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異常な感覚を正常に戻さなければ〜名古屋のホテルの朝食

外出時、無意識にマスクをしている自分がいる。平日、私は朝6時10分ごろに家を出る。駅までの道では、犬の散歩の人に出会う程度である。それでもマスクをしている自分に気づき、一旦マスクを外し、駅に入るとマスクを付ける。

習慣というのは恐ろしいもので、外出時にマスクをするという異常が、普通の行動と勘違いしてしまっている。こうした状況に警鐘を鳴らし始めている人も増え、テレビや新聞でもその手のコメントを見聞きする。

名古屋出張でホテルに宿泊した。先月、大阪で宿泊したホテルの朝食は、和か洋を選び、セットされたものが運ばれる形式、ビュッフェではなかった。今回は、“朝食ビュッフェ再開しました”だったので、少し楽しみにして朝食会場に入った。

そこで驚かされたのは、ビュッフェで料理を取る際は、使い捨てのビニール手袋着用が要求されていたことである。そこまでする必要あるのか? 手の消毒で十分なのではないか?

それでも、私は文句も言わず大人の対応をした。料理を取り着席、毎回新しい手袋を取るのも無駄なので、外したビニール手袋をテーブル脇に置いた。手袋を眺めながら朝食を取るのは、これが最初で最後だろう(であって欲しい)。

それでもめげることなく、何度か料理を取りに行き、最後はコーヒーでしめた。

帰宅し、妻にその状況を報告すると、「私ならそんなところで食べない」と言っていた。仮に二人で泊まっていたら、妻は私に食べたいものを告げ、私がビニール袋を装着して取り揃えることになっただろう。その点では幸運だった。

さて、日本もようやく外国人観光客に門戸を開くようになったようで、それに向け、小規模の外国人ツアーを受け入れ実証実験を行なっている。土曜日の朝、NHKのニュースを見ていると、ハワイから来た観光客がインタビューを受けており、「日本の感染対策は厳しい」、その例として「朝食の時に手袋をはめた」と語っていた。

という事は、私の泊まった名古屋のホテルが特別だったのではなく、感染予防策として国ないし業界ですすめている方策の可能性がある。

やめましょうよ、異常だと思いませんか。手の消毒ですら効果が疑問視されている中、あれはやり過ぎですって。

なお、朝食のクオリティは悪くなかった。名古屋名物のきしめん、名古屋コーチン入りの朝カレーもあった。少しでも宿泊客を楽しませようとする気持ちは感じられた。その点では、日本人の正常なサービス心は健在である。

このホテル、場所が、昨日書いた「大甚本店」とおオフィスの双方に近いという点のみで選んだ。ということは、名古屋の中心地に立地する。

さてお値段は、一泊5,200円である。ロンドンやニューヨークのちょっとしたホテルであれば、朝食代だけでそれくらい取る。

確かに古く、お世辞にも良いホテルとは言えないが、一晩寝るだけなら十分である。この値段は“異常”なのではないか? それとも、“ニューノーマル”なのか?

異常な感覚を正常に戻さなければと思うが、何が”正常”なのだろう?



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