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結婚式の全てを解決しよう


始めに ※読まなくていい

本屋の売れないハウツー本のようなタイトルをつけてみたが、わりとマジである
今日は2月6日、結婚式の3日後であり、どうでもいいが僕の生誕日。33歳まで生きた感慨以外はなにもないが、優しい妻が修善寺のホテルに連れてきてくれた。(正確には、猛吹雪と凍結あるいは硬い雪の道路、そして臆病すぎる行政判断による汎ゆる道路の封鎖によってアドベンチャーと化した道中、勇敢にも誕生日の僕に運転させまいとハンドルを握った妻は数十分の格闘の末ダウンし、怖がる妻をなだめながらなんとか僕が運転してたどり着いたのだが)そんな有休を使った休みの日にも関わらず、結婚式に悩める将来の若者のために、そしてなにより溜まりに溜まった鬱憤晴らしのために筆をとっているわけなのだ。

前提 ※読んで欲しい

下記、色々書いているが、実際にお世話になった音羽ノ森の式場は本当に会場・スタッフさん共に素晴らしく、心から感謝しています。特に担当いただいた営業さん・プランナーさんも、当日お世話になった皆さんも、このお仕事を誇りにされているのが伝わってくる仕事ぶりでした。人柄もいいですしね。加えて、僕の妻も、色々悩みや喧嘩はしたものの、理不尽なことを言うタイプではなくお互いよい協力関係が保てたし、このイベントを通じて絆が深まったことは間違いない。
以下はどちらかというと、結婚式に30回以上伺わせていただき、新郎新婦から苦労話や相談をずーっと受け続けた僕の目線で、「一般的にここが落とし穴なんだろうな」と想像して工夫したことを書いてます。どうか「実際にこんな苦労を味わったんだな」なんて誤解をしないようにしていただきたい。会場と妻の誇りのためにもお伝えします。まったくもって誤解です(マジ)

結婚式最大の問題点 ※飛ばしてもよい

なんだと思いますか?費用?友達?会場?
いいえ、最大の問題は「インスタグラム」と「結婚式場のビジネスモデル」です。
そして、この仕組みを理解せず無邪気に結婚式を挙げようとすることです。

インスタグラムはまじで見るな

といったものの、見たくなるのは仕方がない。ただし、インスタグラムにおしゃれな結婚式として載せている人は「巨額の費用と、人的リソースを掛けまくっている上位5%の余裕と上位1%のナルシスト」であり、希少種中の希少種であることをご理解いただいた上で見なければならない。
前提として、結婚式は「人生最高のものにしたい」と思ってしまうのが心情である
。それは素晴らしいことだし、是非そのエネルギーを素直に結婚式にぶつけるのをお勧めする。ただし、「”あなたにとっての”人生最高のもの」を目指すのがよいし、「どこの誰かもわからない、どうでもいいフォロワーであったり、ましてや見ず知らずの明日死んでもどうとも思わないひと」が認めているような結婚式をする必要はこれっぽっちもないのである。
ただ、ドラマを見て憧れるのも人の道理だし、同様にインスタグラムを見て「これだったら私も真似できそう。近いものをやりたいな」となってしまうのもまた道理である。
ただし、それに囚われたところであなたの結婚式は何一つ幸せなものとしてのこらないことを僕は保証する。
何より自分と比べて落ち込んでしまうところに辛さがある(主に妻とその周りの感想だが)。「こんなすてきな式じゃないとみんなに失望されるかな」「こんなに綺麗に仕上げきれてない」「うちの旦那はこんなに協力的じゃない」これらのことを感じたところで、何一つあなたの結婚式はよくならない!そう感じた瞬間にインスタを閉じるんだ!ブロックしよう!少なくとも2,3日は!
ちなみに、SNSの問題をここで紹介したいわけではないが、インスタグラムの運用会社は「あなたが興味をもつもの」をしつこく提示するのであって、それが「あなたを悲しませ」「あなたの自信を喪失させ」「あなたを不幸に」するかどうかはそこまで興味がない。彼らは収益を上げるために、とにかく「あなたがついつい見てしまう」情報をしつこく見せて、広告会社からお金をせしめることが仕事なのだから。
インスタグラムを見るときは、「指輪を飾る置物を探そう」「壇上の飾り付けの構図パターンを見てみよう」など超具体的な目的を持って、その目的だけのために見よう

式場は貢いで稼がなければいけない

始めに断っておくと、僕は経営に詳しいわけでも結婚式場業界に詳しいわけでも全くない。ただの一般人目線で、なんとなく思ったことを書いているだけで、間違っていることも沢山書いてしまうであろうことはお許し願いたい。(指摘してもらえれば勉強になるので嬉しい)
今回、いくつか結婚式場を回るチャンスに預かったが、感じたことは「どこもとっても綺麗!!!」ということである。建物自体が新築だったり、内装を全取っ替えであったり、兎に角ピッカピカなのだ。なぜこんなに新しくしなければならないのかサッパリわからないが、日本には古来から不浄観というものがあるから、やはり綺麗にしたいのかもしれない。(それはそれで気持ちが悪い部分もある)
さて、そんなピッカピカにするための設備投資費用はどうやって賄っているのであろうか。勿論ウン億は下らないはずである。
(このあたり会社によって様々だと思うが)どうやら「周りのステークホルダー(衣装会社、花屋、引出物屋)」と徒党を組んで、共同で捻出するというのが慣習としてあるようである。
したがって、式場は「自分の身内から衣装や花、引出物等をユーザーに買ってもらう」ことがめちゃくちゃ重要なのである。(無論、これは経営目線であって、現場の皆さんはそれぞれ新郎新婦のためを思って動いてくださっている。が、彼らも経営者が決めたルールの上でしか業務ができないのも事実である)
さらに、設備投資の内、借用したものを返すために(そして最近はリクルート様にも上納金を出す仕組みになったので)、利益率を高くして稼がなければ成り立たない運命にある
以上2つの問題を挙げたが、共通して言えるのは、彼らはあなた達の幸せを叶えること以上に大切なことがあるということである。なので、なにも考えずに彼らに寄っかかると、「自分たちが本当にしたいこと」が実現できず、ゲストは「なんかよくある結婚式だったな」となり、「ありがとうございました」という丁寧な手紙と共に高額な請求が送られてくることになる。

夫婦で太い軸を持つことが大切

そんな危険地帯を歩かなければいけないにも関わらず、結婚式はチャンスが一回なのだ。なので、誰も歩き方がわからず、身近な情報に寄り掛かからざるを得ない。(勿論ゼクシィや各種雑誌もアチラ側の人であるから、あなたを思い遣った歩き方は教えてくれない)
そして、世の中の僕らに優しくない仕組みを嘆いたり批判したって僕らの結婚式はちっとも良くならないので、僕らが自分たちの知恵で工夫するしかない
さて、最も大切なのは、「夫婦でひとつのテーマ・コンセプトをもつ(基準が決まり、優先順位が明確になる)」「準備プロセスの落とし穴を理解して対応する」ことである。なのでここからは付き合って1年で結婚した割とバラバラ夫婦な僕らが行ったことや、落とし穴にハマった何人もの友人のフィードバックから生み出した工夫を紹介していく。

なんのためにやるのかを話し合おう

あなたは誰に認められたいのか

結婚式から少し離れるが、このあたりから出発するのが望ましい。
なぜ結婚式をするのか、それは「誰かに結婚を、あるいはあなた自身を、あなたの美しさを、あなたの素晴らしさを認めてほしいから」である。と、とりあえず仮定しよう。(多少ずれているかもしれないが)
そうすると、あなたは認めてほしい具体的な人の名前をリストにすることをお勧めする。人によってあなたが感じる気持ちに大小があるならそれも記録するといいだろう。だって、認めて欲しい人を決めないと、「なんのためになにがしたいのか分からなくなる」のだ。そうなれば後は簡単、SNSのインフルエンサーとプラットフォーマー、そして結婚式に群がる大人の餌食になることは間違いない。

テーマとコンセプトのない企画は危ない

なぜテーマとコンセプトがそんなに重要なの?意識高いの?
いいえ、違います。前述しましたが、テーマとコンセプトがないと、つまり「何のために何をやるのか」が固まっていないと、本当にやりたい結婚式を実現できないからです。妻は「すっごく楽しかったけど、もっと拘りたかったな」となり、夫は「すばらしかったけど、こんだけ掛けたお金には見合わないな」となり、ゲストは「新郎新婦がすてきだったけど、イマイチなにがしたかったのか、自分たちが必要だったのかもよくわからないな」ってなります。とっても残念。

そもそも、結婚式の企画は5W2H(いつどこで誰がどのようになにしていくらかかるか)で構成されますが、契約前にどれだけはっきりしているでしょうか。

原点に位置するWhyがないと、何がしたいのか定まらない。または、あれもこれもとなったときに優先順位がつけられない。自分で決められないと、誰かに決めてもらうしかないとなる。悪質な式場だったら、都合のよい(かれらの売上目標を叶えるような)結婚式を企画するなんてこともあるかもしれない。当たり前だが何をやるか(What)で費用は決まるので、悪どい式場は当たり前にここに拘るのだ。(重ねて言うが、僕らの世話になった式場は一切しつこい営業をしてこなかった。これには本当に心身共に救われて感謝しています)


裏を返すと、テーマとコンセプトがはっきりしていると、あれもこれもとなったときに優先順位がはっきりしているので、自分たちが実現したい結婚式に時間も人もお金も集中することができる

なので、「何のために結婚式をするのか」「ざっくり何をやるのか」は夫婦でしっかりと話し合っておこう。それをテーマとコンセプトという形で落とし込むのがよい。これは会場に手伝ってもらいにくいところ(会場としてもわからない)なので、事前にやってしまおう。会場には細かいWhatとどうやって実現するかのアイデア出しをお願いするという役割分担と理解したほうがいい。

新郎新婦でテーマとコンセプトを話し合おう

(夫婦で書いたメモを参考に載せます。個人名は削除。妻は恥ずかしがったので、新婦側の内容は割と削っています。テンプレートにご使用ください。)
なのでここが最も大切です。「なんのために式あげるんだっけ」。敢えてここを徹底的に、そして取り繕いなく素直に話し合う。お互い思惑が違うことは悪いことではなく当然です。それをそのまま吐き出して、机の上にあげて、二人で眺めて、「じゃあどんな式にしよっか」って話し合うことが大切です。
なので、どんな形でもいいから話し合った内容をメモにとって二人で眺めたり振り返ったりできるようにすることがとっても大切です。
ここでお互いがどこを向いているのか、なんとなく分かっていないと後からとっても揉めることになります(分かっていても揉めます笑)。その上で、多少ぶれてもいいから、一緒にテーマとコンセプトを決めることが大切です。(テーマとコンセプトの違いはググってください。例えばこれ
コツは「素直に思っていることをそのままを話そう」と事前に約束すること。そして「相手が吐き出してくれている間は絶対に否定しないこと」です。自分と合わないなって感じても、それをぐっとこらえてメモしましょう。一度否定すると、相手はもう自分の意見を言ってくれなくなるかもしれません。そして、準備の途中、式の直前、或いは式が終わったあとに「実は反対だった。嫌だった」と言われることになります。うわー絶対ヤダ。
あと、突然「テーマ・コンセプト」と言われてもイメージがつかなかったので、僕らは下記のワークを経て、お互いの想いを色んな角度から吐き出したり纏めたりしながら、テーマとコンセプトを固めてた。

  1. 「やりたいこと」を各自ブレスト(吐き出し)

  2. 「好きなこと」を各自ブレスト → 「共通する好きなこと」をまとめる

  3. 「これまでのの思い出」を各自ブレスト → 「共通する思い出」をまとめる

  4. 上記を踏まえて「テーマ案・コンセプト案」を各自ブレスト
    → 二人であれこれ話し合って「テーマ・コンセプト」を決定

このときのポイントは、ゲストを具体的に一人一人意識してテーマ・コンセプトを調整すること。なぜなら、結婚式は「ゲストのための会」だからである。たまに「新郎・新婦のため」「新郎・新婦の親のため」という頭から入る人がいるが(或いは、大半がそうなのかもしれない)、なおさら「そのために、ゲストになにをしたいか」を意識した方がいい。なぜなら、真に身内だけのためにやりたいと思っている人は、ゲストを呼ばないからだ(実際、私の周りは4組に1組はゲストを呼んでいない。中には親も呼ばない人もいる。まさに、新郎新婦のためだけに式をやりたいからだ)。すなわち、ゲストを呼ぶということは、ゲストが必要なのだ。つまり、ゲストに何かを伝えたかったり、ゲストになにかを期待したりしているのだ。ゲストに何かして貰うための一番の方法は、「ゲストに幸せになってもらう」ことだと知ろう(私たちの会で実証済なので間違いない)。

ちなみに、そこまでやらなくてもいいかもしれないが、私たち夫婦は婚姻の前に「なんで結婚するんだっけ、結婚してどうしたいんだっけ」を色んな角度から話し合いました(家族、社会、お金、仕事、住む場所、子供 etc.)これも話した内容そのままをメモにとっていたので、後からそれを纏めて結婚式の誓いの言葉にしました。これはこれでお互いの価値観がよく分かる上に、すり合わせができるのでお勧めです。

ChatGPTに提案してもらうと楽しい

ちなみに、上記のような会話をChatGPTに読ませて、テーマやコンセプトを提案してもらうという遊びも休憩がてら楽しい。実際に採用されたのはテーマ名である「Chill Vibes Only」のみだが。これは「メモを読んだ上で英語でヒップホップ色の強いテーマ名を10個提案して」的な依頼をして出てきた案でした。これもChatGPTの提案の一例をファイルに纏めて載せておく。これの他にも「それぞれの提案に対してマッチする色彩(メインカラー、サブカラー、強調色)を提案して」などお願いして遊んで楽しかった。

会場は冷静に比較してバイブスで決める

会場選びの手順は一般サイトを参照

このあたりはゼクシィを始め、色んなサイトで語られているので割愛。
敢えていうならば、「最初に本命は絞っとく」「真反対の会場も時間が許せば見とくと後悔がない」くらい。ちなみにうちは5つ見て、「この会場はやはり今どきでおしゃれだけど、パリピすぎてやっぱ違うね」みたいな件はありました。

見積比較で見落とし防止と会場の色を見る

そこまで本質ではないが、初期見積もりをよく読み込み比較すると、各式場の色が見えて面白い。大きく「大手 vs. 中小(スタッフの成熟度、営業の強弱、広告費、自由度)」「今どき建物 vs. 古き良き建物(設備費の大小→どの程度稼ぐ必要があるか)」「専門式場 vs. レストランウェディング(どこで稼ぐ必要があるか)」の違いを感じた。
また、式場に対して同じ要件を伝えたつもりでも、初期見積もりに漏れているものがあるし、前提が全く異なったりする。見比べて「引出物の持ち込みはいくらかかりますか」「ビデオをフルタイムで依頼した場合はどれだけ変わりますか」など、初期見積もりに漏れていそうな要件を会場に問合せておくと見積もり齟齬がなくなる。特に持ち込み料金やサービス料金については会場ごとに考え方が大きく異なるから要チェック。
また、「みんなのウェディング」や「ゼクシィ」にも多くの方の見積もり(初期見積もりおよび最終見積もり)があるので、余裕があればそれも確認して「なぜ食事費用がこれだけ上がっているのか?」「施設は変わらないのに利用料が変わるのはなぜか?」など確認すると納得感を持って進めることができる。

以上のような分析をしてみると、ある程度客観的に比較することができる。しかし、決める時は必ず心に手をあてて、「なんとなくここがいい!!」という直感を信じよう!客観的な視点は重要だが、決断は心でしないと後悔が残る!多少問題があってもいいじゃん!バイブスで行こうぜ!
(ちなみに、音羽ノ森は行った瞬間にここだな!って感じでした笑)

契約するまでの交渉が最重要

やりたいことは契約を結ぶ前に全部言う

会場と最初に揉めたのはここ。まず前提として理解いただきたい。契約前の見積もりは「増やす」分には歓迎されるが、「減らす」ことは会場からもパートナーからも壮絶な反対を受けることが安易に予想される。
さらに「結婚式は初期見積もりを超えるからね」というアドバイスは友人から事前に受けていたが、問題は人によって超過金額が全く異なり着地が予測できないことだった。「20万」という人もいれば、「150万増えた」というオリンピック予算みたいな人もいる。見積もり精度が悪いと、支払いのためにアコムに走る羽目になる。
そもそも、夫婦のやりたいことを盛り込んだらすでに契約前の見積もりが予算を超過しており、これを是とするわけにはいかない。したがって、優先順位を決めて、なんとか予算内に収めるプランを事前に握ることが重要である。
ここで問題になってくるのが、会場の営業さんとの方針のギャップである。つまり営業さんには「式場としてのルール・制約を守る」ことが最優先なのである。例えば「司会を無くすと会は成立しない」「カメラマンを無くして、ゲストに頼む場合は挙式前には写真をお取りいただくことはできない」などが最後まで難点として残った。
ちなみに「司会もカメラマンも当たり前じゃない」と思われる方もいるかもしれない。ただ考えてほしい。予算をオーバーする結婚式は開催できない、或いは夫婦生活の他の投資を減らす必要があり非常にリスクが高い。例えば、結婚式予算が100万超過すれば、新婚旅行やキャリアチェンジのための学習を1年延期する必要があるかもしれない。出産チャレンジも1年延期となれば、30歳を超えた夫婦にとっては重大なリスクになる。夫婦の予算はそこまで考えて運用しているのである。
話を戻すとここで問題なのは「会場側には制約が多々あり、ユーザーの意向は必ずしも優先されない」ことである。この背景にあるのは、冒頭で申し上げた「式場は貢いで云々」であり、ユーザーは全く関係ないもののユーザーに降りかかる問題となる。ちなみに僕らの世話になった式場は、かなり制約が少ない良心的な会場であったことはお伝えしたい。
とにかく、優先度の低いもの、無くてもOKのものは少なくとも「見積もりからは外しほうがいい」。もう一度いうが後から足す分には歓迎される。

契約時の見積は前提を必ず書面で握る

ビジネスの場面では当たり前だが、これをやらないで後で揉める夫婦はめちゃくち
ゃ多いのではないか。式場と夫・妻で確認し合いながら一項目ずつチェックするのは面倒だが必ずやることをお勧めする。(ちなみに我が家はやったけど後で少し揉めた)
逆にここでしっかりと合わせができたので、その後大ブレしなかった。(勿論、ブレることはあったが、夫婦や式場がお互い前提を共有しているので、上ブレするときも「これがこれこれ多くなるけどいいかな」と確認しながら進められた)
式場も契約前と後では、営業→プランナーと担当が交代になる。その時に、「営業さんはこうこう言っていたのに・・・」なんてことにならないように必ず握ろう。これも再度言うが、ビジネスの場面では至極当たり前のことなのだから。

プロジェクト管理は自分でやろう

プランナーさんの真価が問われるのは当日

結婚式を終えて感じるのは、「当日がよければ全てよし」である。これは恐らくウェディング業界の常識であり、恐らく課題であろう。また、ユーザー目線だと結婚式がXデイだが、1人で沢山のユーザーを抱えるプランナーさんにとっては数週間に一回Xデイがくるのである。そして勿論、どのユーザーを優先するかというと「今週がXデイのユーザー >来週がXデイのユーザー >・・・」となる。
そうすると、必然的に式日が先のユーザーへの意識は低くなる。勿論打合せで「この日までにこれを決める」といったスケジュールは最初に提示されるが、飽くまで「会場が提供するサービスに対する意思決定スケジュール」である。したがって、会場サービスの内容を決めるために事前に夫婦で話しあうことや、夫婦が独自でやりたいこと(余興やプロフィールムービー、持ち込み物など)を積極的に立てて管理してくれることは期待できない

5つの視点で管理する

管理する5つとは、「進捗」「タスク、意思決定」「予算」「ゲスト」「当日準備」である。よかったら僕らが使った資料をテンプレとして、同じようにやって貰えれば随分とスムーズに行えるはずだ。「こんなはずじゃなかった」を防ぐために是非とも管理してほしい。

進捗管理:
初回打合せで挙式・披露宴でやりたいことの大所を決める。ここで会場からは「この日にこれを決めます」というチェックポイント(添付パワーポイントの最上段)のみ提示される。そのため、それを決めるために必要な作業を大まかに書き出し、「どの日までにどんな作業が必要か」を可視化することが大切。その上で、どの週が大変になりそうか、作業の入れ替えはできないか、新郎・新婦どちらが責任を持って進めるかを夫婦で話し合った。その結果で立てたスケジュールが、添付の「結婚式準備スケジュール」。このくらいの粒度で可視化しておけば、「なにか忘れていることはないか」「準備しきれるのか」みたいな不安から少し開放される

タスク、意思決定管理:
次に、夫婦や式場との話し合いの中で発生した「決めたこと(決めなかればいけないこと)」「やること(Todo)」「確認すること(QA)」を常に表に記録した。それが添付の「Todo、持ち物、予算予実の管理」の「Todo」シート。ポイントは、雑な記述でよいので兎に角漏らさず書いておくこと。あと、決めたことはその「経緯」を書いておくと、後から振り返って「こういう理由でこうするって決めたよね」と関係者で共通認識ができる。ちなみにこのExcelは予算予実だけ除いて(別Excelにして)会場の担当者とGoogleDriveで共有していた。(常にこちらの状況をOpenにすると共に、決定事項については共通認識をとれるように工夫)

予算管理:
予実管理は、初期見積もりに対して1,2ヶ月に一度更新
し、予算に対してどの程度膨らんでいるか、どのように着地しそうかを管理。こうすることで、まだ決まっていない要素でどの程度予算をつけるべきか、優先順位を踏まえて考えることができる。
どうしてもあれもこれもと追加になってしまうのは仕方がない。収支の行方をきちんと追うことで、「この程度であればOKだな」という肌感をもって意思決定できる

ゲスト管理:
管理はまぁ当たり前なので割愛。

当日準備管理:
持ち物リストは非常に有用
だった。実は初めのドラフトを会場の担当者さんにお願いした。僕らの忘れチェックになるし、担当者さんと僕らの認識のギャップを把握することができる。(担当者さんのリストに無い内容は認識していないということになるから)
添付Excelを見ていただければ分かると思うが、「当日の持ち物」の他に、我々は前日夕方に準備しに訪問したので、「前日の持ち物」「それ以前に会場に届くはずのもの」をリスト化して管理した。加えて、「前日の準備事項」「当日の準備事項」をリスト化して漏れを防ぐと共に、一覧で書き下すことによってその日の動きを事前にイメージすることができたのでとてもよかった。

以上が僕の思いつく、結婚式をあげる全夫婦が気をつけるべきポイントだ。意味分からないことや、僕の思い込みによる課題認識あるいは考え過ぎ心配しすぎなところもあると思う。しかし、少しでも落とし穴にハマる夫婦が減ることを願ってやまない。
そして、本当に素晴らしい式場が沢山あり、想いを持って働いている現場スタッフさんが多くいるにも関わらず、悪どい経営者や昔のビジネスモデルから進歩しようとしない経営者、それに群がるステークホルダーと、無知すぎて人生に一度っきりのイベントを中途半端なものにしてしまう夫婦がいることが悲しい。
変えるためには、ユーザーひとりひとりが自分のために賢くなり、落とし穴と地雷を避けて歩んでもらうのがよいと思う。アホな経営者や業界構造とやらに変化を望むのは個人としては厳しすぎる。各自が自衛して幸せな結婚式をあげることで、徐々にアホが淘汰されて素晴らしいウェディング業界になることを願ってこれを書いている。(勿論、式場見学や友達の話を聞いて溜まった鬱憤を晴らしたいのもある)

おまけ:やってよかったコンテンツ

持ち込みのお酒

最高に楽しいゲスト、すばらしい景色、そして美味しい料理には最高のお酒がよく合う!式場がたまたま提携していたビール店が最高に美味しかったのは幸運だった。勿論飲み放題には含まれないオプションだが、ゲストも大変喜んでくれた。日本酒の持ち込みは持ち込み料まで掛ったがお釣りがくるくらい素晴らしかった。全夫婦がケーキ入刀の代わりに鏡開きに戻る世界になって欲しい。
(そもそも多くの方が何故か気にしないが、結婚式場のドリンクはかなりオカシイ。1万円以上もするコースなのに、出てくるお酒は300円級のビールと1本1,000円のワイン。飲み放題の都合上しょうがないのだが、一般的に考えるとかなりオカシイ)

ゲストへの手紙

妻と話していると「なんで私この人に呼んでもらえたんだろうって感じたことあったんだよね」なんて話になった。そんなこと、誰ひとりにも一ミリも感じてほしくない。確かに、テーブルの上のゲストカードの裏にメッセージ書いてたりしてめちゃ嬉しいが、人によっては恐らく準備の時間がなかったのだろう、、、殴り書きみたいなメッセージもあった。それはそれでクスりと笑って楽しいのだが、たしかに当日忙しすぎる新郎新婦から、ゲスト一人一人に感謝と愛を伝えることをしたい!!!となり、ゲストひとりひとりに、大きめのポストカードに思い出の写真と裏面いっぱいにメッセージを書いた。手書きで時間つかうより、気持ちをしっかり伝えることを優先してタイピングで書いた。
式の中でも、式が終わったあとでも、一人一人から「手紙ありがとう」と言われたので、きっと想いが届いたんだろう。これはやってよかった(深夜まで掛った上に印刷が間に合わなくて近所の居酒屋に大変世話になってしまったが)

プロフィールブック

海の景色がすばらしすぎてスクリーン降ろしたくないねとなったものの、それぞれのプロフィールと夫婦の歩みは紹介したい、となって作成したプロフィールブック。
結果、プロフィールだけでなくこれまでお世話になった皆を紹介できたし、事前に呼んでもらえるから披露宴の時間を使わなくて済んだしいいアイデアだった。
パワーポイントで作成して、デザインに凝りたいところはCanvaの有料版でおしゃれなのを作成していた(妻が)。

Web招待状と事前ご祝儀振込

費用削減で採択したけど、妻が色んな前撮り写真あげてて、これの評判がよかった。やっぱみなさんテンションが上がるらしい。返信にもメッセージと画像が添付できて、懐かしい画像とか、近況が分かる写メが送られてきてたのしかった。
一緒に事前にご祝儀を銀行に振り込めるようご案内した。ちょっと礼儀的に大丈夫かなって心配したけど、かなり好評だった。「これ便利だしいいね」「すごい楽だわ」の声が続出した。勿論当日の受付もしたが選択肢が増えるのはお互い助かる。

以上、それではよい結婚式を。

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