埼玉県の魚介類のゲノム編集や陸上養殖技術の活用について

令和5年予算特別委員会

◆細田善則委員 

 予算調書でいう74ページ、水産研究所の研究費からお伺いをいたします。

 最近では、昆虫食なんていうことも話題に出ておりますけれども、消費者からはまだまだ受け入れられないというような感触が今ニュースでも流れております。日本人には食べ慣れた魚介類の養殖技術の改良が望ましいというふうに考えております。

 本県の水産研究所では、ホンモロコなどの取組がされておりますが、更にゲノム編集の技術及び陸上養殖の技術を取り入れていくべきかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

 というのも、資料のほうで入れさせていただいておりますけれども、先日私、京都大学にベンチャーの会社でリージョナルフィッシュという会社で見学をさせていただきました。ゲノムの編集ということで遺伝子組換えのGMOと言われているものとはまた違くて、天然にあり得ること、GMOというのは新たに遺伝子を足すので特殊なというか、あり得ないことが起こるんですけれども、こちらのほうはあるものを削除するというか、なくすということで天然の変異の中であり得ることの技術ということでございます。

 消費者も、タイが1.6倍ぐらい可食部が増えるということで生産性も上がるということで、期待されている技術ということなんですけれども、本県のこの取組に関する考え方をお伺いいたします。



◎農林部長 

 現在、県内で陸上養殖に取り組んでいる事業者は、今現在ですと4事業者あります。サーモン、サバ、ウナギ、チョウザメ、この4種類の生産がされているというところでございます。ただし、現在のところ委員おっしゃったゲノム編集水産物、これを養殖する事例というのはございません。国の方でも、養殖業成長産業化総合戦略というのがあるんですけれども、その中でゲノム編集技術を用いた育種については新しい技術であることから、生態系への影響や食品安全性を見極めて、また消費者からの理解を得ながら進めるなど、慎重に取り組むべしというようなことを言っております。これらのことから、現時点ではゲノム編集で作られた魚は設備が整った閉鎖式の陸上養殖で生産するというふうにされております。

 県といたしましては、国の扱いを踏まえつつ、ゲノム編集技術を用いた水産物については県内事業者のニーズを確認するほか、育成技術ですとか収益性など、多方面の情報をまずは集めて参りたいというふうに考えております。



◆細田善則委員 

 部長の御答弁でも、言い分も分かるんですけれども、厚労省や農水省も、この組換えの技術を届出制として4例ぐらいですかね、もう届出制で流通が始まっております。ヨーロッパは、少しGMOと同じような扱いという認識でちょっと厳し目の規制ですけれども、アメリカのほうは、またこれは違う技術として認識をされているというふうに承知をしております。

 ITのときもそうでしたし、AIのときも日本はこういう新たな技術に対して慎重になり過ぎて、時流に乗り遅れるということがございますので、是非、島根県なんかは去年このリージョナルフィッシュと連携協定をして、新たな県産水産物の育成ということを取り組んでおりますが、この連携という意味で県の考え方お伺いいたします。



◎農林部長 

 お話がありました島根県につきましては、ちょっと私どもの方でも少し情報を取ってみましたけれども、岩ガキで技術を応用しているというようなことのようでございますが、三倍体といって染色体が3本になるんです。そういった種苗の開発をリージョナルフィッシュ社というんでしょうか、そちらのほうに委託をしているということでございます。

 ただ、この三倍体品種の開発というのはゲノム編集技術そのものではなくて、従来からある受精卵にある一定の処理をすることで染色体操作をするという技術で、本県でもこれについては染色体操作技術ということで、子持ちのホンモロコを作出しているというところはございます。県内でも取り組まれていますけれども、ホンモロコ、ナマズ、コイ、フナ、ドジョウ、いわゆる普通の養魚業です。お魚について養殖事業者の現場における育種のニーズですとか、あるいは陸上養殖の規模に見合った需要が見込まれるかというようなとこら辺を見極めながら、必要に応じて民間ですとか大学ですとか、そういった研究機関との連携について幅広く情報の収集に努めて参りたいというふうに考えております。

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