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天体の品位についてまとめました。

天体の品位ってなに?

西洋占星術には「品位(ディグニティ)」という概念があります。
天体の滞在サインによってその天体の力が
発揮されやすかったり
力が弱まったりすることをいいます。

その天体の支配星座ならドミサイル(居所)
一番力を発揮されやすいのが
エグザルテーション(高揚)となります。

力を発揮しにくいデトリメント(障害)
フォール(下降)とは必ずオポジションの関係となっています。


金星の品位

ドミサイル     牡牛座、天秤座
エグザルテーション 魚座
デトリメント    牡羊座、蠍座
フォール      乙女座
________________________________________
金星の品位を見ていくと、
品位が良い星座は【牡牛座、天秤座、魚座】
これらはヨッドの関係性になります。
どうやら金星には150度のインコンジャクトが
関係していることが伺えます。

図はピンクなら品位が良い、
ネイビーは品位が悪い状態を表していて、
その星座の支配星も記載しています。

これを見ると金星は魚座がエグザルテーション
魚座の支配星は海王星なので、
金星は海王星と関係が深いことが伺えます。

それもそのはず、金星が個人の愛情なら
海王星は個人を超越した愛情だからです。

海王星は金星の1段階上の天体というイメージ。
だから、魚座が金星のエグザルテーションなんですね。

火星の品位

ドミサイル     牡羊座、蠍座
エグザルテーション 山羊座
デトリメント    牡牛座、天秤座
フォール      蟹座
_______________________________________
火星の品位は金星の逆かと思いきや
今度は山羊座がエグザルテーション。
どうやら活動宮が関係していそうですね。

火星の品位が良い星座は
【牡羊座、蠍座、山羊座】です。

火星と言えば”怒り”や”戦い”のエネルギーですが、
牡羊座だといわゆる瞬間湯沸かし器みたいに
カッとなる怒りや戦い。

しかし、蠍座になるとどうでしょう?
カッとなるというよりは、
「あいつは絶対に許さない。呪ってやる」
ってくらいこじらせた怒りって感じです。

牡羊座火星が外側に向かう炎なら、
蠍座火星は内側に灯る消えない炎ですね。

そしてエグザルテーションの山羊座の怒りは
かなり論理的で計画的な感じがします。

フォールの蟹座は「感情」を司る星座ですから
怒りの表現も感情的です。

つまり、
火星が表す”怒り”や”戦い”や”行動力”というのは、
感情にまかせて使うものではなく
冷静に論理的であることが良い
ということを示していると思います。

デトリメントの星座は、
のんびりまったりしたい牡牛座と
怒ることは美しくないと思ってる天秤座ですから
そもそも怒りを表現したりするのが苦手です。

私は天秤座火星なので、
少し天秤座火星の話をすると、
天秤座火星って調和を取りたいという熱が強い。

相手の言い分も聞いて、
お互いの良い落としどころを見つける

っていうことは上手だと思います。
だけど、それは相手が素直に要求を言っている時のみです。

保険の交渉とかでよく見るんですが、
ちょっと大げさに言っておいて実際よりも多くもらうって結構ありますよね。
ああいう人に当たると実は天秤座火星ってめっちゃ不利なんです。
相手の言い分を聞いてあげちゃうから、
どんどん相手がつけ上げるんですね。

だからこういう火星をもっている人は、
頭脳戦でガツガツ勝ち取ってくるっていうよりも
職場の内部を整えるとかに向いている気がします
あとはやっぱりB to BよりもB to Cの方が
天秤座火星には合っているように思います。
接客業をされてる方もすごく多いです。

太陽の品位

ドミサイル     獅子座
エグザルテーション 牡羊座
デトリメント    水瓶座
フォール      天秤座
_______________________________________
太陽の品位は、
活動宮と不動宮の男性星座が関係しています。

火のエレメントが品位が良く、
風のエレメントが品位が悪くなっています。

やっぱり太陽ってずーっとそこにあるもの
っていうイメージなので「変わらない自己像」
ということが大切なんでしょうか。

牡羊座は「I am」「私は」
獅子座は「I will」「私の意志」

ですから、
まさに自分はこの世界に何をしにきたのか
ということがストレートに表現されている感じがします。

獅子座ってプライドが高くて
自分が1番っていうところがあるんですが、
太陽活動って本当はそういうものなんですよね。
誰かのために生きてるわけじゃなくて、
「自分の目的のために生きること」が
太陽の本来の姿なんだと思います。

逆に水瓶座っていうのは、結構クールです。
自分の使命に熱くなって燃える獅子座に対して
水瓶座はめちゃくちゃ冷静で俯瞰的。
自分の「好き」をストレートに表現する獅子座が
うっとうしくもあり、ちょっと羨ましいと思うことも。

フォールの天秤座は
「対人関係」を表す星座ですから、
自分のことよりも相手のことになりやすいです。

月の品位

ドミサイル     蟹座
エグザルテーション 牡牛座
デトリメント    山羊座
フォール      蠍座
_______________________________________
月の品位は太陽と似ています。
太陽は「活動宮と不動宮の男性星座」だったのに対して
月は「活動宮と不動宮の女性星座」となります。

月は蟹座の支配星ですが、
月蟹座さんってすごく共感能力に長けてます。
あと、リラックス上手。
これは牡牛座にも同じことが言えます。

それに対して、
山羊座と蠍座はリラックス下手です。

働いていたいし結果を出したい山羊座にとって
休みって怖いことだったりしますし、
蠍座は警戒心が強いので本心をさらけ出すのが苦手だったりします。

さて、ここまでの金星、火星、太陽、月の品位で
少し共通点が見えてきました。

実はこの中で仲間外れがひとつだけあります。
月、太陽、火星は「活動宮と不動宮の関係性」
金星は「ヨッドの関係性」なんです。

どうやら天体によって作用が異なっているようですね。

水星の品位

ドミサイル     乙女座、双子座
エグザルテーション 乙女座
デトリメント    魚座、射手座
フォール      魚座
_______________________________________
月、太陽、火星が「活動宮と不動宮の関係性」だったのに対して
水星は「柔軟宮の関係性」ですね。

水星の支配星座は双子座と乙女座ですが、
何が違うかというとやっぱり「深さ」です。

双子座はとライトでフットワークが軽いというのが特徴です。
情報をキャッチしてすぐトスする感じ。
その情報の内容とか質とかあまり関係なく、
ただ聞いた情報をすぐ話すようなイメージ。

それに対して乙女座は
キャッチした情報を分析して仕分けする感じ。
きっちり細かく正確に情報を整理していきます。

双子座も乙女座もどちらも頭の回転が早いから
仕事も早いですし、行動も早いです。
問題があるとすぐに解決策を見つけ出します。

しかし、双子座とオポジションである射手座は
木星が支配星ですから、雑です(笑)
ざっくりどんぶり勘定でテキトーなんです。
楽観的なので、まぁなんとかなるでしょって思っていますね(笑)
あとは、すぐ哲学的なことを考えたりします。
「どうして宇宙が存在するのだろう」とか
「人間の生きる意味はなんだろう」とか
そういう明確な答えがないことに興味がありますから、スピード感のある水星ではデトリメントになるんですね。

しかし、水星射手座さんはそういった哲学的なことを自分なりに咀嚼し、多くの人に想いを伝えるということに長けていて、例えば、ミュージシャンや詩人、作家などに向いています。
正確な情報処理やスピード感はないものの、
スケールの大きなことを取り組めるでしょう。

魚座に関しては支配星が海王星ですからね。
細かいことを把握することが苦手です。
なんとなく、とかイメージとか雰囲気とかで
判断するので芸術的なことに向いています。

木星の品位

ドミサイル     射手座、魚座
エグザルテーション 蟹座
デトリメント    双子座、乙女座
フォール      山羊座
_______________________________________
木星の品位は
水星と同じように柔軟宮が関係しています。
さらに木星は活動宮の女性星座が加わります。

柔軟宮に関しては、さっきの水星と逆で
細かいことを考えるのが得意か
おおらかにざっくり捉えるのが得意か
という話になります。

木星っていうのは細かいことは気にしません。
満ち足りててどんなに分け与えても気にならないくらい豊かな状態。
それが木星です。

それに対して土星は制限するという星です。
なので土星の支配星座である山羊座は木星のフォールとなります。
そして山羊座のオポジションである蟹座が木星のエグザルテーションとなります。
蟹座は感情を司りますから、感情が豊かであることが幸福の象徴であると言えるでしょう。

土星の品位

ドミサイル     山羊座、水瓶座
エグザルテーション 天秤座
デトリメント    蟹座、獅子座
フォール      牡羊座
_______________________________________
土星の品位は
活動宮すべてと不動宮の男性星座
となります。
これって火星の品位と似ていますよね
火星の品位は
活動宮すべてと不動宮の女性星座
でした。

しかし、火星でデトリメントだった天秤座が
土星ではエグザルテーションとなっていますね。

これってなぜかっていうと
土星っていうのは自分勝手ではいけないんです。

太陽の品位では、
本来、太陽活動っていうのは
自分の目的のために生きること
って書きましたが、土星ではそうじゃない。

土星は「世のため人のために」使うもの
だから天秤座がエグザルテーションなんですね。
水瓶座も自分の「好き」だけを特別扱いせずに
すべて平等で対等に扱います。

太陽の品位と違い、
火のエレメントが品位が悪く、
風のエレメントが品位が良いのは
社会的な惑星である土星は客観性が必要だから。

楽しいだけじゃない、好きだけじゃない、
そんな厳しさや試練を与えてくるのが土星です。

天王星の品位

ドミサイル     水瓶座
エグザルテーション 蠍座
デトリメント    獅子座
フォール      牡牛座
_______________________________________
天王星の品位は、不動宮が関係しています。
品位の良いのはスクエアの関係ですね。

水瓶座と蠍座が品位が良いとなっていますが、
どちらも「変化・変容」を促す星座です。

水瓶座は現状を壊して新しい常識を生み出す力、
蠍座には本質を見極めて根本的に変えるという力がありますから、
どちらも天王星が上手く使えます。

個人的には蠍座天王星世代の人で
個人天体が天王星と絡んでる人は
素晴らしいカウンセラーの方が多いなーっていう印象があります。

逆にフォールである牡牛座は、
本来なら変化するのが嫌いな星座です。
変わってしまうのが怖いんです。

天王星が牡牛座に入ってる現在、
変わるのが怖い、でも変わらなきゃって
感じてる人も多いと思います。
それがまさに牡牛座天王星だと思います。
だからこそ、普段変えられなかったことを
変えるチャンスなのかもしれません。

海王星の品位

ドミサイル     魚座
エグザルテーション 蟹座
デトリメント    乙女座
フォール      山羊座
_______________________________________
海王星の品位は
活動宮の女性星座と柔軟宮の女性星座です。

水のエレメントは品位が良く
土のエレメントは品位が悪くなっています。
これはトラインの関係ですね。

海王星はイマジネーションの世界なので
土のエレメントだと現実的すぎるんですね。

私の子供は、魚座海王星世代で
しかも10ハウスに海王星があるもんだから、
めちゃくちゃ想像力豊かです。
見てて面白いなーって思います。
あと、周りのお友達とかを見てても、優しい子が多いなーっていう印象です。

魚座海王星世代の子たちって
魂レベルではすごく大人びていて
私なんかよりもずっと多くのことを
知っているんだなって思うことがあります。

やっぱり海王星は
個人を超越した愛情ですからね。
魚座海王星って愛情深いんです。
蟹座海王星もきっとそうでしょうね。

魚座はすべてを愛して包み込みますが、
蟹座は特定の人を愛する力。
蟹座はタロットカードでは「戦車」ですから、
誰かを愛することで生まれる強さが海王星をより良い方向に活かすのでしょう。

あと蟹座は空想の世界に入り込むのが上手ですから、蟹座がエグザルテーションなんでしょうね。

私は逆にフォールである山羊座海王星世代です。
現実的すぎて夢が見れないところもありますが、
夢を現実にする力というものもあります。
実はインターネットが普及しはじめたのは
山羊座海王星時代です。

夢のようなことを現実に落とし込むというのは
山羊座海王星の力なのかもしれません。

特に1989年代は山羊座に海王星、天王星、土星がコンジャンクションしていました。
YouTuberのヒカキンさんもこの生まれです。
他にも俳優やスポーツ選手など
みんながあこがれる夢のような仕事で
成功されている方が多い印象です。

天体の品位って悪いからダメっていうわけではないんです。
使い方に工夫がいるっていうことなんですね。

冥王星の品位

ドミサイル     蠍座
エグザルテーション 水瓶座
デトリメント    牡牛座
フォール      獅子座
_______________________________________
冥王星の品位は、不動宮の関係性ですね。
スクエアの関係で天王星とほぼ同じです。
今度は蠍座がドミサイルで、
水瓶座がエグザルテーションとなりました。

やはりどちらも「変化・変容」を促す星座ですから天王星・冥王星ともに品位が良い状態です。

水瓶座冥王星は、まさに「革命の時代」です。

過去の水瓶座冥王星時代を見ても、
フランス革命、アメリカ独立戦争、宗教革命など
根本から体制を覆す出来事が起きています。

腐敗した権力構造をぶち壊していくことで、
ギリギリのところで立て直すという役割が
水瓶座に冥王星はあるのだと思います。
だから水瓶座は長いものに巻かれないんですね。

逆にフォールである獅子座冥王星時代に
起きたことといえば、第二次世界大戦ですね。
破壊と再生の「破壊」だけが強調されてしまったような時代でした。

火星が個人の力なのに対して
冥王星は個人を超越した力を司ります。

個人をあらわす太陽の支配星である獅子座に
冥王星が入るというのは、
みんなのことを考えた未来ではなく
自分や自分の国のことだけを考えた結果の
力の暴走という感じがします。

冥王星という究極なパワーというのは、
水瓶座のように「みんなのために使う」
という理想が必要となるのでしょう。

まとめ

さて、ここまでの考察をまとめていきます。

天体の品位というカテゴリから
それぞれの天体を分類分けしていきましょう。

まず、太陽と月

関係しているのは、
活動宮と不動宮の男性星座と
活動宮と不動宮の女性星座です。

太陽と月というのは
自ら能動的に動く」という活動宮的要素
変わらずにそこにある」という不動宮的要素があることが分かります。

太陽は牡羊座と獅子座、
月は牡牛座と蟹座が品位が良いということは
どちらも天秤座よりも手前の星座ですよね。

つまり、太陽と月にとっては
「相手よりも自分がどう感じるのか」
ということが重要になるのでしょう。

ここに対して火星と土星を見ていきましょう。

関係する星座は
火星は、活動宮すべてと不動宮の女性星座
土星は、活動宮すべてと不動宮の男性星座

太陽は、活動宮と不動宮の男性星座
月は、活動宮と不動宮の女性星座でしたから
火星と土星は、太陽と月に対して働く天体と言えるでしょう。

火星の品位が良い星座は
牡羊座、蠍座、山羊座となるため、
太陽のエグザルテーションと
月のデトリメントとフォールですね。

ということは、
火星は太陽活動を加速させる天体であり、
月に対しては反発する天体である
と言えるでしょう。

月はプライベートや無意識、
リラックスした自分自身をあらわすので
火星はその反対で戦闘態勢になる天体です。
しかし、その戦略や行動力というものは太陽活動の後押しとなります。

では、土星はどうでしょう。

土星の品位のいい星座は
天秤座、山羊座、水瓶座となるため
これは太陽と月ともにデトリメントとフォールとなります。

ということは、土星は
太陽に対しても月に対しても反発する天体
と言えるでしょう。

土星は社会的な天体ですから、
自分がどう感じるかではなく、
相手や社会がどう感じるかが重要なんですね。

だから天秤座以降の星座が品位が良いとされています。

自分の欲求に対して試練を与えることによって
人生に深みを与えてくれるのが土星の役割です。

では、同じ社会的な天体である木星はどうでしょうか。
木星の品位のいい星座は
蟹座、射手座、魚座となり、
月のドミサイルと金星のエグザルテーション
水星のデトリメントです。

木星は月と金星という女性的な天体を
サポートしてくれるような働きがあります。
そして、細かく分析していく水星と違って
大きく包み込むように作用する天体といえます。

土星が厳しく太陽や月の欲求に試練を与えてくるのに対して
木星は感情豊かであることに受容的です。

木星のエグザルテーションは蟹座ですから
人に対しての善意の気持ちが木星です。

切り捨てたり、
分析して物事を細かくするのではなく
受け入れて、おおらかに物事を捉えるのが木星の社会的な役割となります。

トランスサタニアンでは
天王星と冥王星の品位が良い星座は
蠍座と水瓶座なのに対して
海王星は蟹座と魚座です。

天王星と冥王星はどちらも不動宮ですから
なかなか動かしにくいものを変えていくという
変化・変容の天体です。

それに対して海王星は
金星とエグザルテーションと
月のドミサイルが
品位の良い星座とされています。

これは木星とも似ていますね。

海王星は木星と同じように
受け入れる優しさがある天体です。

同じトランスサタニアンでも
変化・変容を促す天王星や冥王星とは
性質が全く異なっているんですね。

しかし、これも良い悪いではなく、
すべてはバランスです。
全てを許し愛するだけでは
"魂の成長"に繋がりません。

魂を磨き成長するためには
土星のような厳しさや
天王星や冥王星のように
変化・変容していくことも必要なんですね。

このように天体の品位を分析していくと、

月は「変えられない自分自身」
太陽、火星は「自分のために」
金星、木星、海王星は「自分を受容して愛する」
土星、天王星、冥王星は「自分を成長させる」
水星は「それらのバランスを取る」

というそれぞれの役割があることが分かります。

望月ことり
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