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北海道東部、脱ペーパードライバーに向けた猛特訓【旅行記#5】

みなさんこんにちは。前回からだいぶ間隔が空いてしまいましたが、旅行記シリーズ第5弾です。今回は2023年3月に訪問した網走・釧路・根室の記録になります。過去作も以下からどうぞ。


序文

前回の広島旅から3か月。旅の禁断症状が出始めた2022年の末、カレンダーを眺めながら連休が作れそうな日程を探していた。1日休みを取れば4連休になる日程は3月の中旬、春分の日の前後であった。WBC決勝ラウンドの真っ只中であることには予約してから気づいた。マイアミへ行くには厳しいお財布事情だったこともあり、日本国内であればどこで見ても一緒だろうということで決行した。旅行先は北海道。といっても道東エリアだ。エアトリで成田ー女満別間のPeach便格安ツアー(+全国旅行支援)があったのでそれに乗っかる形となった。3泊4日、レンタカーもついて費用は5万円ちょっと。もちろん飛行機代、ホテル代も含まれている。とんでもないお得旅だと思わないだろうか。そう思ってほしい。

Day 1: 網走に上陸

広大な大地との出会い

Peach便なので成田から飛び立つ。都心からは時間も金もかかるが、航空券の数千円に比べれば電車の数百円など大したことはない(と思っている。早朝便とかでなければ)。特に遅れもなく女満別空港に到着し、レンタカー屋まで送迎してもらう。車窓から北海道の広大な大地を臨みテンションが上がる。視界に建物がない風景を探すことは都会においては難しく、私も長らく遠ざかっていた。

3月の北海道はまだまだ冬が厳しいとのことだったので、東京では1月ごろに着る装備で挑んだが、旅行期間中は本州同様に暖かく、肩透かしを食らってしまった。運転する分には路面が凍っていなかったのでよかったが、暑いと感じるときさえあった。

午後の便だったため到着は夕方。普段は運転していなかったため、日没前に目的地に到着しなくてはならない(視界が悪くなることもそうだが、ライトをつけたりハイビームロービームの切り替え等操作の煩わしさもある)。早々に網走へ向かう。明るいうちに到着し、無難に駐車とチェックインを済ませることができた。

オホーツクはすぐそこ

市街観光は徒歩で。車は速くて便利だが、慣れない道では道中の寄り道など小回りが利かない。ホテルは駅前にとったため、網走市街までは少し距離があったが、観光という点では悪くないだろう。

オホーツクの玄関口、網走駅。地方あるあるなのか、駅前はホテルがいくつかある程度で市街地は離れたところにある。徒歩で20分くらいか。

市街(=海側)に着くと、やはり港が目に付く。さえぎる島も見当たらないオホーツクの水平線。到着以来数時間ぶりに遠くまできたなという感想を抱く。

流氷観測船が休む港。防波堤の向こうは流氷なきオホーツク海。(暗くなる前に到着できてよかった)
閉店間際の道の駅へ。流氷の天使(パネル)がお出迎え。

日没後の市街を散策しながら夕食の店を探していると、ところどころに北方領土の返還を願う看板が目に入る。すぐそこにあるのに行けないもどかしさを抱えて生きている人たちがきっと今もいるのだろう。親しい人と別離してしまった人もいるのかもしれない。

歴史の一端に思いをはせながらアーケード街へと歩を進めると、よさげなレストランを見つけたが、あいにく旅行支援のクーポンに対応していないらしく、あえなく撤退することに。メニューはとても魅力的だったのでリンクを貼っておく。皆さんも網走を訪問する際は行ってみてはどうだろうか。レビュー待ってます。
ここまで来たしせっかくなら地のものを、ということで寿司をいただく。すっかり北海道のおなじみとなったウニやカニに加えてクジラの握りもあり、江戸前とはまた違ったラインナップを発見できた。じゃがいも焼酎の流氷ろまんもすいすいと染み込んでいく。酒が飲めるのも徒歩旅のいいところだ。

腹ごなしにホテルへ歩く道中のコンビニで地ビールを購入。旅先では一期一会という言葉の意味を10倍重く感じてしまう傾向があるらしい。慣れない土地の限定品は買ってしまうよね。そんなことを思いながら床に就き翌日に備えた。なお、このビールは道の駅や空港でも普通に売っていた。

夜の網走駅。電車が来ている時間ではなかったため駅前にも人はほとんどいなかった。

Day 2: 聖地巡礼(とロングドライブ)

いざ、聖地へ

網走の朝。朝食もそこそこに車を走らせる。宿へ向かう道中で見た網走湖の眺めが素晴らしく、ぜひとも写真に収めたいと前日から思っていた。(初日は久しぶりの運転に対する緊張感でその余裕がなかった。)

行きの道中も通った網走湖の景色。天気にも恵まれた。

第一のミッションを終え、お楽しみにしていた次の目的地へ。網走といえば、そう、監獄である。執筆活動も続かないほどの飽き性でおなじみ(下書きで書いていた通りひどく間隔を空けてしまった。期待していた読者の方には申し訳ない。)の私が1期から追い続け、漫画原作も完走した作品『ゴールデンカムイ』の聖地だ。

監獄への唯一の入り口である鏡橋。「流れる清流を鏡として、我が身を見つめ、自ら襟をただし目的の岸にわたるべし」との思いが込められたネーミングらしい。

各スポットの紹介は公式HPに任せるとして、それぞれの展示が当時の様子をそのまま伝えているかのようなリアリティの高さに驚いた。放射状の舎房もアニメで見た通りの見通しの良さで、見学時はただ圧倒されていた。写真撮影はほぼどこでも可能だったが、中には相当生々しい展示もあるためここには載せない。興味ある人は行ってみてね : )

舎房の見通し。中央の方形エリアには炭が置かれ、冬場に暖をとっていたようだ。
労働中の囚人の住居。道路の開削や鉱物資源の採掘等、危険が伴う作業に従事しながら小屋を建て、丸太の枕で眠る生活は大変つらかっただろう。見張る看守も含めて。
こちらは監獄の近所にある北方民族博物館。もう少し前の続縄文、擦文文化やもっと北に住んでいた人たちの生活を知ることができる。パンフレットを見返していたらスタンプを捺し忘れていた。無念。

阿寒への長距離運転

次の宿へ向かう前に、寄るべきポイントを事前に調べていた。一つは「天に続く道」。30キロも続く直線道路だ。その壮大な眺めを一目見るべく車を東へ走らせる。道中の車通りはほとんどなく、運転ブランクがあった私でも余裕で運転できた。慣れって大事。

小清水の原生花園駅。5月~10月のみ開業する臨時駅で、奥にはオホーツク海、手前には濤沸湖を臨む絶景スポット(のはず)。
天に続く道スタート地点からの眺め。地平線に伸びる一本道の様子がよくわかる。カップルがいるかと思ったが男子大学生と思しきグループが1組いただけだった。

天に続く道からは一路南を目指し、釧路市阿寒へ。釧路といえば太平洋側の街をイメージしていたが、阿寒湖のあたりも行政区分上は釧路市に属するらしい。改めて北海道のスケールの大きさに度肝を抜かれた。
もちろん休憩をはさみつつ向かうわけだが、昼食のために道中訪れた清里町はじゃがいも焼酎で有名らしく、酒オタクとしては買わずにはいられなかった。運転中のため味見はできないので宿で飲む用に調達したが、今となって思えばこれは一種のギャンブルである。

昼食。ご飯の上にとんかつを載せデミソースをかけたエスカロップ。発祥は根室らしい。
デザート代わりの牛乳。本州で飲むよりコクの深さを感じた。寒さで脂肪分の量に差が出るから?

アイヌ文化の残る街、阿寒

その後も休憩をはさみつつ距離にして合計約130キロのドライブを終え、阿寒湖に到着。夕食と温泉付きの高級(?)ホテルにチェックイン。

宿からの眺め。雄阿寒岳の存在感が大きい。湖上でのスケートやスノーモービルなどのアクティビティもシーズン終了間際ということで観光客が多く参加していた。夜の花火イベントは最終日だったらしい。
アイヌの工芸品を扱う店が並ぶコタン(集落)。湖のほとりにあり、木彫りの装飾品が数多く並んでいた。上の方には劇場があり、アイヌ文化にまつわる演劇等が行われている。
ホテルの夕食。豪華でした。お酒は部屋で飲むのでここでは我慢。
↓また新しい網走ビール飲んでら。

Day 3: 最果ての地を目指してロングドライブ

そのまんま東へ

3日目の目的地は(民間人が行くことのできる)北海道の最東端、根室の納沙布岬。のさっぷ。ノシャップは稚内の宗谷じゃない方の岬らしい。阿寒からの距離は178km(!)。グーグル先生曰く3時間かかるらしい。ほかに手段があるわけではないが、車をもってしても道東観光には何日あっても足りないのではないか、という不安さえよぎる数字だ。だがせっかく来たのだから向かわなくてはもったいない。これも一期一会である。

国道241号・双岳台より雄阿寒岳を臨む
弟子屈町・摩周駅にて。湖が有名だが、道の駅にも足湯があり、温泉街としての側面も持つらしい。
根室市の温根沼大橋

休憩を挟むと当然3時間ではつかず、納沙布岬に着くころには昼過ぎであった。北方領土資料館ではネットを騒がせたあのキャラクターがお出迎え。口を奪われたら発言も静かになるか。

資料館でいただいた証明書。
裏面の全貌は四端を制覇して初めて明らかになるという冒険オタク心をくすぐる代物。

そして西へ

今回最大のミッションを終え、あとは観光を満喫するぞと気が楽になったところで根室名物のやきとり弁当をいただく。すっかりおなじみかもしれないが、北海道のやきとりといえば豚バラ肉である。やきとり弁当は#1でも触れた函館のハセガワストアが有名だが、根室のタイエーという店も負けてはいない味だった。(タレに使われているワインの産地が違うらしい)。

根室市の人口規模に合わせてなのか、タイエーの店舗数はハセガワストアに比べて極端に少ない。今後はどうなるかわからないが、1年でも長く存続してほしい。
国道44号をひたすら西へ進み釧路へ向かう。途中厚岸の道の駅コンキリエにも寄ったが、ちょうど定休日だったらしい。ウイスキーとか牡蠣とかが楽しめたと思うと非常に無念であった。

旅行から半年後に出張先で訪れたバーで見かけたウイスキー。1杯5000円と言われ、上司のおごりでも手は出なかった。

釧路に着くともう夕方である。夕食の店を調べているとあっという間に日が暮れた。炉端焼きが有名ということでいただくことにした。このお店はラーメンもおいしいらしく、みなセットで頼んでいた。ちなみにスパカツも釧路発祥の料理らしい。スパゲティの上にとんかつが乗り、ミートソースがかかっているそう。前日にエスカロップを食べていたので、連日のカツは、、と思いパスすることにした。

Day 4: 北へのロングドライブ

釧路観光、?

いよいよ最終日である。前日は気が付くと日が暮れてしまっていたので、釧路を観光をするとすれば今日の午前中しかなかった。どこに行こうかスポットを探していたが、どうにもピンとこない。幣舞橋が有名ということで朝の散歩がてら向かったが、肝心のフォトスポットが改修中?だったらしくお世辞にも満足度が高いものではなかった。湿原で有名な町だし、暖かい時期に再訪することにしようと思い女満別空港への帰路につくことにした。

モニュメントのコンセプトを汲むと、夕方に来るべきだったのかもしれない

寄り道ざんまい

まだ午前中だ。車でWBC準決勝を聞きながら北へ向かう。道中でどうしても寄りたいスポットといえば摩周湖くらいで、時間に余裕もあったので、適当にといってはあれだが寄り道しながらドライブを楽しむことにした。

釧路湿原エリア内の塘路湖。ワカサギ釣りのシーズンが終わり、春の訪れの第一歩を感じる。
摩周湖。透明度の差を確認することはなかったが、テラスからの眺めは絶景であった。
摩周湖展望台から川湯温泉への道道52号線はまだ通行止めのままだった。
摩周湖のお店で買った山ぶどうワイン。甘みと渋みのバランスがよく飲みやすかった。
国道253号を北上した美幌峠から弟子屈湖を臨む。
美幌峠を越えた先の温泉「峠の湯びほろ」。長時間ドライブで凝り固まった体がほぐれるいい湯だった。

そんなこんなで空港に着き、旅も終了。ひさびさのレンタカー運転だったが、無事故で終えることができて一安心である。

帰りの機内でも結局ビール。

おわりに

この旅はツアーに乗っかる形ではあったが、一生に一度は訪れておきたい場所を訪問するという点では一大ミッションを達成できた気がする。釧路に関しては不完全燃焼な感があるが、トロッコで湿原を見るために再訪する価値はあると思う(厚岸の牡蠣とウイスキーも含め)。また運転に関して苦手意識があったが、この旅で一気にそれがぬぐわれた気がする。車が少ない環境では外部からのストレスも小さく、慣れやすいのだろう。ペーパードライバーの各位にもおすすめしたい。
以下旅のオフショットを載せておく。それではまた次回。

監獄でのコラボ展示(?)実物を見るとこの人、どうやってここから逃げたの?となる。
阿寒湖にはアイヌの伝承演劇の劇場もある。
夜に公演があったので鑑賞。コンテンポラリーダンスのようなものだった。
納沙布岬付近に立つオーロラタワー。営業はしていない。
バブル期の遺物だろうか、海風にさらされてひどく劣化していた。いつか倒れるのではなかろうか。
2日目のおつまみたち。さすが食の宝庫。
3日目のおつまみ。エスコンへの期待がうかがえる。

続編はこちらから↓


続編へのご期待、ありがとうございます! いただいたサポートは旅費の足しとして宿・現地での飲食・交通手段に使わせていただきます。その内容も記事にしますので楽しみにして待っていてください。