館または大使館職員に流れているのだろう。

私は諦めて、エージェントに頼むことにした。時間はある、出張の予定も特になかったので、一番安い2週間程度かかるサービスにし、エージェントにパスポートを預けた。

ところが、こういう時に限って急なディールが持ち上がり、日本に出張する必要が発生した。私は、エージェントに連絡し、預けているパスポートを一時的に戻してもらえるか尋ねた。答えは、「No Problem、オフィスに来てもらえれば返します」と。

私は、エージェントに渡したパスポートは、てっきり大使館に提出され処理が進んでいると思っていたが、どうやらエージェントの手元に残っているようだった。

所要日数に応じた手数料というのは、一体何なのだろう。無事、出張に行けたのは良かったが、エージェントと大使館の癒着疑惑について確信を高めたのだった。

ロシアはまだ遠い


*いくつかの国では、ロシアに抗議すべく、ロシア大使館が面する住所・通り名を変更する動きがある。リトアニアでは、“Heroes of Ukraine Street"に、ラトビアでは"Independent Ukraine Street"に。ロンドンでも、イギリスの自由民主党が“Zelensky Street"に変更せよとの主張を繰り広げているようだ

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