見出し画像

賃貸とマイホーム、感覚の違い。

20年以上にわたるマンション暮らしの生活が終わり、この春から家族で一軒家に引っ越すことになった。

厳密にいえば「マイホーム」ではないのだけれど、賃貸で暮らしていたときとは明らかに違う感覚がある。

賃貸マンションに比べて、一軒家は圧倒的に広い。収納スペースが相当数あり、ぎゅうぎゅうに詰め込んでいたマンション暮らしがいかに余裕(余白)がなかったかを思い知らされる。築年数もかなり経っている家なので、住みづらさは至るところにあるが、息が詰まるような感覚はない。

だけど賃貸マンションにもメリットがあった。それは「いつか、この部屋を出られる」という心持ちだ。

多少汚れがあっても、「まあ、敷金が減らされるけど、しょうがないかな」と思えてしまうのだ。いつかは部屋を出ていける、つまりゼロリセットできるのだという余裕があった。

引っ越してきた一軒家は部屋数が多い。息子たちは毎日走り回り、何かしらの食べカスを撒き散らし、そして荷解きしながら動いているせいでゴミが溢れてしまう。極めつけは料理の後だ。フライパンから撥ねた油が気になって仕方がない。料理中もウズウズしながら落ち着かず、ようやく食事後に油汚れを落とすことができた。

「自分の家である」
「ゼロリセットすることができない」

そういった感覚が過敏になり、家族の中で僕だけがまだソワソワしている。まあ、引っ越して一週間も経っていないのだから仕方ないだろう。きっと、この感覚は今だけのもので、だんだん広さにも、それなりの汚れにも慣れていくだろう。

たとえば10年後、このnoteを読み直したときに、僕はどのように感じるだろうか。「ああ、あんな感覚もあったよね」なんて懐かしむだろうか。できれば「うんうん、今も住み良い生活を心掛けているよね」と、ひとりごちていられたら嬉しいのだが。

記事をお読みいただき、ありがとうございます。 サポートいただくのも嬉しいですが、noteを感想付きでシェアいただけるのも感激してしまいます。