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旅の記憶32〜ニューヨークMSGのビリー・ジョエル

ビリー・ジョエルがアルバム「ストレンジャー」で、一気にスターになったのが1977年。私は高校1年生で、ヒットシングル“素顔のままで(Just the Way You Are)“など、都会的な音楽は、嫌いではなかったが高校生の日常とは遠く離れていた。

大学生になり初めて買った彼のレコードは、1981年のライブ・アルバム「ソングス・イン・ジ・アティック」だった。「ストレンジャー」以前の楽曲を収めたライブは、ビリー・ジョエルのロッカーとしての側面が感じられ、大好きな作品になった。

それでも、ライブを体験する縁がなく、月日は流れ、一度は観たいアーチストとして、私のリストの上位に位置していた。

ビリー・ジョエルは2014年1月から、マジソン・スクエア・ガーデン(以下、MSG)で毎月コンサートを開催していた。NBAのニックスや、アイスホッケーのアイランダーズのように、MSGをフランチャイズとしたのだ。彼は、ニューヨーク、ブロンクスの出身である。

2016年7月、この月例コンサートと出張のタイミングが合致したのだ。当時のNY出張は、大抵2泊だったので幸運な巡り合わせである。

チケットは転売サイトで入手。日本はチケットの転売が色々問題になっているが、海外ではこうしたサイトで多少割高でも入手できる。高ければ買わないだけなので、選択肢があるのは便利だと思うのだが。

MSGのステージに登場したビリー・ジョエルが始めたのは、上述の「ソングス〜」の第1曲“Miami 2017“。その後のラインアップを見ると、実に良い曲が多い。プレイリストを作り、コンサートの流れを追体験してみたが、魅力あふれるライブである。

5曲目は、ステージから「“Just the Way You Are“と“An Innocent Man“、どちらがいい?」と客席に尋ね、反応が大きかった前者を演奏した。

サプライズ・ゲストは、トニー・ベネット。誕生日ということでステージに上がり、“New York State of Mind“を共演した。

ニューヨークを舞台にした短編小説のような歌の数々に、観客が盛り上がらないわけがない。MSG全体が最高潮の盛り上がりに達する中、名曲と言うより名作と呼ぶべき“Scenes From an Italian Restaurant“。そして、“Piano Man“の大合唱。

アンコールは、これでもかの5曲が繰り広げられた。

なお来年2024年をもって、10年間続いたビリー・ジョエルのMSG月例コンサートを終了することがアナウンスされた。一方で、今年は元フリートウッド・マックのスティーヴィー・ニックスとのジョイント・ツアーを始めている。このユニットでの来日、切望するのだが


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