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続・恋のゆくゑ

ただのド根性無しの話を聞いて頂きたい。
記事にすることでしか表現出来ぬ40歳独身男の愛しき恋バナを。

前回の続きになるのだが、
なんと、なんと、例の女性に再会したのだ!!!

それなのに、それなのに、それなのに×108回
目を反らし、背中を見つめる事しか出来なかった………。

内心ドキドキバクバク、小さな本音の俺がぐるぐると側転を繰り返し、着地の音が脳内に轟く。

まるで轟々と鳴り響く和太鼓の鼓動かのごとく。

気にしてる素振りも見せず、一服。
(ちょー気になっている)

彼女も一服。
(おーい!また会ったねー)

二人の目線の先には、古着屋のオーナーが二人の若者に洋服を紹介させてる動画撮影中。
(君と話したくて仕方がない!!!)

彼女は、顔見知りの男とイベントの後どこかに泊まったのだろう。ふたり微妙な距離感で、昨日と同じ服装で現れた。

二人ともサングラスを掛け、お互いに全身黒でコーディネートしてるのに、どことなくよそよそしい。

男と女が部屋でふたりきりになってすることは一つしかない。
そんな二人の典型的な距離感だった。

それがなんだ。全く気にならない。
そんなことより、俺は彼女と話したい。
二人きりで。お陽さまを浴びながら笑顔で語り合いたい。

野暮な話は抜きにして、ブリティッシュティーを飲みながら木漏れ日注ぐウッドデッキから湖畔を眺めながら、ファッションの話がしたい。

彼女がその場に留まっていたのはほんの数分の事だったんだけど、俺にとってはもう少し長く感じた。

何故再会したのに声を掛けなかったか?

実は、Instagramで繋がれたからだ。
ストーリーも見てくれて正直浮かれていた。

その後彼女は、行きずりの男とその友だちと
街の奥へ去っていった。
また逃した。

だけど、そのかわりに直後自分も帰宅するために三人を自転車で追い越した。
ぼくの真っ赤なブルゾンを彼女の目に焼き付けるため。

俺は四十、彼女がいくつかは知らない。
でもそんなことどうでもいい。
男が居ようが居まいがどうでもいい。

俺が実現させたいのは、二人きりであくる時にデートがしたい。
彼女のことを一つでも多く知りたい。

Instagramの投稿には、たった一つだけ物悲しい秋の山の様な写真が上がっていた。
タイトルは【あいに】

ひょっとするとこれはあれかなぁ。
プライバシーを保護するため詳しくは語らないけれど。

なんでこんなにも惹かれるんだろう。
初めて彼女を見付けてから、たった十数時間しか経ってない。まだ1日も経ってないというのに気になって仕方がない。

その答え合わせをお願いしたい。
今出来ることは願いを祈るだけ。
もう一度、もう一度だけチャンスを下さい。

3度目の正直。
昨日、今日、次はいつになるか全くわからないけれど俺は信じてる。

会いたい。
たったそれだけ。

座る俺と立ってる彼女、そのシーンがまるで二人だけの様な感覚になった時、彼女の背中が目に留まって後ろから抱きしめたくなった。

とてつもないモノを抱えている様に感じたからだ。『もうその悲しみ置いて大丈夫だよ。』

今も脳裏に焼き付いている。
いい感じに使い込まれた、黒い革のオーバーサイズのジャケットに包まれてる小さな背中が。

あと一度だけ、チャンスを下さい。

ライトワーカーの俺に出来ることがあるんじゃないでしょうか。
三度目にもし会えたなら、癒しをお返ししたいです。

心から彼女を迎え入れたい。
心なる願い。







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