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【ライブレポート】2024/4/5 Jam Fuzz Kid presents One Man Show“From Me”@新宿MARZ

Jam Fuzz Kidのワンマンライブに行ってきた。会社設立、レーベル立ち上げから約一年という、彼らにとってある種の節目のライブは、新宿MARZでの開催となる。
※本ライブは撮影OK

登場SEを以前の「The Shock Of The Lightning(The Jagz Kooner Remix)」から、最新曲「DFY」イントロアレンジVer.(?)に変え、颯爽とステージへ。

ライブの幕開けは、SEからの流れで「DFY」をパフォーマンス。3月末リリースの最新曲にも関わらず、フロアからはさっそくたくさんの手が上がる。新宿MARZに集ったファンたちの前のめりな姿に、ステージの熱も増していく。

「俺らのライブにルールはないんで、自由に楽しんでってくれ!」

Riki(Vo)の言葉に呼応するように始まった「601」は、曲冒頭から攻撃的なギターリフと歌唱が印象的な曲。ふだんリズムギターを担うことが多いヤマザキタイキ(Gt)のソロプレイも飛び出した。

久しぶりの企画ライブということもあってRikiは緊張し、控室でメンバーが返事もしなくなるくらい、ひとり喋り続けていたそうだ。そんなRikiはあらためて「僕らのライブは自由に楽しんでもらうのが、唯一のルール」とJam Fuzz Kid流の楽しみ方をレクチャー。

そして「飛ばしていくよ」の言葉通り、ライブ序盤からアンセム曲「Tyler」を放り込んでフロアのギアを一段上げる。その後も「FLASH」「Floating away」など新しい曲から古参曲まで幅広いセットリストで、Jam Fuzz Kid印の快感たっぷりなギターリフをこれでもかと聴かせてくれた。

「Afterglow」でのアサイリュウ(Gt)のギタープレイ、そしてメンバーコーラスも聴きどころのひとつだ。Jam Fuzz KidはそのUKサウンドやギターリフが大きな注目ポイントだが、コーラスワーク、さらにはJohn S.Kobatake(Ba)とLUKE(Dr)によるリズム隊の演奏スキルも素晴らしく、バンドサウンドそのもののクオリティが高いところも見逃せない。

「やっと身体が温まってきた」とRikiのエンジンも高回転。ライブアレンジの助走をつけた「KABUKI」でライブはさらに加速していく。

MCでは、メンバーの出身である中央大学愛溢れるトークも飛び出し、「全然文系だけど医学部くらい(何年も)通ってた」といった発言も。

また、これから披露する新曲に緊張し、そのことを包み隠さず伝えるRikiがなんとも愛らしい。

Rikiの緊張を誘発する、センチメンタルなメロと歌がたまらない新曲「Orange Morning」は、華やかでスケール感溢れる彼らの名曲群にあって異彩を放つナンバーで、既発の3rd EP『BOYS』特典のデモ音源盤にも収録されている。セットリスト的にも良いアクセントになっており、最近Jam Fuzz Kidを知った人には新鮮な一曲ではないだろうか。美しいバラードの中でもちゃんと光るギター音色は、さすがJam Fuzz Kid。必死に高音域を歌い上げるRikiの頑張りにもドキドキだ。

その後、未発表の新曲「Mercury」「SPINE」を立て続けに披露。片方はヤマザキ、片方はRikiが作曲とのことで、ヤマザキいわく、Riki曲は「ギターが簡単」とのこと。大学からギター始めたから、とRikiは語っていたが、どちらの曲も、これまでの彼らにはない新境地的なサウンドになっており、「Mercury」の哀愁漂う様には正直驚いた。イントロのギターから切なさ満点だ。一方「SPINE」はバキバキにエッジの効いたロックで、これまでのJam Fuzz Kidの延長線にありながらも、進化を感じさせる曲。新たな表現力を手に入れて、ますます彼らのこれからに期待が高まる。

「Orange Morning」から始まった新曲シリーズを経て、間髪入れずに個人的アンセム「Pluto」へ。この曲はメンバーチェンジを経て、新たな幕開けを感じさせるタイミングでリリースされたもので、だからこそなのか、たくましいサウンドとメロディが聴く者に力を与えてくれる、そんな楽曲だ。

白いシャツから黒のグッズTに着替えたRikiは、彼らのロックンロールを体現するような「Sunshine Highway」を派手なアクションを交えながら熱唱。さらにポップで柔らかい印象のこれまた新機軸な新曲「Sunflower」、そしてライブ定番の「Consequences」と畳みかけていく。

本編最後の位置づけとなる「Shimmer」まで終えると、そのままステージからはけることなく「ここからはアンコール」と告げた。

Rikiは言う。「俺らアンコールはやらないんで。アンコールはデカい会場まで取っておこう!」

Jam Fuzz Kidが、鳴らす音楽だけでなく、そのスタンスも含めてカッコいいと感じるにはちゃんと理由がある。そこに美学があるからだ。高学歴が意味をなさない世界へ飛び込み、DIYの精神で自ら会社やレーベルを立ち上げ、誰にも媚びずやりたいことを貫く姿勢。その音楽とアティチュードに心惹かれてしまう。

ラストナンバーに「Nightwalker」を投下。アサイがラメ加工が施されたキラキラなニューギターを手にすると観客騒然。最後までフロアをブチ上げ、彼らは颯爽とステージを去っていった。

ギターロックとは、ギターが鳴ってるロックのことではない。ギターがカッコいいロックなんだということをまざまざと思い知らされる、そんなライブ。90年代UKロックをベースに独自の進化真っ最中のJam Fuzz Kid。

これからも続々と新曲をリリースする彼らから目が離せない!

セットリスト

01.DFY
02.601
03.Tyler
04.FLASH
05.Floating away
06.Afterglow
07.KABUKI
08.Orange Morning
09.Mercury(未発表新曲)
10.SPINE(未発表新曲)
11.Pluto
12.Sunshine Highway
13.Sunflower
14.Consequences
15.DO YOU MIND?
16.Shimmer
17.Nightwalker

※ライブ内容の一部に記憶違い等あるかもしれません



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