「皐月と美月の夏。」<note版⑳>


20話 美月の話 「祈りが届いた新月の夜。」


昨日の夜は、皐月の狂喜の雄叫びが、七島中に響いただろう。

私に抱きつかれたレオは、夜でもはっきりとわかるくらい頬を赤く染めて、静かに涙を流した。

その顔を見て、絵に刻まれたあの告白に、どれだけの想いと勇気を込めたのだろうと想像し、心から愛されているのだと実感した。

私は、生まれて初めて恋をしたのだ。

レオと再会してから、ずっと心がざわざわしていた。

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山形県に住んでいる小学4年生です。小説や漫画を読むのが好きで、1年生の頃からメモ帳に短い物語を書いてきました。今はお母さんのお古のパソコンを使って長い小説「皐月と美月の夏。」を書いています。サポートしていただいたお金は、ブックオフでたくさん小説を買って読みたいです。