見出し画像

CV-22OSPREYと米軍<2>

皆さんお久しぶりです。アースケアのインターン生イスンヒョクです。
今日は前回に続いて米軍との話の第2話を始めようと思います。
前回をまだ読んでいない方はここリンク

数十機のOSPREYを迎える16戦闘飛行団運航室のメンバー、本格的残業ライフが始まるが…

Approaching southeast 15mile.

飛行計画を確認して実際の訓練までの期間はまるで決戦前夜の平和でした。天気もよく、業務も閑散期だったので本を読んだり、運動したりして約2週間を過ごしていました。まさに 天高く馬肥える秋でしたね。
肥えるのは馬じゃなくて自分だったけど…(笑)

この平和な日々を送っていたタワーに英語の通信がかかってきました。”This is 000(call sign) Approaching RKTY southeast  15mile"
予定時間より1時間ほど早く米軍から接近要請が届き、私は駐機の誘導をしに滑走路に出ました。
滑走路に上空に現れた機体はグーグルでみた、左右にプロペラが付いている巨大ヘリでした。他のヘリの倍ぐらいの大きさと着陸の騒音の中にいるとまるで私が映画のエージェントになった気分でした。

OSPREYから降りてきた人は映画のスクリーンを破って現実に出てきたような米軍の方でした。黒い肌にムキムキの右腕を覆っているタトゥー、顔の半分ぐらいを隠しているミラーサングラス。ほこりを切り裂いて現れた彼らは映画俳優のオーラを発していました。

What's up dude?

しかし、感嘆している場合ではありませんでした。前回の投稿に書いたように外国からの入港を経験した人がいなかったため、手続きが全くわからない状況でした。しかも相手はゴリゴリの米軍。
一旦部署の中で英語がまあまあ話せた私が対応することにしました。聞かなければならないリストを持って米軍に声をかけようとしたら、キャプテンアメリカが先に私に声をかけてきました。

”What's up dude~ It's pretty good day, ain't it?”
yeah…yes! welcome!…Ok these are the checklists you should read…
AH, Thnx I can handle it. Where's the captain's office? (笑)
と言って彼は堂々とオフィスに向かいました。彼はオフィスで隊長と書類をチェックして軽々と休憩室に入りました。後で隊長に聞いたら米軍の方は結構そういう書類作業に慣れていたようです。私はこの時に経験と自信の関係を実感しました。

経験の重要性


私は結構英語が得意です。英米圏への留学経験はないですが、TOEFLは100以上持っていたんですから。しかし、いざ自分の語学力を使う場面で自信も持たず慌ててしまいました。その反面、米軍の方は初めて来た基地で堂々と振る舞い、私が1週間も準備していたリストを20分で終わらせました。彼の何千時間の飛行経験が余裕と自身に置換されたのでしょう。しかし、一方では経験がないからと言って慌てる必要もないと思いました。慌てたところで何もうまくいかないです。「落ち着いて今までの経験を応用しながら着々と新しい経験を積んで行けばもっと自信が持てるはずだ」と考えました。次からはこの姿勢で仕事に取り組んでいこうと思った私ですが、この決心はあんまり続かなかったです。
なぜなら、それから2週間で経験しまくったからです。


ワークライフバランスの行方


慌てる暇などなかったです。一日5機ぐらいは来たのですから。同じ作業を何回も繰り返していたら5日ぐらいで大体できるようになっていました。
問題は訓練は夜にも続くということでした。私の基地は直接的に訓練をしたわけではなく、訓練支援だったため、他の部署はみんな夜間飛行がない限り定時に上がりました。しかし、米軍は夜の8時にも、10時にも、土日にも接近しました。担当部署の私は…😊まあお陰様で米軍のお兄さんたちとは仲良くなったんですけどね!

もうやめてくれ、私の私生活を戻してくれと思いましたが、彼らは次々と来て私の残業時間を増やしてくれました。もう一つの問題は、米軍は飛行計画だけ送って接近しないこともあれば、飛行計画から2時間ぐらいずれてくることも頻繁にありました。こうなると、韓国領空内の飛行計画の修正は私たちがしなければならないので、業務が面倒くさくなるんですね。退勤できないのは当たり前で。この特別残業を隊長にアピールしたら補償休暇をくれると言われましたが、正直なにもうれしくなかったです。

一度過ぎてしまった自分の時間は戻らないです。時間は金で買えない絶対的資源です。私の人生の価値において仕事が占める割合は3割ぐらいです。しかし残業が続いてその割合が3割を遥かに超えてしまうと、制限されてる時間に他の価値を充足させられなくなります。自分の人生において大事な価値を守っていくためにはワークライフバランスが十分条件なのです。
ワークライフバランスの大切さ、この時期からしみじみと感じました。自分は仕事が楽しくても自分の時間は必要だと、仕事のやる気を保つためには自分の生活も大事ということに気づきました。

Big Event 発生?!?!



この苦難の時間が1週間ぐらい続いた時にビックイベントが発生します。
木曜日の夜に任務が終わって日本に帰ろうとしたOSPREYが危機欠陥で帰れなくなったのです。
米軍は私の基地に泊まりたいと言ってきましてが、当時コロナで外部人の立ち入りを制限していたために許可が降りにくい状況でした。夜中に基地作戦課との仲介をしなければならない状況になったわけです。
さて、どうなったんでしょう。結論から言うと、米軍とめっちゃ仲良くなりました(笑)

次回は米軍と夜中の2時までイカゲームしたストーリー!と私が感じた人間の持っているツールとコミュニケーション能力の重要性について語ります。

To be continued…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?