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『文章は「形」から読む』


『文章は「形」から読む』
阿部公彦 著
集英社新書 (2024.03.20.)

【まえがき】

この本を 読んでみようか!と思ったのは、広告の文章って「文学的な文章なのか?」「事実を伝える文章なのか?」どちらだろうか?と思っていました。
そんな時に、新刊書の広告が目に入りました。
ブックレビューで目次を見たら「広告の文章」が・・・
この本は、最近の国語科の教え方が、文豪の作品や、評論 • エッセイではなく、社会に出た時に役立つように、論理的な文章や実用的な文章の習得に変わってきたことに由来しているようです。
第一章より抜粋 pp.17〜38.
【ブックレビュー】

本多勝一 著『日本語の作文技術』より

『日本語の作文技術』の中で 本多勝一さんは、文学的な文章を否定されている訳ではありません。

【第九章 リズムと文体】より


文章の終極点は、リズム(旋律)の問題になるだろう。
小説家の文章読本の類は、リズムとか調子に比重を掛けて書かれている。
・文体とリズム
・修飾語の並べ方や句読点の打ち方
・言葉の選び方
筆者固有のリズムがある。
さらに、目のつけどころがうまい。
表現の例
見ると 見渡して 見すえながら
第九章:pp.285〜306.

【『文章は「形」から読む』】

著者の阿部公彦さんは、東京大学文学部教授。
この本を購入した目的の1つ 広告の文章って「文学的な文章なのか?」「事実を伝える文章なのか?」を考えるために。
先ずは【第三章の広告を読む】から読むことにします。

【第三章 広告を読む】

広告は誰が送り、誰が受け取るのか。
① 送り手 (誰が)
② 受け手 (誰に)
③ 目的 (何のために)
④ 意味 (何を)

【言葉の宙吊り】
「誰が」「誰に」「何を」と云う事が、明確に されていない表現が、稀に見受けられる。
【時代的な考察】
1970年代〜1980年代に、広告が商品の実態よりも気分を表現するようになった。
pp.65〜92.

【読後感】

1970年代〜1980年代に話題になった広告の事例から、「誰が」「誰に」「何を」と云う事が、明確に されていない表現が 稀に見受けられる。と筆者は言われています。
確かに、そのような広告(イメージ広告の類)があった事も事実です。(本文の挿絵図を参照)
筆者は【言葉の宙吊り】と表現。
しかし、消費者に受け容れられ、態度変容に至る広告は、キチンと「誰が」「誰に」「何を」の部分は、明確になっていると思います。
広告は誰が送り、誰が受け取るのか。
① 送り手 (誰が)
② 受け手 (誰に)
③ 目的 (何のために)
④ 意味 (何を)
こう考えてくると、広告の5W1Hは重要です。
その上で、文学的な素養が必要になってくると思いました。
現代は、コピーライターなどとカタカナ表記されるのいますが、かつては「広告文案家」と言われた時代が、あったそうです。

『文章は「形」から読む』阿部公彦 著
集英社新書 (2024.03.20.)

2024.03.21.