実際にしてみてわかった、副業をするべき理由とするべきでない理由

※この記事は有料記事です。途中から、購入した方以外は読めなくなっております。

はじめに

私が大学院を修了して働き始めたのは 2013 年のことでしたが、そのときに比べて最近では副業がよりポピュラーになってきたように思います。実際、私もさまざまな形態で副業を行ってきました。例えば複数社との正社員契約や、正社員+業務委託などです。それらを累計すると 3 年ほどは副業をしてきたように思います(現在はひとつの企業にコミットしていますが、並行して大学院に通っているためそれも一種の副業とカウントすると 4 年ほどになるかもしれません)。

この記事では、実際に私が副業をしてみて感じた、副業をするべき理由とするべきでない理由を書いていきます。個人的には、副業が活きる場面というのは比較的少なく、副業をするべきでない場面のほうが多いと思っています。副業について、ポジティブなこともネガティブなこともはっきり書きたいと思ったので、有料記事という形にさせていただきました。

また、この記事はあくまで私の経験上の話であることと、スタートアップやベンチャー(特に Tech 系と呼ばれる領域)での副業が前提となっていることにご注意いただければと思います。そのことを念頭においた上で、キャリアについて考えている方の参考になれば幸いです。また、私がどういう人間かは、過去の記事(*1)をご覧ください。

*1

この記事のメッセージ

まず、この記事のメッセージをまとめます。

副業をするべき理由:
・自身のスキルアップや視野の拡大に繋がる(ことがある)から

副業をするべきでない理由:
・リソースのロスが発生し成果が出しにくいから
・組織として副業人材のマネジメントがしにくい(ことがある)から

では、どういった場合に副業をしてもよく、どういった場合には副業をしないほうがいいのでしょうか。

副業をしてもよい場合:
・自身のスキルアップを図りたい + そのような形態で副業ができる場合

副業をしないほうがよい場合:
・単純に年収を増やしたい場合
・転職の際の保険にしたい場合
・所属している組織で重要なポジションにつきたい場合

以下では、それぞれの項目についてより詳しく書いていきます。

副業をするべき理由

自身のスキルアップや視野の拡大に繋がる(ことがある)から
これは私が特に副業をしてみてよかったと思う部分です。副業がうまくいくと、ひとつの組織では得られらない見識が得られ、それによって自分の総合的なスキルが向上します。具体的には、あるプロダクトを扱っている企業とそのプロダクト(やその類似)のユーザ企業双方に所属していたときなどは、プロダクトを作る側の視点と使う側の視点の両方に立つことができるようになり、より全体的な物の見方ができるようになったと思います。

また、片方の組織だけでは会えないようなメンバー、クライアントと会うことができるので、人から受ける影響もとても大きいです。「人脈」というと少しうさん臭いですが、情報のチャネルが多くあることによって視野が広がったり、伝えたいことが伝えたい人に伝わりやすくなったりすることがあります。あと、単純に楽しいです。

この効果は特に、ドメインが多少オーバーラップしているが切り口が異なるような組織で副業をすると高まるように思います。例えば、商品のリコメンドエンジンを開発する企業にもともと所属していた場合、リコメンドエンジンを使って EC サイトを運営している企業で副業することは(当然、守秘義務等は遵守することが大前提ですが)スキルアップにつなげやすいと思います。または、同様のドメインの組織に別ポジションで副業するというのもシナジーが生めるかと思います(例えば Web エンジニアにおけるフロントエンドとバックエンド、プログラマーとプロダクトマネージャーなど)。

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