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300円のカレーライスが産まれた理由 その⑧ 販売価格の変更

金融機関さまとこれからの話をしていました。
質問に対して等身大のまま誠実に話すよう心掛けて、本当に今必要なアドバイスや支援を頂きたいという姿勢で臨みました。

そして担当の方から

「経営者の方の資金面の心配を取り除いて経営に専念してもらうことが我々の役目です。お話を聞く限り可能性を感じます。きっと大丈夫だと思います。一緒に頑張って行きましょう」

と物心両面の後押しをして下さって、「若しかするとこの事業が私一人よがりの自己満足になっているのではないか?」という心配を吹き飛ばして下さりました。

期待や応援をして頂いている方々の期待に応え恩返し出来るよう、より一層全力を尽くして行きます。

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カレールゥは完成したものの、 200円のカレーライスにとって食材の原価は数円でも高くなるとお店の運営が大きく変わります。

カレールゥを作るために大事にしたのは、
【安くて不味くないものではなく、美味しくて少しでも安く作る】
ということでした。

そのためカレールゥの食材原価がそれまでよりも高くなってしまったのですが、実はそれ以外にもお取引業者様よりチェーン店から脱退した事で仕入価格の値上げの連絡がありました。

具体的にはお米と容器の両方で5円以上も上がってしまったのです。

その結果、値上げせざるを得ませんでした…。

分量を減らすか、価格を上げるか迷いに迷いました。

200円という価格をどうすれば維持し続けて行けるか考え続けた結果、一度目の値上げの時の事が頭をよぎりました。

「分量を減らして価格を据え置きにした時に、従業員の負担が大きいままか更に増えてしまう」ことになりかねませんでした。

多店舗展開を前提に考える必要があるため、従業員の負荷を下げるためには価格を上げるという決断をすることになりました。

会計時のお釣りの受け渡しは秒単位で速度を上げていたため、10円玉を毎回数えるのは現実的では無いことから250円か300円のどちらにしようか迷いました。

迷った結果、商品もお店のサービスもこのタイミングで大きくアップデートすることに決めてから価格を決めることにしました。

まず変更したのは福神漬けです。

それまで提供していた真っ赤な福神漬けを私自身は食べるのを避けていたためです。
何故なら原材料の中に「赤色〇号」といった着色料が使用されて鮮やかな赤色になっていたのです。

お客様に毎日食べに来て欲しいからこそ、より安心安全で体により良いものを提供したいと考えるならば、自分の息子にずっと食べさせたいものかどうかと考えたら答えは自ずと出ていました。

そして無着色の福神漬けに切り替えたのです。

無着色の福神漬けは今までの仕入れ価格の三倍以上もの金額でした。

次に、今まで浄水器のお水無料で提供しながら紙コップ代金として30円で販売していたのですが、その紙コップを無料で提供することにしました。
お冷の無料提供によって、今までに比べるとドリンクの売上が下がることは容易に想像出来ました。

また、開店当時からの課題であった駐車場を借りることにしました。月間のカレーライス提供個数から計算すると一杯あたりにつき10〜20円もの金額になります。

そんな中、今年の猛暑で厨房の冷蔵庫が故障しました。修理費は17万円程。買い換えると60万円位と見積もりが出てきました。通勤に使っているバイクの故障、設備トラブル等と続きました。
今まではギリギリ運営が出来ていると思っていましたが、当然ながら今後もこういう課題が次々と出てくる事を考えると今までの運営のままでは店を維持・発展していくのが難しいのだと痛感しました。

それら全てを考えた結果、カレーライスの価格を300円へと変更させて頂きました。

そして以前より沢山頂く余力分は、お客様へ還元したり、2号店・3号店への出店に使わせて頂くことにしました。

こうして300円のカレーライスが産まれたのです。

そしてリニューアルオープンして一ヶ月が経った頃、新たな問題が発生したのです。

このシリーズ最終回、次回に続きます。

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