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対州馬の飼養と調教 8「 対州馬以外でも市街地にある坂の小径を歩く荷運び馬になることができるか」

まず、競走馬や乗馬用の馬、それ以上の体格のある種の馬は、物理的に非常に無理があるだろうと思います。
また、外国産の馬で、ポニーと呼ばれる種の馬は、できないことは無いとは思いますが、対州馬よりも長いスパンのトレーニングと忍耐が必要であろうと思います。

昔長崎の荷運び屋さんが、他の在来馬を連れてきて試したところ、やはり断念せざるを得なかったと話されていました。しかし、それは馬の個性や能力によっても違うとは思います。
長崎市で最後まで荷運びをされていた馬方さんがパートナーにしていた馬は、おそらく木曽馬と北海道和種、通称道産子とのミックスでした。
これは対州馬がなかなか手に入らなかったことと、運搬能力を考えてのことだったと伺いました。

かつて実際に長崎市で荷運びをされてきた4氏に話を聞いたことがありますが、皆口をそろえて「対州馬が一番よかった」と答えました。一番の理由は、その動じない性格らしいです。
確かにあの狭い坂段を歩いていると路地から人が出て来たり、或いは犬が吠えてきたりということもあるでしょうから。
臆病な性格の馬には最も適さない「職場」ということになるでしょう。

それだけに坂の小径ばかりの長崎と炭鉱だらけだった長崎と対州馬というのは何とも不思議な因果があると思うのです。









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