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隔たりの中。

日々流れくるタイムラインの混沌に混乱しながら、それに慣れてしまいそうな感覚の麻痺をどこかで嫌悪する。
普通に暮らすこと、と思い描いても、そこからかけ離れた無数の普通を垣間見ると、自分のいる場所がぼんやりと霞んでくるような気がする。

日常を続けられる人は日々を維持することで、回り回るうち、少なからず、日常が崩れた誰かの役に立つこともあるのかもしれない。
そう思っていた。
けれど、そんなふんわりと甘い考えがまるで意味を持たなくなるほど、きっとこの世界は奇妙で残酷な世界なのだと気づかされる。

見たくなければウィンドウを閉じればいい。
心地よいものだけを受け入れればいい。
それらはもちろん否定されるべきことではないけれど。
否、と思わずにはいられないほどの感覚がどうにも収まらない。

自らを維持することすら、なんと危ういのかと途方に暮れそうになる。
一瞬、目の前に立つ子どものやわらかな足を眺めながら、ふっとその足が血や埃や瓦礫にまみれる想像に駆られて。
それはどんな恐怖や苦しさを表す言葉を以ってしても形容しがたい映像を投げつける。


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