法律や訴訟に関連した最近のニュースから気になるものをセレクトして弁護士の視点でコメントしています。今回は5月7日から5月13日までのニュースです。

【1】エイベックス、未払い残業代に１０億円計上　３月期決算
http://www.asahi.com/articles/ASK5C5WRHK5CULFA02M.html

　残業代の未払い分を支払う必要があるということになれば当然決算にも影響するという当たり前のことが浮き彫りになっている。実際中小企業などは未払い残業代の分を正確に計上していったら今まで以上に赤字がひどくなるだけだろう。

　現行法を前提とする限りやはり働き方を根本的に考え直さないと厳しい。

【2】リーブ21に賠償命じる＝社長公募したのに譲らず―大阪地裁
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017051201007&g=soc

　社長候補の求人を見て社長候補として入社したが、現社長が退任せず、社長になれないと言われたことから、求人の条件で事実と異なる説明をしたとして損害賠償請求が認められた。

　なかなかやっかいな話ではあるが、やはり求人票に書いた以上は会社としては相応の責任が生じることはやむを得ないところだろう。

　むしろ100万円で済んだのは安いのでは？前職を退職したことで失った利益など、なかなかシビアな問題が多い気がする。

【3】公取委命令取り消し求め、農協が提訴　ナス出荷制限巡り
http://www.asahi.com/articles/ASK593T02K59PTIL00B.html

　農協に対する公正取引委員会の排除措置命令の取消を求める訴訟を農協側が提訴した。農協に対する排除措置命令という異例の判断ではあるが、このような形で争って法的に仮に黒であることが確定すると農協としてはかなり今後の対応が難しくなるように思うのだが大丈夫なのだろうか？むしろグレーのままにしておいた方が良いこともあるように思うのだけれど。

【4】広島中央署盗難 外部の指紋・足跡なし　内部犯行ほぼ断定
https://mainichi.jp/articles/20170513/k00/00m/040/179000c

　警察署内で8572万円の窃盗事件が起こるという異例の事件。内部犯行のようだが、詐欺事件の被害金とのことで、これに対する被害弁償には結局税金が使われることになってしまうのだろうか・・・

【5】大阪高裁 覚醒剤密輸で女性に逆転無罪
https://mainichi.jp/articles/20170511/k00/00e/040/306000c

　覚せい剤の密輸でよくある、持っていたのは確かだけれど、自分は知らなかった、という否認事件で逆転無罪となったというケース。

　無罪になるのはなかなかレアなのでやはり知らない人からの荷物を預かったりしては絶対にいけない。

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次回のLEGAL NEWS TOPICSは5月22日（月）更新予定です。

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