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ニーチェを読むための予習について

 自分は、社会人1年目だった2010年度、今後の生き方について大いに悩んでいた。会社の仕事は面白くなく、全国転勤ありの会社だったので住みたい土地に住めるわけでもない。また会社以外の人間との長期的な人間関係を作ることも難しい状況だった(特に、地元の香川県や大学時代を過ごした大阪府の友人たちと遊びたいという欲が人生史上頂点に達していた。早い話がすごく孤独だった)。

 そこで、少しでも生きるヒントを得たいと思い、このころから暇があれば読書をするようになった。そんなときに出会ったのがニーチェであった。過去のAmazonの購入履歴を確認すると、2010年のある時期に、岩波文庫の『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』を購入している履歴がある。

 しかし、当時の自分にはニーチェは難解すぎて、全く理解できず、ほとんど読まずに売ってしまったのだ。

 ところが、今の自分は、哲学全般について平易に解説してくれた本を何冊か読破しているし、YouTubeで解説動画もよく観る。当時の自分よりは、哲学の理解が深まっており、従ってニーチェも読めるのではないかと考えた。

 ただし、当時読んだ時の、ニーチェアレルギーとも言える「なんじゃこりゃあ!まったく分からん!!」という感覚がまだ払拭できていない。そこで、まずは漫画や飲茶さんが書かれた解説本を読むことにした。

 思った通り、これらの本は易しく書かれており、自分でもニーチェの思想の要点がざっくりと理解できた。特に、飲茶さんの書かれた『「最強!」のニーチェ入門』はめちゃくちゃ分かりやすかった。ニーチェの思想の核であるルサンチマン、ニヒリズム、末人、力への意志、超人などが一通り分かりやすく解説してある。

 これらの本をじっくりと読破し、ついに自分は14年の時を経てニーチェの著作を購入するに至った。まず購入したのは『道徳の系譜』である。読むのが楽しみだ(と言っても、これを書いている時点で、8割くらいは読み進められているのだが)。


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