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【読了】『リスキングは経営課題』

リスキングを理解するために

『リスキングは経営課題』小林祐児 著
光文社新書 (2023.03.30.)

はじめに

【リスキリング】
新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと

【スキルアップ】
仕事に対する能力を向上させる行動

【リカレント】
学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。

【生涯学習】
人が生涯にわたり学び・学習の活動を続けていくこと

まえがきより

【Re-Skilling】
業務上のスキルを新しく獲得すること
社会人の学び直し
学校を卒業した後にも学び続けること

第1章 リスキングの流行

DX デジタル•トランスフォーメーションの潮流
 トランスフォーメーション:変革•変化という意味
(2010年代の中盤から)
リスキング意識の高い「業種」
高い:情報通信 金融•保険 教育
低い:運輸 郵便 土木 建築

リスキング意識の高い「職種」
高い:企画 開発 マーケティング
低い:販売 接客 技術職

スキルの「専門性」「幅」「うまくやる力」
うまくやる力:情報調整力、問題解決力、コミュニケーション力、協調性、主体性など

スペシャリストに求めるスキル
スキルの専門性:狭く
スキルの幅:狭く
うまくやる力:低く
幹部候補に求めるスキル
スキルの専門性:低く
スキルの幅:広く
うまくやる力:年功
p.73 図12 育成タイプとスキルの関係

日本の雇用社会の特徴
幹部候補:正規雇用の総合職
ジョブ型雇用社会のリスキングは、非正規雇用者も対象になる。

pp.65〜78.「スキルの明確化と云う幻想」より

第2章 「学ばなさ」の根本を探る

日本人の特徴:学ぶ意欲があるのに何らかの障害がある訳ではなく「何となく」学んでいない。
p.85

「能動態」と「受動態」でもない「中動態」
「能動態」の対極に「中動態」がある。
自分が主(能動)ではないが、かと言って受身(受動)でもない。
p.101〜103.

今、企業が連呼する「主体的な学び」や「自律的なキャリア形成」は、従業員への過剰な期待。
p.118

第3章 「変わらなさ」の根本を探る

変化を抑制するメカニズム
pp.121〜153.

第4章 リスキングを支える「三つの学び」

① 捨てる学び:これまでの仕事に関わる知識やスキルを捨てて、新しいものに変えていくこと。
② 他者を巻き込みながら、共に学んでいくこと。
③ 学んだ事柄を仕事に結び付けていく。
p.157〜202.

第5章 「工場」から「創発」へ

副題:「学ばなさ」の背景にある「中動態」的なキャリアのあり方「スキルの発揮」を妨げるのは、なぜ!!
p.228
必要なのは、改革ではなく「予測」すること。
p.246
働く価値観と就業者の属性が多様化している今の時代においては、掛け声ではなく「仕掛け」や「仕組み」づくりが大切になってくる。
pp.254〜255.

第6章 「学びの共同体」の仕組み

「学びのコミュニティー」
コーポレート•ユニバーシティ(企業内大学)

【動機づけ】
炭火型の動機づけ
p.278

第7章 「学ぶ意思の発芽」の仕組み

自立性や主体性、学びやキャリアへの意思は、組織が待っていれば現れるものではなく、人が持っているものでもありません。
「掘り起こし」と「発芽」が必要になります。受け皿だけ作ってもダメです。
p.280
これからの人材マネジメントに必要なのは、従業員との対話をベースにした「マッチング•システム」の仕組みづくりが重要になります。
p.284

適材適所とは】
適材
その仕事内容にふさわしい能力をもつ人適所
その人にふさわしい地位や役割
重要:キャリアについての対話
キャリア形成への過剰な期待をしない
pp.284〜306.

終章 これからの企業における「学び」の方向性

① 「かわらない」と云う意識を防ぐ
②「学びのコミュニティー化」
③「変化適応力」を蓄積する
pp.308〜317.
社会関係資本
ベース「善意(Good Will)」
社外と繋がる
pp.315〜325.

あとがき

「リスキング」と云うブームの波だけが高くなっている状態。
p.330

2023.03.30.