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夜明けの讃美歌~ふゆの日の祈り

遠くでパイプオルガンの重厚な音とともに讃美歌が鳴り響いている

外は少しずつ暗くなり、雪がはらはら舞い落ちている

ステンドグラスからあたたかな光がこぼれる

ここはスコットランド、エジンバラ

教会の中で幼い女の子と若い女性が座っているのが目に留まった。
親子だろうか。
女の子は女性に向かって、嬉しそうに小声で何か話している。

ああ、これは私だ、と思うと同時に鮮やかによみがえる記憶

大好きな”お母さん”と教会の幻想的な雰囲気の中で、讃美歌を聞くのが私のお気に入りの時間


家はわりと裕福でお嬢様だったけれど、両親は忙しく、ほとんどの時間、私は”お母さん”と呼ぶナニーと一緒に過ごした


ナニーにはたわいのないことから真剣なことまでなんでも話すことができたし、

両親がいない日には、温かいココアを飲みながら、暖炉の前で夜遅くまでおしゃべりした

まだ幼い私にとって彼女はお母さんであり、お姉さんであり、友達だった


子供心に抱えていた寂しさや悲しみを讃美歌が連れ去ってくれる
ナニーと過ごす時間が何よりの楽しみで幸せだった

どんなにおいしい食事よりも、贈り物よりも、心が満たされる時間だった

そんなことをぼんやりと考えているうちに、また意識が遠のいていった


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