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「SKY-HIが語る音楽業界」から透けてみえる日本社会の「ムラ的構造」について話していたら、無性にリナ・サワヤマの曲を聴きたくなってしまった。


鹿田木さん、AAAのSKY-HI(スカイハイ)って知ってる?

彼が経営者、プロデューサー視点で、日本の芸能コンテンツや歌手について語っているんだけど・・・
日本社会の凋落と重なる部分がたくさんあって聞き入ってしまったわ。

ちょい長いけど、面白いのでぜひ。

見たよ!

エンターテイメントが、公共価値を発信するコンテンツになっていて、24時間ネットメディアとつながる消費者の置かれた環境も相まって、重要性を増してるよね。

ロールモデル(手本)としてのアイドルやアーティストが、消費者あるいは市民から眼差されているのが世界的現状よね。

コンテンツ発信をする運営側が、差別主義だったり、若年者や弱い立場の人に性犯罪を行い、あまつさえそれを隠蔽して擁護する現場の空気感が終わってるよね。

ほんますわ。

仕事を差配する事務所に強大な権力が集中していて、CMやテレビに出て「売れることを望む」タレントやアーティストは、事務所や社長に気に入られるために何でもさせられてしまう。

純粋な歌唱力や演技力といった能力より、事務所や社長の要望に同調し、空気を読んで従わざるを得ない力が働いてしまう。

そこに私的なセクハラやパワハラ、性暴力すら絡んでいたことは昨今のジャニーズ報道の通りだわ。

だから作品や業界のステークホルダーにその消費者も加わって行かなければならない気がするよね。

良き批評、良き視聴者なくして良きコンテンツないやろうと。

日本のアイドルが、海外ロケのときにドメスティック文脈の「バカキャラ」を演じていて、共同性羞恥が発動したよ・・・

この辺りの立ち後れも、キャッチアップできそうにないね。

ここでも、日本社会の伝統ともいえる、一見、自由競争に見えるレースが、その内実、力の強い数社で「主要な仕事を回し合う」ような利権、カルテル的構造が見え隠れするね。

結局、建前では「開かれた自由競争」を掲げながら、「お父ちゃんばっかりが、美味しいおまんじゅう食べてきた」ムラ的構造が透けて見える。

んだね。

ここで語られた、芸能プロダクションの力学、既存の利益構造への執着、人口ボーナスに寄りかかった「関係者至上主義」など、エンタメ以外の日本の産業や政治にも当てはまりそうな予感があるね。

それがプラットフォーマー寡占主義、レント資本主義による黒船効果によって変化させられ、過渡期を迎えてるってのも一般化しすぎだろうけど日本の失敗の型が見てとれる。

国内でパイが縮む中、AppleやSpotify、YouTubeやNetflixといった世界標準のプラットフォーマーの登場で、否応なくタレントやアーティストは世界市場で戦う必要が出てきた。

その過程で、ムラの有力者による「関係者至上主義」が可視化されてきたとも言える。

ここ数年、某大手事務所から有名タレントがごっそり抜けて行ったり、突然に宗教組織に移籍したり、改名して活動を余儀なくされたりあったけど・・・過渡期に入ったんだろうなと思わされるよ。

「仕事が欲しかったら・・・わかるよね?」は、非対称関係そのものだし、「そこから先はわかるよね?」も自発的同調を求めている。

これらは被害者に「被害は私の選択の結果」と思わせて、問題を個人化させる効果をもつよね。

でも、本当に社会がしなくてはいけないことは
「もう、あなたは頑張らなくて良いよ。この問題は社会の問題なんだよ」
という問題の社会化、可視化でなくてはならないと思うんよね。

JJさんにも以前シェアした、リナ・サワヤマも宇多田ヒカルや椎名林檎を聴いて育ったらしいけど、アーティストとしてのキャリアはイギリスで作っている。

ふつうに考えて、表現作品を作ることや消費することに、そのマーケットの価値観は影響するよね。

事務所やプロデューサーに対し、アーティストやタレントは下位に置かれ「非対称権力構造」のローカルルールの中でしか、物事を表現できない。

ヒエラルヒー上部には事務所やプロデューサーに加え、広告会社や放送局、そして金を払うスポンサーが控える。

本当に能力があって、やりたい事がある人間はグローバル市場を狙っていくやろうね。

リナ・サワヤマは、ケンブリッジを出てLGBTQコミュニティに属している。1stアルバムが、イギリスの「マーキュリー賞」と「ブリット・アワード」にノミネートされたんだけど・・・

どちらの賞も、ノミネート資格に「イギリス国籍」があったんだ。それを作品と消費者、批評家のハッシュタグムーブメントによって資格条件の変更をさせてのノミネートだった。

ヤバない?

詳しくはこちらから。

あと、藤井風も『死ぬのがいいわ』という曲で、グローバルチャートぶん回しててビビるよ。2022年海外で1番再生されたアーティストらしい。

最近だとYOASOBIの『idol』も何事?ってな当たりっぷりだし、プラットフォームのプレイリストに乗るとえらいことなるね。

リナすげえな!!

ファンと作品の力でノミネート資格を変更させるなんてね・・・また、それを後押しし、許すイギリス音楽シーンの懐の深さもヤバいね。

藤井風知らんかった・・・(汗)でも、すごいんやね。YOASOBIの『idol』はあそこまでメガヒットするとは思わなんだ。

どこで、何を、どう歌い、演じ、笑わせるか。

歌手でも芸人でも、海外マーケットにリーチできるセンスがあるなら、わざわざドメスティックな「ムラ」に留まってお偉方の機嫌取る必要ないんよね。

そして鹿田木さんがいうように、
「良き批評、良き視聴者なくして良きコンテンツもない」
のであれば、コンテンツを消費する私らの価値観も問われているんだろうね。

・・・てかリナ・サワヤマの曲、改めて聴いてみますわ。

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