古神真理の現実逃避

美しい音楽を奏でるわたし
ハープの音がこじんまりとした部屋に
響き渡る
誰かのために聴かせたい

そこでわたしは小さな椅子に
可愛いくまのぬいぐるみを座らせ、
そのぬいぐるみの耳もとでハープを奏でる

あなたのために聴かせたい
あなたのために弾きたい

想いは一層強まり、
わたしの小さな手はたちまち
大きくなって
そして体は大きなハープの何十倍もの
大きさになって、
やがては家を突き抜けて、
全ての住宅が見下ろせるようになると、
わたしは全ての人々のために
奏でる

演奏が終わり、体はもとに戻る
家には、
小さな椅子にこじんまりと座るぬいぐるみが
待っていてくれた

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