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Episode 80 物差し2つはムリなのです。

レミオロメンに「春夏秋冬」という一目惚れをしてしまった…って歌があります。

いたずらに差す光が 君の髪の上滑り落ち
瞬きの間に世界の色を変えてしまった

…と、歌うその瞬間を、私は経験したことがあります。
恥ずかしいことを白状します。
私、パートナーに一目惚れでした。

それは私が新卒で就職して間もなくでした。
私は店舗で仕事をする正社員、彼女はそこのアルバイトという間柄。
研修の大型店から一般規模の店舗に移ってすぐに彼女の存在を知ります。

もう、なんて言っていいのか…まさにその歌詞の通りなんですよ。
寝ても覚めてもって感じです。

でも、立場が…。
新卒とは言え、一応は正社員の私。
相手は年下のアルバイトさん。
仕事なんて大してできないのに、一応は店舗管理の一任を背負う立場、指示もフォローもしなければならないワケですよ。
新卒で右も左もわからず、それでも何とか仕事をしようと頑張る私の目の前を彼女がかすめて通るワケですよ。
「それはダメ!」って思っても、視線が勝手に彼女を追いかけるワケですよ。
視線が彼女を追いかける間、手が止まっているワケですよ。
「ダメダメ、仕事仕事!」って思っているのは私だけで、誰がどこから見ても「あー、ねー…」って思うような状況だったワケですよ。

このタイミングで私からアプローチしていたら、多分…今はなかったでしょうね。
後から聞いた話、パートナーが私をどう見ていたかと言えば、「明らかに気があることが隠し切れない変なヤツ」…だったそうです。
それが、いつまでたっても進展しない…気があるのは見え見えなのに、仕事以外の話が出てこないワケです。

それは私にとって初めての経験でした。
学生だった頃は、その場に応じて立場を変えるってことはありませんでした。
学生は学生、基準がひとつだってことです
でも、社会人になった私が悩んだのは、彼女と私は職場で「上司と部下」で、そこにプライベートでの「彼と彼女」の感覚を持ち出すことが分からない…。
彼女を測る物差しは仕事用で、職場以外での接点がない彼女に対して、プライベートな接点を持ちかける方法って?
彼女が私を「変なヤツ」って思っているところに、「上司と部下」の切り口でアプローチして成功するとは思えません。

そんな風にマゴマゴしていて、シビレを切らしたのは彼女の方でした。
「もう、じれったいなー。」
彼女の気持ちが変化していることにも気が付かないドンくさい私は、結局彼女に「付き合って!」の一言を言わせるワケです。
テクニックでも何でもないです…。

こうして彼女と付き合うことになった私、自分から好きになった人と付き合うのは初めてだったと、後になって気付くのです。

旧ブログ アーカイブ 2018/12/3

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