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【ホツマの論点】 紀貫之が知っていたこと 駒形一登 <78号 平成27年4月>

 平安前期の九〇五年に奏上された古今和歌集。その仮名序で紀貫之は「やまとうた」について次のように書いています。『このうた、あめつちのひらけはじまりける時より、いできにけり。しかあれども、世につたはることは、ひさかたのあめにしては、したてるひめにはじまり、あらかねのつちにては、すさのをのみことよりぞ、おこりける』これが事実であるかどうかはさておき、ホツマに親しむ我々にとって、ワカ姫の別名であるシタテル姫とソサノヲが「やまとうた」の祖であるという記述は十分納得の行くものであります。しかし紀貫之はどこからその情報を得たのでしょうか?

 仮名序は続けて『そもそも歌の様 六つなり』として例歌をあげて歌の種類を説明します。その中に、

『さくはなに おもひつくみの あぢきなさ みにいたつきの いるもしらずて』
これは「かぞへ歌」の例歌ですが、どこかで聞いた覚えがあります。
『ふのやまに おもひつくみの とりゑなみ みにいたつきの いるもしらずて』
よく似てます。実はこれフトマニのフヤマの歌なんです。

 次に「たとへ歌」の例です。
『わがこひは よむともつきじ ありそうみの はまのまさごは よみつくすとも』
一方、フトマニにはこんな歌があります。モヤマの歌です。
『もやまとの みちはつきせじ ありそうみの はまのまさこは よみつくすとも』

 さらには「ただこと歌」の例です。
『いつはりの なきよなりせば いかばかり ひとのことのは うれしからまし』
フトマニのヲヤマの歌です。
『をやまとの みちはすなおに いつわらで ひとのことのは にゑにゆくなり』

 最後に「いはひ歌」の例です。
『このとのは むべもとみけり さきくさの みつばよつばに とのづくりせり』
そしてフトマニのスヤマの歌です。
『すのやまば むべもとみけり さちくさは みつはよつはの とのつくりせん』

 この四歌の引用元については何の説明もありません。う~む、古今和歌集とフトマニの関係は如何にあるらん。

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小誌に連載投稿下さる駒形一登さんの論考。古今和歌集の撰者である紀貫之とホツマツタヱ(フトマニ)との密接なつながりに着目した、大発見です。

我が国の「和歌」「大和言葉」「言霊」をはじめて論評し、その意義を高らかに謳った古今和歌集の仮名序における、模範ウタの本歌が、フトマニ歌にあったことを簡潔に紹介しています。国文学のアカデミズムでは、これらの模範ウタが、何故模範となるのか、なぜ「かぞへ」「たとへ」「いはひ」などの例歌になるのか、謎とされてきました。

その謎の奥にフトマニが、あったのです。

*表紙画像は、亀戸天満宮。道真公の歌占いを今に伝えています。道真公も、フトマニを知悉していたのでした。


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