2. 先生と生徒 高校2年生

高校2年になり、先生は隣のクラスの担任になった
毎朝、廊下越しに顔を見る

先生はわたしを見ただろうか

わたしは毎日見つめてるのをバレないように
目を反らしたり
でもやっぱり見てしまったり
いつでも追いかけていたよ

試験監督で来たり、臨時で来たり
そんな日はドキドキして嬉しかった

でももう普通には話せなくなっていた
周りにバレちゃいけないと
見つめるだけになっていた

若い先生はやっぱりモテるようで
色んな噂を聞いた
先輩や、友達の友達も好きになって
お弁当作ってるなんて話も

そんな噂を聞いても、わたしは行動には移せなかった
人に知られるのが怖かった

そしてバレンタインがやってきた

教員名簿の住所録を見る


先生の家は、うちから一駅隣だった


これは行ける!と思い、チョコを持って家を出た

この頃にGoogleMapさまがあったら
どんなにラクだっただろうか  

わたしは方向音痴なのだ

ぐるぐるぐるぐる同じところを回りつつ
なんとか先生のアパートを見つけた
でもお留守だったので、ドアの前に置いた
チョコと先生の好きないちごも買った

その後友達と約束があったので、
その場から離れ、メールをした
「チョコレート置いたよ」

先生は「家よくわかったね。ありがとう。」

ところが数時間後…

「チョコないけど?」とメールがきた

家を間違っていた…

急いで戻って、チョコといちごを取り戻しに行き、先生に言われた通りの道を歩き
見覚えのある車を見つけてやっと本物の家にたどり着いた

車で話そうと助手席に座った
「こうやって話すの久しぶりだね」から始まって
「なんでチョコ持ってきたの?」って聞かれた

そりゃそうだ
なんのチョコなんだ
なんて説明するんだ
彼氏いるのに!

「うーん、好きだから?…まだ好きみたい」


どうしても、自信を持って好きと言えない
彼氏いるもんね…

しばらく沈黙したあと
急にそのときはやってきた

大人のキスだった

驚きと、動揺と、緊張と、
わたしには彼氏が!ということが
頭を駆け巡り
ちょっと拒否しながら
体を離した

なんで?なんでキスした?
わたしのこと好きなの?
とは聞けなかった

 

今となっては
わたしにちゃんと好きって言わせるゲームでもしてたのかなとか、遊びで振り向かせたかったのかな、とか思えるけど
当時は一応純粋な17歳で
遊ぶ遊ばないとか、26歳は大人だからそんなことしないとか、先生も私のことが好きなんだ!
って舞い上がってたと思う

キスなんかされたら
もう忘れることなんてできないじゃん

その日はそこで送ってもらって家に帰った

なんでキスしたの?
って後日電話で聞いたら
「したかったから」と言われた

ずっるーーーーーーーーーー

好きとは言ってくれないんだね

それでもそのときは嬉しかったんだ

その後、ついに彼氏と別れた
先生で私の中はいっぱいだった

「彼氏と別れたよ」と報告してみる

「それで?」

それで… 
付き合えると思ったの?
先生と生徒なのに

「付き合って」とは言えなかった
てもここからわたしの好き好き攻撃が始まる

高校3年生も先生は担任にはならなかった

#3先生と生徒高校3年生  につづく

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