なつまる

こんにちは! なつまるです。 「怖い」を切り口に、投稿します。 怖い話/怪談/都…

なつまる

こんにちは! なつまるです。 「怖い」を切り口に、投稿します。 怖い話/怪談/都市伝説/短編ショートホラー/ホラー映画レビュー/ホラー小説紹介 など 不定期で更新します。 Webサイト https://am2ji-shorthorror.com

最近の記事

【怖い話】ぬいぐるみの家

某県に『ぬいぐるみの家』と呼ばれる一軒家があるという。 もともとは、N美さんという女性とその母親が住んでいた物件だそうだ。 その家は、N美さんの祖父の持ち物だった。 N美さんが生まれた時、すでに築50年以上経っていたような古めかしい日本家屋で、ひとりっ子だった母親が相続したものだという。 両親はN美さんが3歳の時に離婚していて、物心ついた頃からN美さんは母親と2人暮らしだったそうだ。 N美さんは、幼い頃からぬいぐるみが大好きな子供で、ぬいぐるみ一つ一つに名前をつけてご飯

    • 【怖い話】サブスクリプション・ホラー

      「お化け屋敷をサブスクリプションで?」 Aさんは、向かいに座る小太りな男性に向かって、思わず素っ頓狂な声を出してしまった。 男性はイベント運営会社の社長で、彼の会社が得意とするのはお化け屋敷や脱出ゲームなど箱モノのアミューズメントを企画・運営することだ。 広告代理店に勤めているAさんが社長に仕事を発注してから、もうかれこれ10年以上の付き合いになる。 社長は嬉々とした表情で続けた。 「えぇえぇ。名づけてサブスクリプション・ホラーとでもいいましょうかね。コロナによって、うち

      • 【怖い話】訪問者 -短編-

        Sさんは、閑静な住宅地にある一軒家で暮らしている。 ある、どしゃぶりの雨の夜、いきなり玄関チャイムが鳴った。 こんな夜更けに誰だろう、、、 玄関を開けると、若い女性が立っていた。 雨に濡れ、長い髪から雫がポタポタと垂れている。 Sさんが声をかける間もなく、女性はドアを強引に開けて、靴も脱がずに家にあがりこんできた。 よく見ると女性は裸足だった。 「ちょっと!」 止める声も聞かず、女性は勝手に2階にあがっていった。 女性が通ったあとに、濡れた足跡が点々と続いている

        • バレンタインデーの怖い話

          Bさんには、バレンタインにまつわる奇妙な思い出がある。 はじまりはBさんが中学一年生の時だった。 当時、Bさんはマンションに両親と暮らしていたのだが、2/14に学校から帰ると母が茶化すような顔でBさんに微笑みを浮かべていた。 「Bもすみにおけないのね」 そう言って、リボンにくるまれた小さなギフトボックスをBさんに渡した。メモ用紙が添えられていて、「Bくん」と書かれていた。 郵便受けに入っていたのだという。 まさかと思ったが、自室で箱を開けてみると、手作りのチョコレートが入っ

        【怖い話】ぬいぐるみの家

          【怖い話】間違ってない電話

          ある日のこと。 Y田さんの携帯に見知らぬ番号から電話がかかってきた。 「もしもし、こちらは、A川さんの携帯電話でしょうか」と女性の声がした。 間違い電話だった。 「いえ、違います」 そう言って、Y田さんは電話をすぐに切った。 すると、数十秒後、同じ番号から再び電話がかかってきた。 「もしもし、A川さんの電話でしょうか」 「先ほども申し上げましたが、違います」 「番号は、090-××××-××××でお間違えないですか?」 それは確かにY田さんの番号だった。 「番号はそうですけど

          【怖い話】間違ってない電話

          【怖い話】ひとりぐらしのひとりごと

          「1人暮らしをしている部屋で、ひとりごとをずっと話していると、返事がかえってくることがある」 そんな怖い話を友達のNから聞いた。 返事を返してくるのは幽霊なのだという。 だから、あまり、相手がいるかのようにひとりごとを言わない方がいいのだそうだ。 そんな話を聞いていたからか、私は部屋の中でひとりごとはなるべく言わないように心がけていた。 けど、コロナでリモートワークが増えたせいで、ひとり閉じこもっている時間が多くなり、自然とひとりごとが増えた。 別に誰かにしゃべっているつもり

          【怖い話】ひとりぐらしのひとりごと

          【怖い話】サンタからの手紙

          6歳になるCくんは、サンタクロースに手紙を書いた。 12月になるや、お母さんやお父さんには内緒で、クリスマスに欲しいものを紙に書き出し、枕の下に置いておいた。 内緒にしたのは、秘密にしておかないと、サンタさんが返事をくれないのではないかという気がしたからだ。 けれど、待てども待てどもサンタさんからの返事は来なかった。 Cくん自身、手紙を書いたことを忘れかけていたクリスマスイブの夜。 寝ようとしてベッドに潜り込むと、枕の下に手紙が届いていた。 サンタさんからの手紙だ。 Cくん

          【怖い話】サンタからの手紙

          【怖い話】3年遅れてやってくる

          「それ、3年前くらいに流行ってたよね?」 僕の服を見て、友達が言った。 いつも私はそうなのだ。 意識してやっているわけではないのだが、「あ、これいいな」と思ったものが、たいてい、ひと昔前のトレンドなのだ。 流行りの映画やドラマ、ファッション、言葉使いもそうだ。 僕には、全てが、人より遅れてやってくるみたいだった・・・。 ある日、知らない番号から電話がかかってきた。 「あ、もしもし、Aくん?私、Bだけど、覚えている?」 Bちゃんは、3年前まで同じ店でアルバイトしていた女の子だ

          【怖い話】3年遅れてやってくる

          仙台のホテルの怖い話

          JR仙台駅のほど近く。 某全国チェーンのビジネスホテルに泊まった時のことだ。 クライアントとの打ち合わせを終え、ホテルに着いたのは午後9時過ぎ。 たまっていた仕事のメールの返信を片付け、少し休もうと明かりを暗くしてベッドに横になった。 商談で疲れていたからだろう。すぐに眠りに落ちてしまったのだが、、、 カシャッ 突然、シャッター音がすぐ近くで聞こえ、目を覚ました。 スマホのカメラのシャッター音のような機械的な音だった。 眠っている私の頭の上で音が鳴ったような気がした。

          仙台のホテルの怖い話

          【怖い話】旧友からの電話

          Dと話すのは17年振りだった。 中学を卒業して以来だ。 ある日の夜、仕事から帰って自宅のソファで休んでいると、知らない番号から電話がかかってきた。 それがDだった。 「久しぶり」 17年振りに声を聞いたにも関わらず、すぐにDとわかった。 子供の頃の絆は不思議なものだ。 社会人になってからの"友達"とは明らかに違う。 「久しぶりだな。誰から俺の電話番号聞いたんだよ」 「お前の実家に電話して教えてもらった」 「何かあったのか?」 「いや、別に用があったわけじゃないんだ。どう

          【怖い話】旧友からの電話

          名古屋のホテルの怖い話

          これは、先日、出張で使った名古屋のホテルで体験した怖い話です。 私が宿泊したのは名古屋駅から歩いて数分の場所にあるビジネスホテルでした。 仕事を終え、夜半過ぎにチェックインすると、 くたくたに疲れていたので、荷ほどきもそこそこにセミダブルのベッドに横になりました。 あっという間に眠りにつき、目覚めた時には、 深夜3時頃でした。 いつもと違う変な時間に眠りについてしまったせいで、 深夜に目が覚めてしまいました。 目覚ましをかけて、朝までもう一度寝ようと思ったのですが、 目が

          名古屋のホテルの怖い話

          【怖い話】花屋怪談

          Mさんは、小さい頃から花屋を営むのが夢で、35歳の時に勤めていた会社を辞めて、念願だった小さな花屋をオープンさせた。 お店は、最寄り駅から歩いて15分くらいある閑静な住宅地にあり、立地条件に恵まれているわけでは決してなかったが、オープン初日の客足は期待を上回るものだった。 売り上げが読めなかったのでしばらくMさん1人で切り盛りしていくつもりだったが、このままの客足であればアルバイトを雇ってもよさそうだった。 ところが、開店して数日して、予想だにしない事態が起きた。 商品の

          【怖い話】花屋怪談

          【怖い話】アラーム

          ジリリリリリ・・・!! けたたましいアラームの音がして、枕元のスマホに手を伸ばす。 まどろんだままアラームを切ろうとするが、一向に鳴りやまない。 おかしいなと思ってふと気がついた。 こんな音のアラームを設定した覚えはない。 ハッと覚醒してスマホを確認すると、時刻は朝4時37分。 まだ陽ものぼっていない。 自分のスマホのアラームじゃないとすれば近隣の部屋の目覚ましだろうか。 でも、隣の部屋の音がこんなにはっきりと聞こえたことなど今までなかったし、アラーム音はすぐ近くから聞こえ

          【怖い話】アラーム

          陰口のない国

          「なんびとも、本人のいない場で、陰口を言ってはならない」 突然の「陰口禁止法」の成立に日本中が驚いた。 違反した人は罰金2,000円の過料を支払わねばならず、適用範囲は、現実社会のみならず、オンラインも含まれた。 この法律ができた背景は諸説あり、時の総理大臣が閣僚に陰口を言われているのに激怒して施行を推進したとか、やまぬネットでの誹謗中傷を減らすため国民のモラル向上を目的として施行されたとか、新たな財源確保として他人の悪口が好きな日本人の特性に目をつけたとも言われていた。

          陰口のない国

          【怖い話】同じ部屋

          Oさんが便利屋稼業を始めたのは、35歳の時だった。 それまで勤めていたIT関連の仕事を脱サラして、一念発起して起業した。 右へ倣えの組織で働くのが辛くなって、自分らしく働きたいと思ったのだ。 はじめの方こそ売上があがらなかったが、誠実に仕事をこなすうちに徐々に口コミで次の仕事が舞い込むようになった。 Oさんが会社を立ち上げた立地もよかった。 駅から歩いて数分のところに、東京ドーム数個分の広さがある巨大なT団地があり、人が集まっている分、顧客になってくれる人をたくさん見つけるこ

          【怖い話】同じ部屋

          【怖い話】仮死451

          妻と娘が、私の遺体を前にすすり泣く声が聞こえる。 「どうして」「お父さん・・・」 2人の嗚咽を聞くにつれ、申し訳なさが募る。 娘の涙が、私の頬に落ちてきて、たまらず叫び声をあげたくなる。 身動きはできず、私には何もできない。 しかし、実は、私はまだ死んではいない。 いわゆる、仮死状態だった・・・。 ・・・話は数週間前に遡る。 私は、これでも、某アプリゲームを開発する企業のCEOをしている人間だった。 経営は順調で、未来は明るいことを微塵も疑ってなかった。 ところが、だ。 時

          【怖い話】仮死451