変な夢シリーズ〜お金持ちのおぼっちゃん〜


こんな夢だった。

私の目の前に、カプセルのような狭いベッドに横たわっている男性がいた。
おそらく、10代後半で、髪の毛は金髪に近い。
その男性は、どうやらかなりのお金持ちのおぼっちゃんだという。
その割には、最近髪の毛を染め始めたとみられる、大学のキャンパスを歩いていそうな普通の学生のようにもみえた。

しかし一般人とは程遠い、かなりのお金持ちのおぼっちゃまだというのだ。
そんな住む世界の違う男性が、自分の目の前で、何故寝ているのだろうか。

おかしなもので、金持ちの息子である彼の寝ている部屋は、なぜか少し古びた畳の狭い休憩室のような場所であった。
またそこは、どうやら人が適当に出入りするような場所だった。
そんなところに、彼のような人間がいた。

私は、彼の食事を調達する仕事をしているみたいだった。
それも、出前。
何か素晴らしい食事を彼に与えなければいけないのだが、夢の中なのか?私の体はなかなか動こうとしない。

気づくと起きていた彼は、目は開けているものの、カプセルのようなベッドの中でそのまま横になっている。大人しく。若いのに。
私も早く出前を頼んで、彼に与えなければ。
それが私の仕事なのだから。

彼は、何を考えているのだろう。
この狭いカプセルベッドで寝かされて、毎日決められた時間に決められたことを必ずせねばならない。
というか、してもらわなければならない。
自分の意志で生活することができない。
彼の人生はお金によって不自由なものになっている。
そんな人間がいるのだ。
私の夢の中に。

すると、それまで大人しくベッドに寝ていたおぼっちゃんはふと何かに気づいたようにつぶやいた。
彼はこんな生き方に突然疑問を抱いたかのようだった。
どんなことを言ったのか、はっきりは分からないが。
恐らく、もうこんな生活は終わりだ、馬鹿馬鹿しい。
というようなことを言っていたに違いない。

夢の中で私は、そりゃ、そうだろうな。
彼の人生は今、この瞬間から変わるんだ。
そんな風に思うのだった。

実にどうでもいい、変な夢だった。

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