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桃の季節

連日の暑さで、本当にぐったりしている私だが、1日1度の楽しみが桃を食べることだ。この季節にしかない、桃が冷蔵庫にいまたくさんあるのだ。自分で買った分が四つ、母からもらった分が四つあった。いま現在はすでに三つ食べてしまったので、あと五つある。

暑さとクーラーで、もう毎日が本当に怠くて、日常生活のあれやこれやをこなすことも、いつものようにはいかない中で、一日に一回冷えた桃を剥き、甘い汁ごと果実に歯をたてるときが、一番「あー、生きてる」って感じがする。

桃は旬の果物だから、年中は手に入らない。だからこの季節だけは、ちょっとお高くても、ついスーパーでカゴに入れてしまう。

「果糖は摂りすぎるとあまり……」などとも言われるようになった昨今だけれど、私は本当に果物の甘さが好きだ。少々体調の悪いときほど、体が求めているのか、すごく食べたくなる。

結婚してから「家にスナック菓子は常備してね☆」という夫に影響されて、私も昔なら食べなかったチョコレート菓子やポテトチップスなどを、つい感化されて食べるようになってしまったのだけれど、やっぱり私は小さい頃から食べなれた果物の甘さのほうが、食べたあと幸せ感が大きい。

さて、桃に話を戻すけれども、英語で「She is a peach!」というのは、女性に対する褒め言葉だそうだ。「彼女って素敵!」という。確かに桃の甘さやまるみのある形は、魅力的な女性を思わせますよね。

これと反対になるのがレモンだそうで「She is a lemon!」は「彼女は魅力的ではない」という意味になるそう。

レモン、お料理に上手く使えば美味しいのに、ちょっと嫌な役どころでかわいそうだと思う(笑)

そして中国や日本では、桃は古来より悪魔や病魔を退治する果物として知られていた。日本神話の『古事記』でも、イザナギノミコトがイザナミノミコトを黄泉の国に訪ねていき、イザナミノミコトの醜い体を見て逃げかえる際に、追手に追われ、黄泉平坂に生っていたいた桃を三つ投げて、撃退したそうだ。

というわけで、良いイメージの逸話やエピソードに事欠かない桃だけれど、やっぱりみずみずしく美味しすぎると思う。甘くて冷たい、夏の短い期間だけに食べられる桃。今年も味わいつくそうと思う。

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