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写真録 馬 ⑱  薪を運ぶ在来馬と女性たち

たくさんの薪(まき)を背負って、小道で足を止めた村人と馬。足元をよく見ると、馬もわらじを履いている。ひづめを保護する西洋式の蹄鉄(ていてつ)は明治時代に日本で使われるようになったが、まだ農村には普及していなかったのだろうか。1922(大正11)年9月号の特集「日本の農村」に掲載された1枚で、撮影地は不明。

Working Horse ≪馬と大地と共生≫

掲載されていたFBには、上記のような文章が添えてあったが、このような山間地ではぬかるんだ坂道が多く、蹄がすり減るよりも、馬が脚を滑らせて転倒することを心配しただろう。
長崎の荷運び馬も、相当な重量を背負っていた為、転倒した拍子に脚を折ってしまい、泣く泣くその場で殺処分せざるを得なかったという逸話を聞いたことがある。

写真では、馬を曳いている女性たちも自ら薪を背負って歩いてる。
馬をリスペクトしつつ大切にして共に働いていたということがわかる、美しい日本の馬文化をとらえた一枚である。


ナショナル ジオグラフィック日本版2023年11月号

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