8月某日、STALWARTのShutoくんから一通のLINEが届いた。

ユースのアウェイ鳥栖？あーあ、こいつまたバカなこと言い出したよ…。

今季は何試合かユースの応援にも参加させてもらっていたし、この週は毎年恒例ジュビロマラソンの開催日なので、万が一プレーオフ行きになっていたとしてもトップの試合とは被らない。つまり行かない理由が何もない。気がつくと福岡空港行きの航空券を押さえていた。

どうせ行くからにはひとりでも多いほうがいい。ということで、さっそく遠征仲間を募ることにした。試合が試合なので5人も来れば上等だろうと思っていたら、他団体も合わせて総勢11人と結構な人数が集まった。俺も人のこと言えないけれど、お前ら正気か？ゆめりあのホームゲームじゃないんだよ？

ちなみにHOTSTUFFは鳥栖遠征組とジュビロマラソン出走組に分かれる形になったが、鳥栖のほうが人数多いあたりグループとしての特色がよく出ている気がする。

試合前日の朝9時に福岡空港着。無駄に早いのは言うまでもなく飛行機が安いからである。とはいえ特にやることはないので、時間を持て余しながら「La博多の森」ことベスト電器スタジアムへ。アウェイ民には嬉しい空港から徒歩圏のスタジアムだ。2022年の開幕戦は雨に降られて死ぬほど寒かったな…来年は晴れた日に来たいもんだ。

夜には前入りしたメンツで集まって天神でJ1昇格祝勝会が行われた。2023年はHOTSTUFFの旗揚げに始まり本当に目まぐるしいシーズンだった。偶然同じタイミングでULTRA’ IWATAからSTALWARTも登場し、団体の垣根を超えてたくさんの仲間たちと共に戦った今季のことはずっと忘れないだろう…みたいな感じでしみじみとシーズンを振り返るものと思いきや、数分おきに誰かがチャントを歌い出してはひたすらバカ騒ぎする会だった。個室の居酒屋じゃなかったら普通に叩き出されていたと思う。楽しかったね。
最終節の結果によってはこれがプレーオフ決起集会になっていた可能性も十分あったわけで、土壇場で昇格を勝ち取ってくれた選手たちには感謝しかない。

翌朝、既読がつかない一人を除いて全員がなんとか時間通りに集合し、電車で鳥栖駅へ向かう。
磐田サポーターの集団が博多にいるのを不思議に思ったのか、我々の近くにいた乗客がスマホでジュビロの試合日程を調べていた。すいませんね、そのページを見ても出てこないんですよ。

鳥栖といえば5月に行われたルヴァンカップGL第5節、今シーズン最少のサポーター数を叩き出しながらも完勝したあのゲームが印象深い。あの日たまたま隣にいて声をかけた旗振りのお兄さんが、まさか半年もしないうちにバモニキとして某掲示板を賑わすことになるとは知る由もなかった。
（ちなみにニキは今回の旅でも断トツうるさかった。一人だけシラフなのに。）

もともと冗談半分で始まったアウェイ遠征だが、ここまで来たからにはトップと同じ熱量で100%の後押しをしなければ意味がない。横断幕に太鼓、大旗などこの人数で持っていけるものは全部持ってきた。こんな機会でもないと鳥栖のゴール裏で席貼りなんて出来ないので、幕の配置についても一週間前から打ち合わせを重ねた。その甲斐あって良い仕上がりになったけれど、もっと上手くやれたかなとも思う。

普段からユースをメインに応援されている方々、そして前日の代表戦からハシゴで駆けつけたプログの面々も加わり、20人弱で固まって応援開始。中心部の人数としては、前述のルヴァン鳥栖戦とそこまで変わらないかもしれない。どうやら九州在住のジュビロサポーターの方も何人かいらしたようだ（差し入れありがとうございました！）。

少人数だと一人ひとりの比重がデカいので、声出しをサボるとすぐにバレる。これはこれで緊張感のあるゴール裏だ。選手に全力でやれというならまず俺らがやる。シンプルな話だ。

鳥栖U-18との勝点差は2。残留に向けて絶対に落とせないシックスポインターだったが、勝ちたい気持ちが硬さや力みとなってプレーに現れてしまったのかもしれない。後半の決定機は相手GKの好セーブに阻まれ、前半の失点を取り返せないまま0-1で敗戦となった。

試合後、ゴール裏に挨拶にきてくれた選手達からは悔しさが滲み出ていた。まだ終わったわけじゃない、残り二つ勝とう。俺たちの声が少しでも選手のハートに届いたならば、鳥栖まで行った価値は十分すぎるほどにある。

そういや初めてこのスタジアムに来たのは2013年11月10日、ジュビロが初めてJ2に降格した日だ。確かあのときもスコアは0-1だった。当時の自分に「お前10年後ユースの応援しに来てるよ」と言ってもまあ信じないだろうな。人生いろいろあるよね（雑なまとめ）。

高円宮杯プレミアリーグも残すところ2試合、どちらも静岡県内でのゲームだ。周りのアクションに乗っかる形で始めたユースの応援だけど、ここまできたらこのチームの行く末を最後まで見届けたいと思う。来季もプレミアで戦えるように、一人でも多くのサポーターでU-18を後押ししよう。トップチームがシーズンを終えてジュビロロスに陥っている皆さん、まだ試合残ってますよ！

Kz Ishii (Instagram: kz_ishii)

●グループSNSアカウント
X : @HotStuff_IWT
Instagram: @hotstuff_iwt