手洗いは新型コロナウイルスの感染予防になぜ有効?手洗いの他は?

「接触感染:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、
その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。
そして、他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、
その手で口や鼻を触ると粘膜から感染します。」


手洗いが大切なのは、この接触感染を避けるためです。
新型コロナウイルスはエンベロープウイルスといって、脂質二重膜の球の中にRNAの鎖が入っています。この脂質二重膜が破れると中のRNAがこぼれ出てウイルスは不活性化します。

では、脂質二重膜とはなんでしょうか。その名の通り、脂質(あぶら)でできた二重の膜です。この二重膜を壊せば、ウイルスは不活化するのです。では壊すにはどうすればよいでしょう。

そうです、脂質二重膜は、油汚れを落とす洗剤、石鹸、ハンドウォッシュ、いわゆる界面活性剤で壊れるのです。界面活性剤とは水と油を混ぜるもの、脂の水をはじく性質を壊すものです。その時に気をつけることは、十分に指を水で湿らせて、ウイルスの脂質二重膜に界面活性剤を届かせることです。なにせ新型コロナウイルスのサイズは100-200nm(ナノメートル)と極小なのです。髪の毛の太さが約0.1mm(ミリメートル) = 100,000nm(ナノメートル)といいますから、ウイルスを1,000個並べてやっと髪の毛1本の細さです。

どうでしょう。今の手の洗い方でウイルスを洗い流せているでしょうか。

指の間、爪の間、手相のシワ、手首、肌のキメに至るまで、しっかり湿らせ、肌の上で石鹸を泡立てて丁寧に洗いましょう。こする必要はありません。そしてしっかりすすぎ、できれば使い捨てのペーパータオルでふきましょう。

そして帰宅してから手を洗う前に触った箇所に付着したウイルスをそのままにぜず、界面活性剤(台所洗剤、洗濯洗剤、石鹸水、ボディウォッシュなど)またはアルコールでしめらせて固く絞った布で拭き取りましょう。界面活性剤と同じようにアルコールもウイルスの脂質二重膜を壊します。消毒にアルコール、界面活性剤が使われるのはそのためです。

帰宅してから触るところ、ドアノブ、スイッチ、水道の蛇口、これらに付着しているウイルスも不活化して感染予防に努めましょう!

*電気系統を濡らすのは感電の恐れがあるため避けてください。
*少しでもウイルスと有利に戦うために、ビタミンC、亜鉛といった必要な要素をサプリメントで上手に補給しましょう。

文責:金子明(薬剤師)
参考文献:
■エンベロープウイルスの宿主細胞への侵入過程
http://jsv.umin.jp/journal/v59-2pdf/virus59-2_205-214.pdf
■国立感染症研究所 コロナウイルスとは
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html
■厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の現時点で把握している特徴【3月28日時点】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html

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