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2月15日~24日 桜フラぺ、スペイン村

2月15日 桜フラペ!!

スタバで桜フラペが発売するとき、春は来ていない。

フラペチーノは氷だ。氷だけど飲み物で、恐ろしくカロリーが高い。それでも、春夏秋冬、スタバの新作が出たら飲んでいる、苦手な味のとき以外は。

ハロウィンは飲んだ、クリスマスはたぶん飲んだ(数年前のピスタチオのフラペが忘れられない、今年こそはピスタチオと思ったのに違った、悲しい)、バレンタインは確実に飲んだ、桜は絶対に飲むと心に誓っている。

桜味、好き嫌いが分かれる。
桜味、説明ができない。
桜味、バレンタインの直後にやってくる。河津桜も咲いていなさそうな時期にやってくる。スタバやカルディや無印良品やルピシアなどに。
桜味、今年のスタバは割とイチゴ味だった。美味しかったけれど、イチゴは苦手だ、美味しかったけれど。 

新宿駅のスタバで飲んだ、発売日に飲んだ。案外空いていたから、のんびり本を読みながら読んだ。たぶん森茉莉『父と私 恋愛のようなもの』。森茉莉は句点が多い、息継ぎするように読む、合間に桜フラペを飲む。

『父のその時の、私に言った無言の言葉は、私の胸に、鋭い棘になって突刺さった。その父の心持は柔しいので、その父の心の棘は柔い。薔薇の芽生えにある薄紅い棘のように、それは柔しい。だが、その棘は、柔しいために、尚一層、私の胸に痛みを与えたのだった。その棘は現在も私の胸に、刺さっている。』

そういえば薔薇味のマカロンはあるけど、薔薇味のフラペはないのかな。

追記です:ソメイヨシノは3月17日頃に咲き始めた(私の家の近く)。桜の季節だけはピンク色が好きになる。


2月23日 いざスペイン村へ

生まれて初めて、志摩スペイン村に行った。
とあるVtuberとコラボしていたけど、それは関係ない。
初めは、「ディズニーに行こう」という話だった。いつの間にか志摩スペイン村へ行く話にすり替わっていた、何故だろう。

東京から名古屋までは新幹線でとても簡単に行ける。速い。名古屋から乗り換えて、鳥羽まで行く。私は新幹線でも酔う人なので、酔い止めを舐め、副作用で眠くなって結構な時間寝ていた。三重に入ってからは、通り過ぎる駅の全てに、赤福の広告がありそうな勢い。いつか伊勢神宮に行ってみたい。今回はスルーするけど、いつか。

鳥羽駅で降りて、たくさんのミジュマル(三重の応援ポケモン)に「可愛い!」を連呼しながら、スペイン村の最寄り駅、鵜方に向かう。鳥羽駅にももちろん、赤福の広告があり、赤福が販売されている。そんなに赤福が好きなわけじゃないのに、なんだか食べたくなってきた。鵜方にも、赤福の広告。なんならスペイン村直行のバスも、赤福ラッピングだった気がするけど勘違いかな。

ホテルに着く。スペイン村に入村するのは明日だ。
スペイン村の提携ホテルは、すごく大きいしじゅうぶん過ぎるくらいオシャレだし、部屋から村の中のジェットコースターが見えた。

夜ご飯のバイキングも美味しいし、お風呂! お風呂が最高だ!

なんと露天風呂もある。オリオン座がはっきりと見えました。脱衣所の外には休憩スペースがあり、自販機で飲み物やアイスなんかを売っている。こんなの買うしかない。
冷たいレモネードを飲み、ピノを食べた。コーヒー牛乳は軒並み売り切れだったと、少し先にお風呂から上がっていた友人に聞いた。

眠る前に、移動時間で読むために買った武田百合子『富士日記』の上巻を開く。わざわざ買うなんてバカみたいだけど、そういう気分だったので。ほんの少しだけ読んで寝た。


2月24日 入村と雨と品川駅

寝起きは悪くないほう。友達も二人とも、しゃっきり起きていた。

朝のバイキングでパンを食べてから、ホテルをチェックアウトしてスペイン村へ。
すごい曇天。今にも降りそう。いやちょっと降ってる。でもまだ、屋外ジェットコースターは運行している。

久しぶりに乗ったジェットコースター、妙に心臓がドキドキしたけど、落ちている最中は怖くなくて楽しい。怖いのは登っている間だけ。スピードを上げてぐるぐる回ってるときはただただ爽快。スペイン村で一番強そうなジェットコースター『ピレネー』に乗る前に、雨が強くなった。『ピレネー』は悪天候で運休、まあまたいつか。

代わりに屋内ジェットコースターに四回乗った。最初は二十分くらい待ったけど、四回目は五分くらいしか待たなかったはず。係のお姉さんに顔を覚えられてしまいそうで、陰の者は少し恥ずかしい。

チュロスを食べ(1つ買ったら2本入ってる!)、お土産を買い(赤福も売ってる、私たちは全員赤福を買った)、結構な雨の中、村を出る。電車に乗って、新幹線に乗って、帰る。

電車の中で、友達が真面目なことを言う。

「習い事を始めたんだ。社会人になってから、学生時代の友達もライフスタイルが変わる人が多くなって、なかなか会えなくなる。会社の人は友達って感じじゃない。だから、新しい友達を作るには自分から色々やるしかない」

彼女はまっすぐで、真面目で繊細だ。
私と全然違う、だから十年近く、私たちは友達だ。

私はもう、できるかぎり関係を作りたくない。閉じていたい。

「これ以上の関係なんて要らない」、少ないながら友達がいるから言えることだと、本当に孤独だったら言えないことだと、わかっているけど。

品川駅で友達と別れる。みんな、住む町が違う。職業も全然違う。その事実が素敵だねと思いつつ山手線と私鉄で帰る。
雨はもう止んでいる、明日のおやつは赤福。

追記:赤福は妹と分け合って食べました。久しぶりの赤福、あんこがお上品で美味しい。スペイン村、また行きたいなぁ。次こそはピレネーに乗り、雨で中止してしまったパレードなども見たい。伊勢神宮にも行きたい。そしてきっとまた、お土産に赤福を買って食べる。



引用:森茉莉『父と私 恋愛のようなもの』p.64 早川茉莉 ちくま文庫

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