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わたし個人とダイバーシティー(「良い質問をする技術」) | きのう、なに読んだ?

多様性(ダイバーシティー)。ここ数年、よく耳にするキーワードです。たとえば、内閣府の「男女共同参画関係用語」(平成24年8月)には次のとおり定義されています。

ダイバーシティ :「多様性」のことです。性別や国籍、年齢などに関わりなく、多様な個性が力を発揮し、共存できる社会のことをダイバーシティ社会といいます。

また、経団連も 2017年に「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」という提言を発表してますね。

このように、「ダイバーシティー」は、一般的に、社会のあり方や経営課題の文脈で語られています。でも、社会の一員としての私、組織の一員としての私個人にとって、ダイバーシティー=多様性って、どういう意味があるんでしょうか。ダイバーシティーの高い環境に身を置くと、何がうれしいんでしょうか。

私はこれまで、日本の大手金融機関、米系のコンサルティングファーム、欧州系のメーカー2社、そして日本の数十人規模の会社で働いてきました。この1年は仕事をせず、ちょっとふざけて「ジョブレス」なんて言いながらブラブラしています。ジェンダー、国籍、人種、ライフスタイル、働き方といった点で多様性の高い職場を経験してきましたし、私の経歴自体が業種、組織規模、外資・内資、有職・無職といった点で多様性に富んでいます。そんな自分の経験を踏まえた、ごく私的な「個人にとっての多様性の意味」を考えてみました。ちょっとまわりくどいかもしれませんが、お付き合いください。

そもそもなのですが、「人は、見たことがないものは欲しがれない」ものです。これは昔、尊敬する先輩から聞いた言葉で、事あるごとに思い出すんですね。人は、見たことがないものは、知らないから、欲しがれない。そして、経験したことがないものは、分からない

次に、私にとって「成長」とは「振り返ってみたときに、自分が『良かった』と思う方向に変化していること」です。で、わりに好奇心旺盛なものですから、たくさん経験して、たくさん分かると、うれしい。

ということで、成長するために、私はいろんなものを見て経験したいわけです。

では、経験の幅を広げるには、どうしたらいいのでしょうか。ここで、先達の知恵をお借りしましょう。大前研一さんは「時間の使い方を変える。住む場所を変える。付き合う人を変える。」とおっしゃっています。また、出口治明さんは「人、本、旅」とおっしゃっています。

つまり、そうやって多様な経験を積むことでしか、私は成長しない。面倒ですが、そういうことのようなんですね。

しかし、ここで終わりではありません。改めて問います。多様な経験をすれば、私は成長するんでしょうか。複数の人が同じ経験をしても、変化の方向や度合いはそれぞれではないでしょうか。経験を通して、私には何が起きてるのでしょうか。

経験が身になるときって、自分に新しい問いが向けられ、自分でそれに答えた時だと思うんです。…と言っても、これは私の発見ではなくて、「良い質問をする技術」という本から学びました。

人は無意識のうちに四六時中、自分への質問を繰り返しています。
「今日は雨が降るのかなあ?」
「あの会議は何時からだっけ?」
「そういえば、昨日来ていたメールに返事したんだっけ?」
といった日常生活の中での質問もあれば、
「自分はなにがやりたくていまの会社に入ったんだっけ…?」
「死ぬまでに、これだけはやらないと後悔することって、なんだろう?」
のような、いままでの人生を振り返ったり、これからの未来を考えたりする質問もあります。
あまり知られていないことですが、私たちは、こうした心の中の質問をスイッチとして行動を起こしています。自分に質問を投げかけ、答えを出し、その結果として行動をしているのです。
これは、自分に毎日「同じ質問」だけを投げかけていれば、その人の人生は変化することなく過ぎていくことを意味します。これまでとは違う人生を手に入れるには、これまでとは違う質問を自分に投げかける必要があるのです。

そろそろまとめましょう。ダイバーシティーの高い環境に身を置くと、私は、何がうれしいか。それは、「人、本、旅」の「人」とか「会う人が変わる」ことによって「これまでとは違う問い」が私に投げかけられ、それによって「人」が「私の経験」として身になり、その身になった経験のぶんだけ私が変化(=成長)することが、うれしいんです。

これが、私個人にとっての多様性の意味です。皆さんお一人おひとり、個人にとっての多様性の意味は、それぞれ違うかもしれませんね。正解はない気がします。

蛇足ですが、こうやって「一般的に正しいとされること」を自分個人に引き寄せて考えること、私は好きです。

最後に。この note は、「『いい感じにはたらくTips』 アドベントカレンダー2019」に参加しています。目次詳しい説明がありますので、ご興味あればぜひどうぞ。

今日は、以上です。ごきげんよう。

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