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【ホツマの論点】ミチカウタとミシカウタ、サネサシ? <106号 令和元年12月>

 東京の明治記念館喫茶室で私たちホツマ出版会『検証ほつまつたゑ』編集委員は、毎月、会合を開いています。投稿いただいた原稿の確認、次号以降の企画検討、ホツマツタヱから観た世相の話題など、ざっくばらんに意見交換をしていますが、この「放談」の場が新たな発見となることが、ままあります。

 連載執筆の先生方も、ネタの絞り方揉み方に困ると、ここに投げかけて反応を見て、新たな着想を得ると云うことが多々あるようです。それぞれ得意分野はあっても、得意だから「助言」出来るというわけではありません。案外、ある種の新参/門外漢からの「素朴な疑問の投げかけ」に、大きなヒントがあったりして、想定外の発見に感動します。今号も初投稿の方の素晴らしい文章が満載ですが、白鬚神社のスセリを掘り下げた論考のなかで(ご自身の考察も珠玉ですが、チラリと引用された)「当時のみんなが知っている事は当たり前だから書かない」と云うメッセージも、編集委員に「まさにその通り」と気づかせるものでした。

 好評連載『ほつま歌つれづれ』は、本文献の魅力をさらに豊かに香り引き立てる秀論揃いですが、本号掲載論文にも新発見がちりばめられています。ホツマに「ワカ(和歌)」の用例は十有余箇所ありますが、「短歌」とみなされる用例は二ヶだけ。しかも「ミチカウタ」と「ミシカウタ」と字が違います。今回の編集会議でも放談探究がなされ、結論には至りませんでしたが、「ミシカウタ」は「短歌」ではない何ものかであると一同、合意成立、今後の研究課題となりました。

 「サネサシ」も、本誌で何度もとりあげた「ホツマ難語」のひとつですが、今回はまた新たな有力説が浮上しました。「キツヲサネ」から着想した「サネ」です。勿論、掛詞として重層的な意味の含みを孕む表現のなかのひとつの解釈です。これは、筆者K氏の優れた洞察の賜物ですが、これも、編集会議の放談探究の経緯あってこその「新鮮な発見」といえるでしょう。

 月例編集会議は、原則として第三木曜日開催で、どなたでも参加できます。是非、「画期的発見」につながる素朴な疑問をたずさえて、気軽に会議にご参加下さい。また、今後、ちょっとした「発見」をご紹介する『ホツマ標』のコーナーを新設しますので、お楽しみに。

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小誌の編集会議の様子を、少々ご紹介させていただきました。毎月一回東京新宿で開催していますが、感染禍の頃からオンラインでもつないでいて、毎回、投稿論文だけでなくチョット気のついたテーマを巡って放談しています。

ホツマツタヱは歴史物語ですが、百科全書的な記述や、縄文期の哲学・世界観がふんだんに語られていますので、話題に悩むと云うことがありません。また、大和言葉の淵源ですので、語源に関する議論もとても大切です。

本号では、「カモ族と八咫烏」という三回連載の論考のまとめが掲載されました。カモも、ヤタガラスも今日とても誤解の多い「謎の一族」です。その内容については、いずれ有料記事でご案内しますが、下記のバックナンバー購読でも閲覧可能です。よろしかったら是非どうぞ。


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